犬から唸られてしまう人がしているNG行為5選

犬から唸られてしまう人がしているNG行為5選

犬に「ウー…」と怖い顔で唸られてしまうとビックリしますよね。見るからに攻撃性が高そうな犬の「唸る」という行動ですが、実は犬にとっては相手に意思を伝える大切な言葉の代わりなのです。今回は「犬が唸る意味」についてをふまえて、犬に頻繁に唸られてしまう人がやりがちなNG行動を5つまとめてみました。

犬の声のバリエーション

芝生で吠えている白いプードル

犬は言葉を話しませんが、その代わりに鳴き声のバリエーションを変えることで相手に感情を表現しています。

犬の声には主に

  • 鳴く
  • 吠える
  • 唸る

があり、それぞれ声の高さや出し方などが異なります。

「鳴く」というのは「キュンキュン」「クーン」というように、高い声を出すことが多いです。甘える時や嬉しい時、不安な時に出す声です。

「吠える」は「ワンワン!」という犬の代表的な声ですね。嬉しかったり怖かったりして興奮した時や、相手をけん制する時に出すほか、飼い主さんに要求する時やチャイムの音に反応した時などあらゆるシーンで聞く声です。

または「ワォーン!」と遠吠えする子もいますね。遠吠えは遠くにいる仲間や違う群れの犬と通信する時の吠え方ですが、救急車などのサイレンに反応して遠吠えしてしまう子もいます。

では、「唸る」とはどのような時に出る声なのでしょうか?

犬にとって「唸る」とは?

芝生で唸る犬

不快感や攻撃性を感じる表情

犬が「唸る」ときは、「ウー…」という低い声を出します。「鳴く」とも「吠える」とも違う、静かであるのに強い攻撃性を感じる声です。この時の犬の表情は、鼻にシワを寄せて歯をむき出しにしている怖い顔の時や、白目が見える「くじら目」で不快感を表すような表情の時があります。

唸るは「やめて」のサイン

犬が唸るときに歯をむき出すのは「これ以上その行動をすると攻撃します」という感情表現です。歯をむき出していなくても、犬がくじら目になったり低い声を出す時にはネガティブな気持ちのことがほとんどです。

つまり、人や他の犬に対して唸るは「やめて」のサインなのです。犬はいきなり噛みついて攻撃するのではなく、この「唸る」の前段階があります。犬は自分の身を守るために、争わなくても良いならば無駄なケンカを避けようとするためです。

犬にとって「唸る」は大切な感情表現

「吠える」も「唸る」も「犬の問題行動」と言われていますが、犬にとってはごく自然な感情表現の1つであるため「問題」と感じるのは私たち飼い主の目線なのです。犬にはちゃんと感情があり、他者とコミュニケーションが取れる高い知能を持っています。

しかし、そのコミュニケーション方法が人間のそれとは異なるものもあるため、私たちが「犬流の感情表現」を知っておくことが大切です。犬の言葉を知っておくことでコミュニケーションが円滑になり、犬と飼い主の良好な信頼関係を築くことができるでしょう。

犬に唸られやすい行動

触ろうとする手に歯をむく犬

1.いきなり触る

犬は「ビックリすること」が苦手です。急にザッと動いたりいきなり距離を詰めて身体を触られると「攻撃されるのでは」という緊張状態になります。

また、愛犬の性格によってはなでられること自体が苦手な子や「ここだけは触られたくない!」という部位がある子も多くいます。犬が「なでても良いよ」という時以外に触ってしまったり、犬に不快感を与える触り方をした時に唸られやすいです。

2.ちょっかいを出す

こちらも「いきなり触る」と似ており、愛犬が不快な気持ちになってしまう原因です。愛犬がごはんを食べている時に身体を触ったり、お気に入りのおもちゃを横取りしてしまうと、犬は「やめて!」と唸ってしまいやすいです。また、犬の鼻先や肉球などをいたずらに触ろうとした時にも唸られてしまうことも多いです。

3.オドオドしすぎる

犬は「挙動不審な人」が苦手です。犬の性格が繊細で怒りん坊であると知っている場合や、過去に犬に攻撃をされてしまったという経験がある方は、犬と触れ合う時にその恐怖心から「急に手を引っ込める」「急に後ずさる」などオドオドした態度になってしまうことがあります。

犬は人間の態度や表情を読み取ることができる動物なので、人間の不安が犬にも伝わります。そうすると犬は「この人は何をするか分からない」という不安を感じ、唸ってしまいやすくなります。

4.ワガママを叶える

愛犬に「唸る癖」がついている場合もあります。犬は行動と結果を結び付けて学習しますので、たとえば「唸ると飼い主さんが笑う(かまってくれる)」「唸るとおやつがもらえる」などと覚えると「唸る=メリット」と学習し癖付いてしまいます。

5.犬の「やめて」を無視する

怒りん坊の子や癖付いている子を除くと、すぐに唸る子はあまり多くありません。「唸る」は「攻撃」の前段階ですが、唸ることよりも前に犬はさまざまな「やめてのサイン」を出します。

  • その場から逃げる
  • あくびをする
  • 上目遣い(くじら目)
  • 身体をかく
  • 自分の鼻を舐める
  • 硬直して固まる

など、犬は「唸る」よりもさらにマイルドな「やめてのサイン」をちゃんと発してくれていることが多くあります。このサインを無視し続けると犬の不快感は強くなり、次の段階の「唸る」が出てしまいます。

まとめ

歯をむき出す柴犬

「唸る」は「吠える」と同じように犬の問題行動とされやすいのですが、犬にとっては「唸る」も「吠える」も大切な言葉代わりです。しかし、その子に「唸る癖」「吠える癖」がついてしまうと、人間にとっては「問題」とされやすくなります。

犬によく唸られてしまうという人は、もしかすると知らず知らずに犬に不安や不快感を与えていたり、犬の「やめて」に気付かず関わり続けてしまうことが原因かもしれません。

犬はいきなり噛みついてくることは少なく、その前段階に「マイルドなやめてのサイン」があり、その次の段階で「唸る」ことで「もうこれ以上はやめて!」と私たちに伝えます。犬にもちゃんと感情がありますので、ただ「唸る」を叱るだけでなく、その子が嫌な気分になっていないかを知ろうとする気遣いも大切ですね。

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