1.警戒している
警戒している時の吠え方
警戒している時の犬の鳴き声は「ワワワワワ!」というように、速いテンポで連続して吠えるという特徴があります。道ですれ違う知らない人や宅配業者さん、来客などにこのように吠えている時には「怖い!あっち行って!」「入って来るな!」という警戒の気持ちで吠えていることが考えられます。
犬は群れで生きる習性がありますので、危険を感じた時に吠えることで仲間に教えたり撃退したりする本能によるものでしょう。
間違った成功体験をしやすい場面
警戒心によって吠えているときに陥りやすいのが「吠えたら相手が去っていった」という間違った成功体験をしてしまうことです。
吠えている対象の人物は必ずしも愛犬が吠えたから去っていったわけではなく、通行人であればただ通り過ぎるだけ、宅配業者なら荷物の受け渡しが完了したから去っていくのです。しかし愛犬には「自分が吠えたから撃退できた」と勘違いしやすいシチュエーションです。
おやつで「嬉しいこと」に変えてしまう
警戒吠えの場合は相手に危険を感じて吠えていますので、その人のことを「良いこと」に変えてしまう方法が効果的です。愛犬が人に対して警戒吠えをし始めたら、すぐにおやつを差し出してみましょう。少し吠え始めてしまっていても大丈夫ですので、できるだけ早くおやつを与えることがポイントです。
宅配業者さんや来客に吠えてしまう場合はしばらく集中できるように、おやつを詰められるコングのようなおもちゃを与えるのもおすすめです。
ゆったりした行動を心がける
飼い主さんやご家族が急に立ち上がった時に吠えてしまうわんちゃんも多くいます。この場合は「ビックリした~!なんだよもぅ!」というような気持ちでつい吠えてしまっていることが考えられます。
犬は野生の防衛本能が強いため、危険を感じると一瞬にして緊張状態になってしまいます。愛犬の前では急な動きをしたり急に大声を出さないようにすることで、愛犬が安心してくつろぐことができます。
2.要求がある
要求がある時の吠え方
犬は言葉を話せませんので、強い気持ちを伝えるために吠えるのは自然なことです。お散歩に行きたい時やおやつを食べたい時などに吠えて要求を伝える「要求吠え」は、犬の問題行動の中では多いものです。
要求吠えは「ワンワン!…ワンワン!」というように、間隔を空けながらはっきりと吠えるのが特徴です。そしてまるでダダをこねるように、吠える中に「クーン」「ウゥ…」というような唸り声や鳴き声が混じることも多いです。
要求吠えには「無視のしつけ」
ご家族の中でも特定の人に吠える時、その様子が威嚇や警戒でなければ「この人は吠えれば要求を叶えてくれる」と思っているのかもしれません。
「吠えれば要求が通る」という間違った認識によって、要求が叶うまでしつこく吠える癖がついている恐れがあります。要求吠えの場合は「吠えても要求は通らない」ことを分かってもらうために、愛犬が吠えている間は相手にしない「無視のしつけ」が効果的です。
3.嬉しくて興奮している
嬉しさがあふれている時の吠え方
犬は警戒や怒りなどのネガティブな感情の時だけでなく、嬉しい気持ちの時にも激しく吠えることがあります。犬がしっぽを振るのは嬉しい時だけではないのと同じく、犬が吠えるのは感情の種類というよりも「興奮している時」に吠えやすくなります。
嬉しい時の吠え方は通常の「ワンワン!」よりも高い声であることが特徴で、「ヒャンヒャン!」「キャンキャン!」というように聞こえることもあります。
コマンドで落ち着きを取り戻すトレーニングを
犬は感情表現が豊かで愛情深い子が多いので、その人が好き過ぎるあまりにけたたましく吠えてしまうことも多くあります。
愛犬としては「嬉しい!」「大好き!」「会いたかった!」という気持ちを伝えたいためなのですが、嬉しさの爆発で吠えている時には興奮が冷めず長時間吠えてしまいやすいこと、興奮のあまりに人に飛びかかってしまう恐れがあることに注意が必要です。
どんな状況であっても愛犬をアイコンタクトやコマンドによって制御するためには、愛犬には「いつでも冷静になれる」ようになってもらわなくてはいけません。そのためには愛犬に「興奮する癖」をつけないように、嬉しい時にも人の指示によって落ち着きを取り戻せるようにトレーニングをしておくと良いでしょう。
まとめ
今回は「犬が人に吠える時の理由と対処法」を解説いたしました。
犬にとって吠えることはとても自然なことで、使役犬として人間のために働いていた昔から「吠えて人間に知らせる」という役目を担ってきたほどです。「犬は吠えるもの」と理解した上で「吠える癖をつけない」という意識で向き合っていくことが大切です。
また犬が吠えるときは興奮していることが多いので、吠え癖をつけないようにすると共に飼い主さんの指示で冷静さを取り戻すトレーニングをしておくことも大切です。