特徴①暴れる、噛み癖がある
特徴
人見知りや場所見知りをするタイプの犬や、体に触られることに恐怖心を感じるタイプの犬にとって、トリミングは大きなストレスになることがあります。
人とのスキンシップが好きなタイプの犬にとってはむしろ楽しみにもなるトリミングですが、シャイ(ハンドシャイ)な犬には「知らない人に、慣れない場所で、押さえつけられて怖いことをされるもの」と思い込んでしまうこともあるのです。
そのストレスや恐怖から逃れるために、暴れたり相手(トリマーさん)を攻撃したりする犬は少なくありません。自分にとって不快なことをする相手に対して敵意や嫌悪感を抱き、それを遠ざけるために攻撃するのは動物として自然な行動です。
しかし、いくら小型犬であっても本気で噛みつかれれば大きな怪我をする可能性があります。トリマーさんにとって大切な手や腕の筋や腱を傷つけられれば、その後一生仕事ができなくなってしまう危険すらあるのです。
また、暴れることで犬自身が傷ついてしまう恐れもあります。犬とトリマーさんの両方を守るために、トリミングを断らざるを得ないこともあるようです。
対処法
攻撃行動や暴れることが、トリミングの時にだけ起こる問題であれば、まずは自宅でトリミングに慣らすトレーニングをする必要があります。まずは、他人に触られることが苦手なのか、知らない場所が苦手なのか、体に触られることやトリミングの道具が怖いのかなど、トリミングの中の何にストレスを感じているのかを詳しく把握するようにしましょう。
その上で人に触られる経験を積んだり、トリミングサロンに何度も見学に行ったり、自宅ではさみやバリカンに慣らしたりという練習を積み重ねましょう。
自宅でも手に負えない程、お手入れを拒否するようであれば、ドッグトレーナーなどプロの手を借りて問題改善に取り組みましょう。中にはそうした犬の扱いに慣れているドッグトレーナーがトリミングの技術も持っている場合があるので探してみてください
特徴②生後3か月未満の子犬
特徴
家庭に迎え入れたばかりの子犬は、トイレの失敗やいたずらなどが原因で体が汚れてしまうことも多いと思います。しかし、生後3か月未満の子犬は、雑菌などに対する抵抗力や免疫力が低く多数の犬が出入りするトリミングサロンなどで病気に感染してしまうリスクがあります。
3か月を過ぎていたとしてもすべてのワクチン接種が完了していなければ、そのリスクは高いと考えられるので、子犬期のワクチン完了までトリミングは待った方が安心です。
また、病気そのものに感染することはなくても、シャンプーやカットなどを行うトリミングは体力がとても消耗するものです。そのため、子犬にとっては精神的にも体力的にも負担が大きいと考えられています。
対処法
ワクチン完了前の子犬が汚れてしまった場合は、濡れたタオルで全身を拭いて清潔にしたり、体の部位を分けて少しずつ自宅で洗うなどしてお手入れしましょう。全身ひどい汚れで飼い主さんの手に負えないという場合は、自宅に来てくれるトリマーさんなどに依頼するのもおすすめです。
特徴③高齢、持病がある
特徴
高齢犬や重症化する持病がある犬は、トリミング中に体調が急変する可能性が考えられるため、トリミングを拒否されることがあります。特に、てんかんなどの脳疾患や心臓疾患、呼吸器系疾患の持病があると、トリミングで体力を消耗したり強いストレスを感じたときに発作を起こしてしまうことも考えられます。
症状が軽い場合などは「持病があると断られるのでは?」と心配して、申告しない飼い主さんもいるようですが、万が一の可能性を考えてトリミング前に必ずすべての持病について申告するようにしましょう。
対処法
体調を崩す可能性のある高齢犬や持病のある犬は、トリミングを断られることがあります。しかし、動物病院併設のトリミングサロンや、看護師資格を持つトリマーさんであれば、体調に異変に気がつきやすく、対処も的確にできるということから受け入れてくれることも少なくありません。
かかりつけの動物病院でトリミングを行っているか確認したり、安心して任せられるトリミングサロンがないか信頼できる獣医師に相談してみるのもいいでしょう。
まとめ
カットが必要な犬や自分ではむずかしいお手入れをしてもらうためには、欠かすことの出来ないトリミング。しかし、トリミング中に暴れて危険を伴う場合や免疫力の低い子犬、体調に異変が起こる可能性のある高齢犬・持病のある犬の場合は拒否されてしまうこともめずらしくありません。
しかし、暴れる犬や持病のある犬の扱いに慣れているトリマーさんもいますし、トリミングに慣れさせるトレーニングをすることも可能です。問題改善に練習が必要であれば少しずつ積み重ねて、プロの手を借りながらトリミングに慣れさせていきましょう。