犬がフラフラしている時に考えられる『危険な病気』4選

犬がフラフラしている時に考えられる『危険な病気』4選

犬も老化によって筋力や骨関節が衰えるため、老化現象として足取りがおぼつかなくなることもあります。しかし基本的に犬の足取りがフラフラするのは、重篤な病気のサインであることが多いため注意が必要です。今回は「フラフラする症状のある犬の重篤な病気」について解説いたします。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

1.貧血

注射器

貧血とは血が足りなくなるというよりも、血液中のヘモグロビンの濃度が薄くなってしまった状態のことを指します。ヘモグロビンは赤血球の中にある物質で、身体の隅々に酸素を運ぶ役割があります。赤血球の数が少なくなったり、赤血球が充分にあってもその中のヘモグロビンが少なくなったりすると貧血を起こします。

臓器に酸素が運ばれなくなると正常に働くことができなくなるので、最悪の場合は命にかかわることもあります。犬が貧血を起こす原因はさまざまありますので、病院でしっかりと原因を突き止める必要があります。

タマネギ中毒にも注意!

犬にタマネギや長ネギ、ニラなどを与えてはいけない理由は、ネギ類に含まれる「アリルプロピルジスルファイド」という成分に中毒を起こすためです。実はこの中毒とは、赤血球を壊してしまうことなのです。赤血球が溶けると溶血性貧血を起こし、血尿や黄疸などが見られることもあります。

お腹を壊す食中毒とは違い、タマネギの毒は加熱しても無毒化せず、玉ねぎを食べてしまうと、食べた量によっては中毒症状を回避することができません。愛犬にネギ類は禁忌ですので注意しましょう。

2.椎間板ヘルニア

犬の骨格

背骨は1本の繋がった骨ではなく、ブロック状の骨が連なって構成されています。そのブロック状の骨は「椎骨(ついこつ)」と言い、椎骨と椎骨の間には「椎間板」というクッションが挟まっています。

ダックスフンドやコーギーなどの胴長犬に起こりやすいとされる椎間板ヘルニアは椎間板が正常な位置からずれて飛び出てしまうことが原因で、飛び出た椎間板が脊髄を圧迫することで活動に不具合が出るという病気です。

椎間板ヘルニアの代表的な症状には

  • 足がもつれる
  • 歩行困難
  • 足の麻痺
  • 排泄のコントロールができなくなる

などがありますが、どの部分の椎間板がヘルニアを起こしたのかによって障害が起こる部位が異なってきます。

3.変形性脊髄炎

遺伝子のイラスト

変形性脊髄炎とは、痛みがなくゆっくりと進行していく脊髄の病気です。

好発犬種は

  • ジャーマンシェパード
  • バーニーズマウンテンドッグ
  • ボクサー
  • ウェルシュコーギー

と言われています。日本においてはコーギーの発生が多く見られています。

この病気は人間の筋委縮性側索硬化症(ALS)と似ており、ゆっくりと麻痺が全身に広がっていく病気です。最初は後ろ脚のふらつきから始まり、最終的には呼吸や水や食べ物を飲み込むことが困難となっていきます。

変形性脊髄炎の原因ははっきりと解明されていないものの、発症している犬の多くに遺伝子変異があることが2008年に発表されています。この病気は治療法も確立されていませんが、理学療法によって進行を遅らせることができます。

4.キシリトール中毒

青い粒ガム

人間にとっては嬉しい作用だけど…

「キシリトール」という成分には、虫歯を予防する効果や清涼感を与える作用があります。キシリトールには砂糖と同じ甘味度があることもあり、ガムや歯磨き粉によく配合されます。

またキシリトールにはインスリンの発生を抑える作用もあり、糖尿病患者の療法食に用いられることもあります。ここで注意したいのが、インスリンを抑える作用は「人間の場合」であるということです。

犬にとっては重篤な低血糖を引き起こす恐れがある

犬の場合はキシリトールを摂取すると、インスリンの発生をうながすという真逆の作用となります。そのため犬がキシリトール入りのものを食べてしまうと、体内のブドウ糖の濃度が過剰に下がり過ぎてしまい低血糖を起こす恐れがあります。

体重10kgの犬において、たった1gmのキシリトールを摂取しただけで重篤な低血糖を起こしたという報告もあります。キシリトール1gは粒ガムでいうとたった2,3粒程度です。キシリトールはイチゴやレタスなどの野菜や果物にも含まれている成分ですが、人工的に配合された製品と比べるとごく少量なので犬が食べても問題ないと言われています。

まとめ

散歩中に飼い主を見上げる犬

フラフラと足がおぼつかなくなるのは、犬にとっても心配な症状です。犬にふらつきが見られる病気はさまざまあり、中には命にかかわる重篤な病気もあることに注意が必要です。

「もうシニア犬だから」と年齢のせいにしてしまうのは危険なので、愛犬がふらついていると感じたら早めに受診するようにしましょう。中には中毒症状によるものもあるため、愛犬が食べてはいけないものを食べていないかチェックするようにしましょう。

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