全ての犬がオヤツを運ぶの?
犬が「オヤツを運んで食べる」や「お気に入りのおもちゃを隠す」などの行動は、昔から耳にするものだと思います。
離れた場所でもすぐに食べてくれればまだいいですが、食べこぼしや残したオヤツが放置されていては不衛生ですよね。
全ての犬が行う行動ではないようで、我が家の愛犬はまったく「離れた場所で食べる」という行動はとりません。大好きなオヤツは与えた途端に飼い主の目の前でガツガツと食べます。
しかし大好きなオヤツを運んで、飼い主さんから離れた場所で食べる犬も少なくないよう。その理由は犬が持つ本能や飼い主さんとの関係性が影響しているようです。
犬がオヤツを運んで食べる理由2選!
野生時代の名残り
犬がオヤツを運んで食べる理由のひとつに「野生時代の名残り」があります。犬の本能のひとつなので、飼い主さんから見ると不思議な行動に感じると思いますが、犬としては当然の行為のようです。
本来犬は群れの仲間と共に生きる動物。生きるために食べることの手段として、狩りを行う動物でした。獲物を捕らえるための狩りも仲間と共に行い、狩りに成功した時は仲間みんなで獲物に群がり、自分の食べる分を他の犬たちに横取りされないよう別の場所に持っていきゆっくりと食べていたようです。この本能が今でも残っていてオヤツを運んで食べると考えられます。
また仲間の犬たちに取られないためだけでなく、他の動物にも取られないために他の場所に運ぶ習慣があったよう。
「食べ物を他の場所に運ぶ」という行為は野生動物には当たり前にある本能のひとつです。犬だけでなく他の野生動物にも多く見られる行動になります。
信頼関係が築けていない
飼い主さんがせっかく与えたオヤツを目の前では食べず、他の場所に運んで食べてしまうのは、もしかすると飼い主さんとの信頼関係が築けていなく「取られるかもしれない…」と感じているのかも。
野生時代の犬は他の犬に獲物を横取りされないよう、他の場所に運んでいましたが、犬社会の中ではリーダーの存在は絶対的なのでリーダーに横取りされても怒ることはありません。あくまで自身と同等の犬からの横取りを防ぐため、獲物を別の場所に運んでいたよう。
このため、犬がオヤツを運んで食べる理由のひとつに「飼い主さんを同等に見ている」という説が考えられていました。
しかし現在、人に飼われている犬は飼い主さんに対して順位付けや、上下関係を作ることはないと言われています。愛犬と飼い主さんの間に一番大切なのは信頼関係。この信頼関係が築けていないと「おやつを取られてしまうかも…」と不安に感じて離れた場所で食べることがあるようです。
犬がオヤツを運んで食べるのはイケないこと?
犬がオヤツを運んで食べるのは、野生時代の本能であっても、飼い主さんとの信頼関係が築けていないのであっても「取られたくないから」の一択。
大好きなオヤツを「取られたくない」と感じるのは当然の感情ですよね。そして犬には「自身の食べる物を守る」という本能もあります。
本能で行っている行動であれば致し方ない面もありますし、本能だけにしつけで止めさせるのはなかなか難しいよう。
また信頼関係が築けていなという理由でオヤツを運んでいるのであっても、それ以外の大きな問題行動がないのであれば「オヤツに関してだけ」は信頼していない可能性もあります。
例えばオヤツを与えようと愛犬の目の前に差し出したタイミングで、急に玄関のチャイムが鳴ってしまい後回しになってしまったなど、飼い主さん的にはそんなつもりはなくても「裏切られた…」と感じていることもあるかも。
そうなると「奪われないように急いでひとりで食べなきゃ」と考えてしまう子もいるようです。
止めさせるべきタイプ
愛犬がオヤツを食べている時に飼い主さんが近づいていくと、オヤツを持ったまま逃げて行ったり、唸ったりするようであれば信頼関係が希薄と考えられるので改善が必要になります。
止めさせる方法?
ジャーキーやガムなどある程度長さのあるオヤツを用意してトレーニングしましょう。
飼い主さんはオヤツを手に持ったまま愛犬の口元に運びます。手に持ったままのオヤツを愛犬がかじり始めたら「良い子だね」などと声をかけて褒めてあげましょう。食べ終わる最後まで飼い主さんはオヤツを手にしたまま離さないようにして下さい。最終的に飼い主さんの手から最後の一口を食べて終了です。
これを何度か繰り返すことで「飼い主さんはオヤツを奪わない」と学習してくれるはずです。オヤツなど食べ物に対して執着心が強い子もいるので、くれぐれも噛まれないように注意して行ってください。
まとめ
愛犬がオヤツを運んで食べている姿も可愛らしいものですよね。野生時代の本能で行っていることも多いので、本来の犬らしい行動のひとつでもあると思います。
衛生面を考慮したうえで止めさせる必要がある場合は、信頼関係を強化しつつゆっくりとトレーニングしましょう。