犬はなぜ肉球から汗をかくの?
体温調節をするために汗をかくのは人も犬も同じです。ただし、ほぼ無色無臭の通常の汗が分泌されるエクリン腺という汗腺は、犬の体にはほとんどありません。人間の場合は体全体にありますが、犬のエクリン腺は足の裏や鼻先など毛に覆われていないごく一部分にしかないのです。
ちなみに、人間の場合は脇下などにあり、ベタベタとしてにおいのある汗が出るアポクリン腺は犬の体全体に多数存在します。そのため、犬は体臭が強くなりやすく体がべたつきやすいとされています。
犬が肉球から汗をかく理由①不安、緊張している
犬が肉球にたくさん汗をかくのは、精神的に強いストレスがかかっている場合もあります。自律神経の働きによって、私たち人間も緊張や不安を感じている時に手のひらに汗をかくことなどがあると思いますが、犬も同じで不安や心配を抱えている時や緊張を感じている時などにたくさんの汗をかきます。
犬が肉球に汗をかく理由理由③多汗症によるもの
あまり多い事例ではありませんが、犬も多汗症を発症することがあります。多汗症はその名の通り汗を多量にかく病気。犬の場合は、アポクリン腺が多いためにおいやベタつきが目立つようになり、皮膚に雑菌が増殖しやすくなると言われています。
犬の多汗症の原因はアポクリン腺が多いことが主な原因とされており、根本的な治療方法はないとされています。
こまめにシャンプーをするなどして、清潔を守ることが大切。肉球からの汗は、生活に支障が出る程のものではありませんが、足裏が炎症を起こしてしまう場合などは指の間の毛をこまめにカットして、蒸れにくい環境を作ってあげるようにしましょう。
まとめ
「犬は汗をかかない」と言われることがありますが、肉球など限られた一部分にはエクリン腺という汗腺があって汗をかきます。犬がたくさんの汗をかくのは、体にこもった熱を放出して体温調節をするためや、緊張や不安によるものだとされています。精神的なストレスを感じている場合や体に痛みや苦痛を感じている時にも汗が出ることがあります。
また、多汗症を発症し汗を大量にかくこともありますが、その場合は全身にあるアポクリン腺からの汗の量も増え、体がベタベタしたりにおいが強くなったりすると思います。
犬が汗をたくさんかく理由は、そのほとんどが私たち人間が汗をかくのと同じものです。犬の汗が気になった時は、室温や犬の体調などに気を配り、大きなトラブルを防ぐことが出来るように適切な対処をしましょう。