1.脱臼・骨折
犬は犬種によって発症しやすい病気や怪我があるのですが小型犬が発症しやすい病気、そして怪我というのもあります。小型犬の場合だと『脱臼』や『骨折』をしやすいといわれています。
脱臼はいくつか種類があるのですが特に小型犬が発症しやすいのが『膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)』です。膝蓋骨…つまり膝にあるお皿が外れてしまう病気で、主にジャンプしたりソファや家具などから飛び降りた場合に膝蓋骨脱臼になってしまうことが多いといえます。
初期の段階ならすぐに脱臼を治すことができるのですが何度も脱臼していると徐々に再発しやすくなってしまい、酷くなってしまうと骨格が変形するなどの症状が出てしまうそうです。
酷い場合は歩けなくなってしまうこともありますので、愛犬が小型犬の場合は特に足に負担をかけないよう『なるべくジャンプさせない』『高い場所に上り下りさせないようにする』『床を滑りにくくする』などの予防を行う必要があるといえるでしょう。
また小型犬は骨が細いため必要以上に体に負担がかかってしまうと骨折しやすくなります。なかには少し高さのある家具からジャンプしただけで骨折してしまった!というケースもありますので、骨折させないためにもなるべく愛犬が高い場所に上らないよう対策することをおススメします。
2.気管虚脱
小型犬が発症しやすい病気の1つに『気管虚脱(きかんきょだつ)』があります。気管虚脱は何らかの原因によって気管がつぶれたり気管にある軟骨が変形したりすることで呼吸がしにくくなる病気となります。
例えば、肥満になって喉の周りに脂肪がつくことで気管に負担をかける。散歩するときにリードを強く引っ張って首や気管に負担をかけてしまう。といった原因によって気管虚脱を発症することがよくあるそうです。また気管虚脱はハッキリとした原因が解明されておらず遺伝的なものが関係して発症するともいわれていたりします。
気管虚脱を発症したときは『ガーガー』と音を出しながら呼吸をしたり息苦しそうに呼吸することが多いといえます。酷くなってしまうと『呼吸困難』『酸欠になって失神してしまう』なといった症状が出てしまい、最悪の場合命を失ってしまうこともあるそうです。
気管虚脱はハッキリと原因が解明されていないので予防しにくいといえますが、少なくとも日頃から『太らせないようにする』『喉まわりに負担をかけないようにする』といった予防をしておくと、少しでも発症させにくくすることができるといえるでしょう。
3.心臓の病気
犬の命を奪う病気で一番多いのが『ガン』で、二番目に多いのが『心臓の病気』だそうです。なかでもシニアの小型犬はワースト2の心臓の病気の1つとなる『僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)』を発症してしまうことが多いみたいですよ。
心臓には体内を循環している血液が逆流しないように僧帽弁という開閉式のドアのようなものがあるのですが、僧帽弁閉鎖不全症を発症してしまうとこの僧帽弁が上手く機能せず血液が逆流してしまいます。
そんな僧帽弁閉鎖不全症の初期症状としては呼吸数が多くなる。咳をする。息苦しくなる。といった症状が出ることが多く、心臓の音を聞いた時に『ザーザー』という雑音が交じるそうです。ある程度症状が悪化してしまうと…
- すぐに疲れる
- 体全体で呼吸する
- ふらつく
- 心臓が大きくなる
- 呼吸困難になる
- 酸欠状態になって舌が紫色になる(チアノーゼ)
- 発作を起こす
- 失神する
といった症状が出てしまうようになり最悪の場合命を亡くしてしまうことも少なくありません。また症状が重症化すると『肺水腫』という症状を引き起こしてさらに危険な状態になることも多いといえます。
ちなみに、私の愛犬はマルチーズとヨークシャーテリアのMix犬なのですがこの僧帽弁閉鎖不全症を発症してから何度も発作をおこすようになり、肺水腫も発症して呼吸困難による失神を2度ほど引き起こしてしまいました。しかし今は薬を服用することで症状をかなり抑えることができています。
心臓の病気は完治させることは凄く難しいといえますが薬を服用すれば症状を悪化させにくくすることができますので「これは心臓病の症状かもしれない!」と思った場合は、念のため出来るだけ早く病院に連れて行ってあげてくださいね。
4.肺水腫
僧帽弁閉鎖不全症を発症した小型犬は症状が悪化した時に『肺水腫(はいすいしゅ)』を発症してしまうことがあります。肺水腫は言葉の通り『肺に水(液体)が溜まる』病気です。僧帽弁閉鎖不全症が悪化すると心臓の『左心房』に血液が溜まってしまうことになります。
そしてその溜まった血液や血液中の成分が最終的に肺の中に流れて溜まってしまうことで肺水腫を引き起こすこと場合が多いそうです。また肺炎などの病気が悪化したときにも肺水腫を発症することがあるそうです。
肺水腫を発症すると溺れているときと同じような苦痛を味わうといわれていて…、
- 息がしにくくなる
- 咳が出る
- 酸欠になる
- 血の混じった泡を口から出す
- 呼吸困難
- 発作
- 失神
- 窒息
といった危ない症状ばかり出てしまうことになります。肺水腫は心臓の病気などがかなり悪化してから発症することがほとんどとなりますので、肺水腫の症状が出てしまったときには一刻も早く病院に連れて行く必要があるといえるでしょう。
普段からチェックすべき項目!当てはまる場合は注意!
小型犬が発症しやすい危険な病気や怪我に初期の段階で気づくためには、日頃から愛犬の様子をよく観察することがとても重要となります。愛犬が珍しく以下の仕草や行動を行ったときは病気や怪我を疑うことをおススメします。
- 足を上げている
- 足を引きずっている
- いつもと歩き方が違う
- 少しよろけることがある
- 食欲がない
- 寝ることが多くなった
- 理由も無く口を開けることが多い
- ハァハァすることが多くなった
- 呼吸が速い
- 珍しく咳をする
- 『ゼーゼー』『ガーガー』といった呼吸音がする
- 瞳孔が開くことがある
これらの項目に少しでも心当たりがある場合は、念のため早めに愛犬を病院に連れて行ってあげてくださいね。
まとめ
今回は小型犬によくある病気とケガをご紹介しました。ご紹介した病気以外にも犬種によってかかりやすい病気があったりしますので、愛犬の犬種はどのような病気を発症しやすいかそちらも確かめてみることをおススメします。
愛犬が発症しやすい病気を知って予防することで、病気になるリスクを少なからず減らすことができるといえるでしょう。いつまでも愛犬が健康でいられると良いですね。