1.胃腸炎
季節の変わり目は何となくお腹の調子が悪い、という飼い主さんもいるのではないでしょうか。実はこれ、人間だけでなくわんこにも当てはまる症状です。
夏バテで弱った胃腸に秋の気温差がダメージを与えると消化器系の免疫が下がり、胃腸炎等の疾患を起こしやすくなります。急にごはんの食いつきが悪くなったり、食べムラができたり、嘔吐や下痢を繰り返すような場合には季節性の胃腸炎を疑ってよいでしょう。
お散歩に行くと食欲が回復したり、便通にも問題がないようであれば様子を見てかまいませんが、全く食べものを受け付けない状態が2日以上続いたり、下痢や嘔吐が続いて脱水の恐れがある場合には、動物病院を受信しましょう。
2.尿路結石
暑かった夏の間は、飼い主さんが特に注意を払っていなくても、愛犬は勝手にガブガブと水を飲んでいます。そうしないと暑さに耐えられないですからね。ですが秋になり気温が下がると、水分の摂取量は自然と低下するもの。
ここで心配になってくるのが泌尿器系の疾患、特に尿路結石です。尿路結石はもともとわんこに発症しやすい疾患ですが、水分の摂取量が下がる秋冬には特に増加する傾向があります。
人間であれば喉が渇いていなくても意識的に水分摂取することができますが、わんこの場合はそうもいかないので、飼い主さんが気をつけて見ていてあげる必要があります。水分摂取が足りていないなと感じたら、ドライフードをウェットフードに替えてみたり、フードにスープをかけてあげたり、工夫して水分摂取量を増やしてあげるようにしましょう。
3.寄生虫感染症
寄生虫というと、どうしても春夏のイメージが強いのではないでしょうか。ですが、実は秋にも気をつけたいのが寄生虫が媒介する感染症です。特にマダニに関しては、春と同じくらい秋もピークの時期を迎えるので十分な注意が必要になりますよ。
地域にもよりますが、フィラリアの予防薬も多くの獣医師が11月か12月まで処方してくれているはずです。「涼しくなってきて、もう虫も減っているから」と油断して寄生虫対策を怠ると、思いがけず愛犬を感染のリスクに晒すことになりかねません。
4.ケンネルコフ
あまり聞き慣れない名前の疾患かもしれませんが、「ケンネル(犬舎)」の「コフ(咳)」という名前の通り、咳を伴う呼吸器系の感染症で、人間でいうところの風邪のような疾患です。伝染性で感染力が非常に強く、ペットホテルやトリミングサロン等で他のわんこと接触したり食器を共有したりしたことで感染する恐れがあります。
ケンネルコフは基本的にはワクチンで予防が可能ですが、ケンネルコフを引き起こす全ての病原体にワクチンが効くとは限りません。他のわんこと関わるような施設を利用したり、ショーに出場したりした後に咳が続く場合には注意が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?秋口は人間も体調を崩しやすい季節ですが、飼い主さんも愛犬も共倒れになってしまっては一大事ですよね。愛犬の体調の変化に気を配りつつ、飼い主さん自身の体調にも気をつけながら、冬に向けての準備を進めていきたいですね。