犬を叱らないとどうなる?
犬に「いけないこと」を覚えてもらいたいときは「叱る」というしつけが必要になります。しかし、「叱る」と「怒る」の違いがわからず誤ったしつけをしてしまいがちです。
たとえば、家電製品のコードや携帯電話の充電器のコードなど、自宅のコンセントにささったままになっていることがありますね。犬がつい噛みたくなってしまうものなのですが、感電や死亡事故を起こしかねない危険な行為です。
このとき、「いけないこと」と覚えてもらうために何をしますか?「やめなさい!」と大声をあげますか?マズルを掴んで「ダメだよ」と言いますか?お尻をペチンと叩きますか?これらは「叱る」ではなく、誤ったしつけです。
ただ感情的に怒っているだけです。叱り方は様々にありますが、まずは犬をしからないとどうなるのかということについて一緒に考えてみましょう。
1.人を本気で噛むようになる
子犬のうちに甘噛みのしつけをせず、いくらでも噛むことを許し、叱ることをしなかった犬は人を本気で噛むようになることがあります。子犬のうちはどうしても甘噛みをしたいものです。
成犬になってからも飼い主さんに甘えたくて甘噛みをする犬もいます。しかし、全くしつけもされず叱られもせず噛むことを許されてきた犬は、噛むときの力加減がわかりません。いくらでも噛んで良いと勘違いしています。そうすると、人を本気で噛み、飼い主さんや家族に大怪我を負わせたり、他人であれば咬傷事故として取り扱われてしまいます。
2.鳴き声によるトラブルが起こる
掃除機をかけると吠える、訪問者のインターホンの音に吠える、おやつを要求するために吠える、窓の外から聞こえてきた子供の声に吠えるなど、犬の無駄吠えによるご近所トラブルはいつの時代も変わりません。
しかし、近年は室内で一日のほとんどを過ごす犬ですから、それほどご近所へは届いていないはず…なんて思っていませんか?
どんなに吠えても叱られることなく吠えることを許されてきた犬は、要求が通るまで、飼い主さんを自分の思い通りにできるまで吠え続けます。精一杯吠えて要求しますから、ご近所には丸聞こえですし、十数メートル先まで響き渡っています。うるさいからと言って、ご近所さんが愛犬に危害を加えたというケースも実際にあります。
飼い主さんや家族は愛犬の鳴き声が全く気にならず叱ることをしていないのかもしれませんが、ご近所の方々は大変な迷惑ですし、愛犬に危害が加えられてしまうという危険もあります。
3.病気を発症する
しつけをされず、いけないことを叱られもせず、わがまま放題に暮らす犬は自由気ままなように見えるかもしれません。しかし、実は心に大きなストレスを抱えていることがあります。
ゴミ箱をひっくり返してゴミを散乱させようと許され、物を破壊しても許され、全く叱られることのない犬は、おそらく褒められることもありません。褒めてもらうという喜びを知りません。飼い主さんと築き上げる信頼関係というものも知りません。人間社会で人間と共に暮らすための基本やルールを知らないわけですから、暮らしにくい環境にいるはずです。
自宅では大きな問題はあまり起きないかもしれませんが、動物病院やお散歩や行くときなど、外の世界に出て他の人や犬とすれ違ったり接したりしなければならないとき、どのように接したら良いのかわからず、吠えたり噛みついたり飛びかかったりなどしてしまうことがあります。
犬や人の吠えるからという理由でお散歩へ連れて行ってもらえなくなってしまう犬もいます。心に大きなストレスを抱え、運動も適切に行われず、健康寿命を短くしてしまう犬がいます。
まとめ
愛犬を叱れない飼い主に起きるかもしれない悲劇について、
- 人を本気で噛むようになる
- 鳴き声によるトラブルが起こる
- 病気を発症する
この3つの可能性を考えてみましょう。愛犬が他人や犬に危害を加えてしまうかもしれません。愛犬が危害を加えられてしまうことだってあります。愛犬がいけないことをしたときは、ぜひ叱ってあげてください。もし、部屋が荒らされたり物が破壊されていたときは、愛犬のことを無視してササっと片付けてお掃除してしまいましょう。
イライラを愛犬にぶつけてしまってはいけません。無視することが叱ることに繋がります。飼い主さんに構ってほしい愛犬にとって、無視されることは悲しいことだからです。
そして、部屋を荒らすことも物を破壊することもなくお利口さんにお留守番することができたとき、思いっきり褒めてあげましょう。これが「叱る」と「怒る」の違いのひとつです。
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20代 男性 匿名