身震いするように大きく「ブルッ」と体を震わせる理由
1.ストレス解消
シャンプーや水遊びで体が濡れたとき、犬は大きく体を「ブルッブルッ」と勢いよく震わせて水気を飛ばします。家族であれ、知らない人であれ、犬が誰かに体を撫でられた後、その仕草と同じ動きをした場合と、尻尾を丸め、目を背けて小刻みにブルブル震える仕草では全く犬の心理状態は異なります。
大きく体を震わせるのは、犬同士で意思を伝えあうための「カーミングシグナル」と呼ばれるサインの一つで、「ストレスから解消された」ことを意味します。
2.気持ちの切り替え
ストレス解消の意味と似ていますが、撫でられること自体はさして嫌ではなく、ストレスでもないけれど、犬は自由に動けません。
ですから人に撫でられた後に、伸びをしてそれから体をブルブルっと震わせるのは、「はあ~、終わった、終わった」と私たち人間が、なにか一仕事終えたときや勉強や仕事の区切りをつけるときに背伸びをするのと同じような感覚なのかもしれません。
小刻みにブルブル体を震わせる理由
3.極度の緊張
人を噛んではいけない、人に吠えてはいけないという飼い主さんとの約束をしっかりと守れる犬は、見知らぬ人に撫でられて、怖さや不快感を感じてもじっと我慢をします。
その間、犬は自分の警戒心や恐怖心と戦っているので、非常なストレスを感じます。そして、その極度の緊張状態から、撫でられている間も撫でられた後もブルブルと小刻みに震えてしまうのです。
4.甘え
犬は、非常に知能の高い高い動物で、特に自分の経験したことと楽しい記憶、うれしかった記憶は深く記憶に残ります。例えば、寒かったとき、怖かったときにブルブル震えていたら、飼い主さんや周りの人が優しく構ってくれたことを覚えていて、そのときと同じ行動を見せて甘えれば、人に構ってもらえる…と考えるほど、甘えん坊でお利口な犬もいるようです。
身体を震わせている犬は撫でない方がいい?
信頼関係がある場合は気にしなくてよい?
しっかりとした信頼関係があるのなら、大きく震える、小刻みに震える、どちらの場合も撫でて問題はないでしょう。特に、小刻みに震えることが頻繁にある場合は、なにか心理的な問題ではなく、病気の可能性も考えられるので、撫でている間やその後、犬の表情や尻尾の動き、息遣い鼓動などに注意を払いましょう。
家族以外の人は撫でない方がいい?
飼い主さんから見て、愛犬の顔に緊張が見られたり、尻尾が足の間に丸まっていたり愛犬が「我慢している」ように感じられるのなら、家族以外の人には撫でてもらうことがストレスや恐怖になっていることが考えられます。その点を克服するか、トラブルを回避するために人に撫でられるのを避けるようにするかは、飼い主さんの判断です。
犬が喜ぶ撫で方とは?
やさしく、ゆっくりと声をかけながら、あごの下を手のひらを上にして爪を立てずに掻くように撫でます。
犬が嫌がる撫で方とは?
頭の上から手のひらで頭を押さえつけるように撫でようとすると、犬は頭を叩かれるのかと警戒します。また、足の先やお尻、腹部はよほど心を許した人しか触らせない箇所なので、触れないようにしましょう。
まとめ
愛犬達が私たちの言葉や行動から、私たちの意思をくみ取ろうと感覚を研ぎ澄ませてくれるように、私たちも、愛犬の体の動きや表情、目の輝きなどから愛犬の感情を読み取る努力をする必要があります。
そうすれば、例え自分の愛犬でなくても、その犬を撫でたときに喜んでいるのか、嫌がっているけれど、我慢してくれているのかを見分けることが出来るはずです。
また、例え飼い主であっても、あまり撫でられるのを好まない犬もいます。もし、自分の愛犬以外の犬を撫でたいときは、必ずその犬の飼い主さんに「撫でてあげてもいいですか?」と尋ねて、許可が出てから撫でるようにしましょう。