1.暮らしに合わない恐れがある
ライフスタイルに合わない恐れ
犬は「人間の仕事のパートナー」または「愛玩犬」として品種が生み出されてきたという歴史があります。そのため、同じ「犬」という動物であっても犬種によって性質の特徴に違いがあります。その子の個性によっては犬種の特性を感じにくいこともありますが、犬種の特性を把握したうえでパートナーを選ぶことが重要です。
なぜかというと、もしその犬種の性質が飼い主さんのライフスタイルに合わない場合、犬も飼い主さんも共に幸せになることが難しいためです。
犬種によって必要な運動量が異なる
たとえば、ボーダーコリーやジャックラッセルテリアは運動量が多いアクティブな犬種です。もし飼い主さんが毎日のお散歩や遊びの時間をしっかりと確保することが難しいライフスタイルの場合、パートナーは運動不足になってしまう恐れがあります。
一方、チワワやヨークシャーテリアはそれほど運動量を必要としないため、もし飼い主さんが「週末は犬とアクティブに遊びたい」と思っていたとしたらパートナーは過剰に疲れてしまう恐れがあります。
住宅の環境と犬の大きさ
狭い住宅は大型犬の飼育には適していません。たとえ小型犬であっても、愛犬のケージやトイレなどを置くことを考えると最低でも6畳以上の部屋の広さが必要です。室内でも愛犬の運動ができる余裕がないと、愛犬の運動不足やストレスの原因となる恐れがあります。
このように、飼い主さんのライフスタイルや「犬とどのような暮らしがしたいか」の希望や住宅環境と犬種の性質や大きさが合っていないと、パートナーにも飼い主さんにも負担になってしまう恐れがあります。
2.小さいから大人しいわけではない
小さくても野生を残した犬という動物
まるでぬいぐるみのように愛らしい見た目であっても、犬は野生を強く残した動物です。正しいしつけトレーニングを行わなければ、小さく可愛い犬種であっても大ケガをする恐れがあります。犬の噛む力はとても強いので、たとえ小型犬であっても大ケガの危険が伴うのです。
しつけを怠ると他人や他の犬を傷付ける恐れも
警戒心が強い大型犬であるドーベルマンやダルメシアンなどの場合は、しつけトレーニングや社会化を完璧にしていないと他人や他の犬を傷つける恐れもあります。大型犬ゆえに、本気で飛びかかってしまうと大変なことになってしまいます。
「犬と向き合えるか」を考えた上で迎えよう
どんな犬種であっても、安全に犬を飼うには根気強いしつけトレーニングが必要です。「カッコイイから」「カワイイから」だけで選ばずに、その犬と根気強く向き合ってしつけをおこなうことができるのかを充分考えておきたいですね。
3.終生飼養の責任がある
犬を迎える際、見た目で選ぶことが間違っているわけではありません。これから暮らしを共にするパートナーですので、飼い主さんが「ビビッときた」というフィーリングも大切だと思います。
「やっぱり無理だった」と後悔しないために
しかし、犬は高い知性と感情を持った動物です。嫌なことがあれば唸ることもありますし、大きな音がすれば吠えてしまうこともあります。犬のしつけは1日2日でできるものではなく、根気強く愛犬と向き合っていく覚悟が必要です。
犬の飼い主には「終生飼養」の義務が法律で定められています。犬との暮らしについてしっかりと考えたり準備をせず衝動的に迎えてしまうと、飼育を始めてから「やっぱり犬を飼うのは無理だった」と後悔してしまうリスクがとても高いです。
現在もなお保健所や保護施設にはたくさんの犬たちが保護されているのは、浅はかな気持ちで迎えられたことが原因であることが非常に多いです。
思いつく限りの不安点に解決策を用意しておこう
犬との暮らしはとても楽しいものですが、お世話やしつけ、そして金銭的にも負担があります。
- お世話する時間の余裕がある?
- 根気強くしつけをする覚悟がある?
- 犬にかかる費用に余裕がある?
- 飼い主さんが入院した時のお世話は?
- 出張や旅行等に制限が出てくるのは大丈夫?
などなど、思い付く不安点に解決策を見出しておく準備が必要です。
そして、少しでも不安な点がある場合は「飼わない」という選択も正しいことでしょう。
まとめ
犬は高い知性と感情を持った動物であり、何年も生活を共にするパートナーでもあります。犬を「見た目が好みだから」というだけで選んで迎え入れてしまうと、楽しくなるはずだった犬との暮らしが苦痛になってしまう恐れがあります。それでは飼い主さんも犬も共に幸せになることができません。
犬を迎える際にはフィーリングだけではなく、その子の性格や犬種の性質をしっかりと把握して「自分の暮らし方に合っているか」を考えることが大切です。そして、毎日欠かさずお世話やしつけの時間がとれるのか、費用面は大丈夫かなどの心構えをしっかりとしたあとで、万全の態勢で犬を迎えることが大切です。