1.社会化が不十分だから
家族に対しては温厚で甘えん坊なのに、他の人や犬が近づいただけでキレてしまうというわんこは、いわゆる「社会化」が不十分である可能性があります。
社会化は本来、親犬やきょうだい犬たちと一緒に暮らすことで自然と身についていくものです。しかしパピー期に親きょうだいと引き離されて新しい家庭に迎えられた場合には、飼い主さんが他の人やわんこと積極的に関わらせることで「ここまではOK」「ここからはNG」の線引きを学ばせ、他者との上手な付き合い方を教えなければなりません。
ゆっくりと社会化を進めて
社会化は本来、パピー期からじっくりと進めていく必要があるものです。ですが気づいたときにはパピー期を過ぎてしまっていた、また、保護犬で成犬になってから迎えた愛犬であるような場合でも完全に手遅れというわけではありません。パピー期よりも時間がかかってしまうことは覚悟したうえで、ゆっくりと社会化を進めましょう。
可能であれば、まずは犬好きな知人の協力を得て、家族以外の人からおやつを貰うことからはじめます。これをくり返して「他者は怖くない」ことを教え、慣れてきたら一緒に遊んでもらうなど、距離を詰めていきます。
2.トラウマがあるから
過去のトラウマが原因となり、キレやすくなってしまっている子もいます。たとえば保護犬出身の子であれば、かつて男の人に虐待された経験があることから、男の人を見ると誰彼かまわずキレて敵意を剥き出しにしてしまうなんてことも。
またずっと同じ飼い主さんと暮らしている場合でも、かつて飼い主さんに怒鳴られたり殴られたり、激しく叱責を受けた経験がトラウマとなり、飼い主さんに対して攻撃的な態度をとってしまう子もいます。
落ち着いて愛犬の気持ちに寄り添って
トラウマが原因のキレ行動は、自分の身を守ろうとする防衛本能から来ており、一種のパニック状態に陥っていると考えられます。パニックを収めるためにも、飼い主さんは愛犬の気持ちに寄り添い、いつも通りの態度で愛犬に接することが必要です。飼い主さんが慌ててしまうと、よりパニックを助長してしまうことに繋がるからです。
3.臆病だから
キレるという行為は、言い換えれば「威嚇」や「警告」に当たります。つまりキレやすいわんこは警戒心が強すぎるということ、もっと言えば、ささいなことにも不安や恐怖を抱いてしまうほど臆病であるということです。特に超小型犬や小型犬がキレやすいのは、この臆病な性格が影響していることがほとんどです。
手に負えなければプロの助けを
先にご紹介したように、社会化を進めることである程度は解決されることもありますが、根本的な性格が問題の場合には対処も少し難しくなってきます。
飼い主さんだけで頑張ろうとすると限界があることも多く、そんなときにはドッグトレーナーなどのプロの助けを求めることも重要な手段です。敷居が高く感じてしまうかもしれませんが、愛犬の今後の幸せのために時には必要な決断でもありますよ。
4.病気だから
今まではキレなかったわんこが、ある日を境に突然キレやすくなった場合、そこには病気や怪我といった身体的な問題が影響している可能性があります。特に身体に触ろうとするとキレるといった場合、触られることで痛みが発生するためにキレてしまっているのかもしれません。おかしいなと感じたら、他に身体の不調がないかをしっかり確認しましょう。
早期発見と適切な治療を
わんこはそもそも痛みに強く、また、野生の頃の名残で身体の不調をギリギリまで隠そうとする性質があります。そのため、あからさまにキレるほど態度に現すということは、病気や怪我の症状が重篤な可能性が高くなります。早期発見で重要であるとともに、すみやかに適切な治療を受けさせることが求められます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?キレやすい愛犬をそのままにしておくと、周りの人から敬遠されてしまうだけでなく、他の人に咬みつく咬傷事故などを起こしてしまう可能性もあり、とても危険です。努力で解決できる範囲は可能な限り解決しておくことが、飼い主さんと愛犬の、そして周りの人の幸せのためでもありますよ。