「アイコンタクト」とは?
注目させ「聞く姿勢」になること
犬のしつけにおける「アイコンタクト」とは、愛犬が飼い主さんの合図によって目を見て注目することです。愛犬が飼い主さんの目をただ見るだけでなく、目を見ることで飼い主さんに注目して指示を聞く姿勢になることが目的です。
「見つめる」との違いは?
アイコンタクトの目的は「注目させて聞く姿勢になること」ですので、アイコンタクトの後には飼い主さんから何らかの指示またはアイコンタクトをとれたことを褒めるという結果があります。何の目的もなく「ただ見つめる」という行動は、愛犬が「なぜ見つめられているのか」の意図を理解することができず混乱してしまう原因になります。
ただ見つめるとどうなる?
1.困惑させてしまう
犬が飼い主の目を見るのは
- 指示を聞くため
- 要求があるアピール
- 飼い主さんの動向をチェックするため
などが理由です。
しかし飼い主さんが目的もなくじっと愛犬を見つめてしまうと、愛犬はどうすれば良いのか分からず困惑してしまいます。
2.気まずい気持ちになる
犬は相手の目を見続けることはしません。それは目を見続けることが相手への敵意を表す行動であるためです。親しくしたい相手と目が合った時には、犬は時々目をそらして目が合い続けるのを避けます。しかし飼い主さんがじーっと見続けてしまうと、愛犬は「ケンカはしたくないんだけどなぁ」「なんか怒ってるのかなぁ…」と気まずい気持ちになってしまいます。
3.ストレスがかかる
犬はストレスを感じている時ほどアイコンタクトを取ることが難しくなります。これは犬が目を合わせないことで自身の気持ちを落ち着かせようとしているためです。たとえば動物病院の待合室で愛犬が頑なに飼い主さんの目を見ないようにするのも、愛犬が動物病院への不安感で心の余裕がなくなっているためです。
もし愛犬が飼い主さんと目を合わせないようにしている場合には
- 信頼関係が出来上がっていない
- 何かに不安や恐怖を感じている
- 集中できない理由がある
などが考えられます。
その状態で飼い主さんから見つめられてしまうと、愛犬はますますストレスを受けてしまいます。
まとめ
愛犬とのコミュニケーションには「アイコンタクト」がとても重要です。しかしそれなのに「犬の目を見つめ続けてはいけない」とも言われています。これは「アイコンタクト」と「見つめること」の意味が異なるためです。
「アイコンタクト」とは、愛犬に飼い主さんの目を見てもらって「指示を聞く姿勢になってもらうこと」が目的です。そのため、犬は飼い主さんの目を見て次の行動に集中しています。一方で愛犬の目を見つめることには次の指示がなく、愛犬にとっては「で、どうすれば良いの?」と困惑しやすい状況となります。
犬は相手の目を見続けることはメンチを切ってケンカ上等を示す行動でもありますので、犬は基本的に相手の目を見つめることはしません。親しくしたい相手ならば、目をチラチラとそらすことで緊張状態にならないようにしています。
このような理由から、犬の目を「見続けること」は良くないとされています。絶対に目を合わせてはいけないというわけではなく、意図がなく見つめ続けると犬を困惑させたりストレスをかけたりする恐れがあるということです。