①目的に合わせた靴を選ぶ
まず犬の靴選びで大切なのは、使用する目的に合わせたタイプの靴を選ぶということです。
犬の靴には夏用や冬用、雨・雪の日用、室内用などさまざまな種類があります。
夏用は蒸れにくいようにメッシュ素材でできていたり、冬用の場合寒さを防ぐために中にボアやフリースが使われていることもあります。また、雨・雪用であれば防水機能が施されていたり、内部に入り込まないように高さのあるブーツタイプになっていたりします。
それぞれの季節や使い方に合ったタイプの靴を選ばないと、汚れや濡れを防ぐことができず目的を果たせなかったり、内部が蒸れて皮膚の炎症を引き起こすなどのトラブルを招くこともあります。
また、靴と言っても屋外で使用するタイプだけではなく、足の傷を保護するためや滑ってしまうことを防ぐために室内で履くものもあります。
特にシニアになると踏ん張りが効きにくくなって、フローリングの部屋などでは滑ってしまうことが多くなります。そうすることで転倒して怪我をしたり、関節に負担がかかってしまったりします。室内用は足裏にしっかりとした滑り止めがついていて、全体は布でできた柔らかいものを選ぶといいでしょう。
②適切なサイズの靴を選ぶ
目的に合わせて選ぶことと同時に、犬の足のサイズや形にしっかりと合うものを選ぶということも大切です。
サイズが小さい・ぴったりすぎる靴だと靴擦れを起こしてしまいますし、大きすぎると歩きにくく筋肉や筋を痛めてしまうことがあります。子犬の頃に「そのうち大きくなるから」と大きめのものを買っておくなどはしない方がいいでしょう。
犬の足サイズの測り方
1、紙の上で前足を固定する
床に紙を置いておき、犬をその紙の上に立たせて動かないように前足1本を固定します。犬が自分の体重を支えて立っているときと同じ状態をキープしましょう。「待て」のしつけができている犬であれば、立った状態で待たせておきましょう。
2、足の横・縦幅の印をつける
まずは犬の足の横幅を計ります。体重がかかると横幅が広がるので、走ったときのことなどを想定してやや紙に足を押しつけるようにして、一番横幅が広い部分(左右)に点を書いて印をつけます。縦幅も同様に、足の接地面で最も長い部分の印をつけましょう。つま先部分は爪も含めるようにしてください。
3、足のサイズを測る
2でつけた印の幅をメジャーや定規で測ります。できるだけ誤差が出にくいように、印をつけるときには鉛筆など芯の細いものを使うといいでしょう。
犬の足のサイズを測ることはなかなかないと思いますが、自宅でも簡単にできるので靴を買う前にはしっかりと測ってサイズを把握しておきましょう。また、サイズだけでなく靴にはさまざまな形のものがあるので、お店などで試着できる機会があればぜひ試してみてください。
③短時間&楽しい場所へのお出かけで慣らす
目的やサイズの合った靴を選ぶことができたら、次は犬に快適に履いてもらうための練習をしましょう。
基本的に犬は靴下や靴を履いてあることに慣れていないと思うので、初めて靴を履かせるときは強い違和感や不快感を感じることが多いようです。そのため、嫌がって靴を噛んで取ろうとしたり、歩けなくなってしまったりする犬も少なくありません。
始めから靴を履いてしっかりお出かけしようと思うとむずかしいので、まずは家の中で靴を履くことに慣らすことから始めましょう。長時間履かせていると嫌がり出すことも多いので、嫌なイメージがつかないように抵抗感を感じていないうちに脱がせます。
また、靴を履かせたらおいしいおやつを与えたり、特に大好きなおもちゃで遊んだりして「靴を履くといいことがあるというイメージづけをしましょう。靴に慣れてきたら、ドッグランや大好きな公園などにも出かけるようにして楽しい思いをさせてあげるのもいいと思います。
まとめ
犬の靴はおしゃれ目的だけでなく、汚れ防止や傷口の保護、肉球の怪我防止などさまざまな役割を持っています。近年は夏の暑さが異常とも言われ、日中のアスファルトは犬の肉球を痛める程の熱を持っています。
朝早い時間でも日が高く、夕方になっても地面の熱が冷めていないということもあるでしょう。また、雪の後に地面が凍ってしまっているときなども長時間散歩をすると肉球を痛めてしまうことがあります。
さらに、台風や土砂災害、地震など自然災害も頻発しており、早期避難が呼びかけられることも増えてきました。災害時、犬と一緒に避難する場合に土砂やがれきで足が傷ついてしまう可能性も考えられます。そうしたことを防ぐためにも、防災の一貫として犬の靴に慣らしておくというのも大切なことだと思います。