犬は何歳から『老犬』になるの?
一般的に犬のライフステージとして『老犬』『シニア』と呼ばれるようになる時期は、7歳が目安だとされています。ただし、犬の種類は非常に多いため、体の大きさによって老犬になるタイミングがやや異なると考えられています。
小型犬・中型犬の場合、生まれてから最初の1年間の成長スピードがとても早く、1歳の時点で人間で言うとほぼ成人した状態になるとされています。
しかし、その後は大型犬に比べて成長スピードがゆっくりになるため、シニア世代になるのは遅いと考えられています。小・中型犬の場合は7歳で老犬になるとされ、人間でいうと約45歳にあたります。
大型犬の場合は、小・中型犬とは反対で成犬になるまでのスピードがゆっくりで、その後は成長スピードが早くなります。そのため、青年期がとても短く、1歳半~2歳くらいで成犬になり、5歳頃にはシニア期に突入すると考えられています。
シニア犬の行動①階段や段差前で躊躇する
シニア犬が見せる行動として、段差を上がることがむずかしくなるという様子がよく見られます。これは、私たち人間も同様ですが、年齢を重ねると筋力が低下したり関節に負担がかかって足腰が弱くなってしまうためです。
そのため、これまでは軽々と上がっていたソファやベッドに上がることができなくなったり、階段や段差の前で一瞬躊躇するような様子を見せるようになります。
また、段差の前で飼い主さんの方を見つめて「上がれない」「抱っこして」とアピールすることも。無理に上り下りをくり返すと、さらに関節を痛めるおそれがあるのでジャンプが必要な程高い場所への移動は控えさせるようにして、抱っこやスロープ利用などで対応するようにしましょう。
シニア犬の行動②歩くのが遅い、足が震える
シニア犬になると足腰が弱ってしまうため、少しずつ歩くペースが遅くなったり、運動後に後ろ足が震えるようになったりすることがあります。段差を上れなくなることと同様で、筋力の低下や関節の痛みなどが原因となっています。
特に後ろ足の筋力は衰えやすいので、歩く時に後ろ足を引きずるような仕草を見せたり、ウンチをする時に踏ん張り切れずよろけたりすることもあります。
ただし、足腰が弱って走れなくなったり、歩くのが遅くなったからといって散歩をやめるのはNGです。ゆっくりであってもきちんと歩くことで、筋力や体力の維持に役立ちますし、精神的にも散歩はとても大切なことです。
歩かなくなることでさらに筋力が衰えてしまうので、自力で歩くことができるうちは距離や速度に気をつけながら、適度な散歩をしてあげるようにしましょう。
もちろん老化ではなく関節炎などの病気の場合もあるので気になる際は病院で診察をうけましょう。
シニア犬の行動③呼んでも気がつかない
これまではおやつの袋の音や散歩用の準備の音などに敏感に反応していたのに気づかなくなったり、名前を呼んでも無視することが増えたと感じた時は犬の耳が遠くなっているのかもしれません。
犬は聴覚・視覚・嗅覚とさまざまな感覚に頼って生きていますが、年齢を重ねるとまず聴覚から衰えることが多いとされています。そのため、名前を呼んでいるのに気がつかなったり、これまで怖がっていた雷の音が平気になったりすることもあります。
声をかけられていることに気がつかず、急に触られてびっくりしてしまうこともあるので、犬の視界にきちんと入ってから触るようにするなど配慮してあげるといいでしょう。また、しつけの点でも言葉の指示が通りにくくなるので、小さなうちからハンドサイン(手の合図)もあわせて教えておくとシニア犬になった時助かります。
シニア犬の行動④寝ている時間が長くなる
犬の平均的な睡眠時間は12時間程度とされていますが、シニアになるとさらに長く眠るようになるとされています。体力が低下し、生活に必要なこと以外はむやみに動かなくなり、さまざまな物事に無関心になったようにも見えるかもしれません。ぐっすりと眠ってはいなくても、立ち上がらずに体を休めながら周囲の様子を伺っていることもあるでしょう。
シニア犬が寝ている・休んでいる時は無理に起こさず、犬のペースで過ごさせてあげてくださいね。
まとめ
少し寂しいことですが、犬はあっという間に年を取ってしまいます。ですが、最近では犬も長寿傾向にあってシニア犬にはシニア犬なりの生活の楽しみ方というものがあります。食事内容や運動量などに気を配りながら、健康的で快適なシニア期を過ごすことができるよう、しっかりサポートしてあげたいですね。