犬が背中をこする意外な理由
１．カモフラージュするため
お散歩中、地面に仰向けに寝転がって背中をスリスリとこすることがあります。キレイな芝生の上であれば許している飼い主さんも多いようなのですが、さすがに砂や泥の上でスリスリされては困ってしまいますよね。これは、犬の本能による行為のひとつです。
犬が野生であった頃、狩りをして獲物を捕らえることで食料を得ていました。この時、自分自身のニオイが獲物に嗅ぎ取られてしまっては大変です。直前で獲物を逃してしまうかもしれません。そのため、地面に背中をこすることで他のニオイを身にまとい、カモフラージュしようと考えたのです。
現代の犬は背中をこする行為をする犬としない犬がいますね。犬が狩りをしていた頃の本能が残っているか残っていないかの違いでしょう。自分自身のニオイをカモフラージュしたいわけですから、何か強いニオイを発するものや汚物の上で背中をこすることがあります。他の犬や動物の糞尿が対象となることが多いです。
２．体についたニオイを取り除くため
シャンプーをした後、タオルや敷物やソファーなどで背中をこすり、興奮した様子であることがあります。これは、体についたニオイが気に入らず、そのニオイを取り除くための行為です。
また、自分自身のニオイが軽減されてしまったため、不快に感じている様子です。被毛や皮膚が濡れていることにも不快感があるようです。濡れた体をドライヤーでしっかり乾かしてあげることで背中をこする行為は止むはずです。
敷物やソファーなどが濡れてしまって困るというときには、シャンプーの後に思いっきり背中をこすることができる大きめのタオルや小さなマットを用意してあげると良いのではないでしょうか。
３．満足して気分が良いから
ごはんを食べた後、お気に入りの場所へ行き、背中をこすることがあります。仰向けになり、ゆっくりとしたスピードで体をクネクネと動かす様子です。お尻をフリフリと動かしているようにも見えるかもしれません。これは、満足して気分が良くなったときの行為です。
きっと、大好きな飼い主さんとお散歩に行ってたくさん歩き、体力を使ったことでストレスも発散され、ごはんを食べて食欲も満たされ、「ふふふ～ん♪」と鼻歌を奏でるような気持ちなのでしょう。そんな愛犬の様子を見て飼い主さんも嬉しそうに満足そうに笑ってくれているのではないでしょうか。そのことも犬にとっては嬉しいことなのです。
４．メッセージを残すため
背中をこする行為は、その場所に自分自身のニオイと共にメッセージを残す行為でもあります。マーキングをする事と同じように捉えても良いと思います。犬がマーキングをする理由は他の犬へのメッセージを残すためのです。
お友達の犬に対して「ぼくもここを通ったよ！」と伝えたいとき、「昨日のメッセージ受け取ったよ！」と伝えたいとき、「はじめして。最近この辺りに引っ越してきました！」と伝えたいときなど、まるで掲示板に書き込むかのような役割をしているのです。
背中をこする行為も同じです。公園やドッグランなど犬が多く集まる場所で背中をこすることが多いでしょう。また、テリトリーであることを主張するためでもあります。自宅の中でいつも決まった場所で背中をこするときは、その場所を独占したい気持ちがあるのかもしれません。
背中をこする行為はやめさせた方が良い？
安全にスリスリすることができる場所で背中をこする分には許して良いのではないでしょうか。カモフラージュするための行為であるときは、強いニオイを発するものや汚物の上で背中をこすることがありますので、他の犬や動物の糞尿に気をつけること。人間の食べ物のカスや生ゴミにもご注意ください。
まとめ
犬が背中をこする理由には、
- カモフラージュするため
- 体についたニオイを取り除くため
- 満足して気分が良いから
- メッセージを残すため
などがあります。
詳しくは解説しておりませんが、皮膚の炎症や皮膚病によって背中が痒いとき、ノミが寄生してしまっているときなどにも背中をこすることがあります。しきりに背中をこすり、ちょっと異常なくらいの行為にも見えると思います。そんなときは、よく背中の状態を確認してみましょう。何等かの異常を発見することがあるかもしれません。
