犬が唸る理由
あなたの愛犬は唸ることがあります?個体の性格によっては、唸る姿をほとんど見たことがない飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんね。我が家は5歳になるフレンチブルドッグと生活していますが、愛犬が「威嚇」の意味で唸っている姿は1度しか見たことがありません。
しかし、犬は「威嚇」以外の心理で唸ることもよくあるので、「愛犬が頻繁に唸って困っている」という飼い主さんがいらっしゃるのも事実。我が家の愛犬も、まれに遊んでいる最中、興奮して唸ることがあります。一般的に犬が唸る行為は「威嚇」を意味することが多いですが、楽しい時や要求がある時に唸ることもあります。
楽しすぎて興奮している
犬は楽しいと唸ることがあります。飼い主さんと一緒に遊んでいる最中、愛犬が急に唸りだしたことはありませんか?特に引っ張りっこ遊びをしている時に多く見られるのですが、楽しい気持ちが高まり、興奮してくると唸ってしまうことがあるよう。
楽しくて唸っている時は尻尾を振っている、また、鼻の上にしわを寄せていないなどの特徴があります。つい唸り声が出てしまうほど、楽しいのは悪いことではありませんが、犬は興奮してしまうと、力加減が出来なくなり、飼い主さんを誤って噛んでしまったり、愛犬自身のケガに繋がる恐れもあります。愛犬が唸るほど興奮してきた時は、一度クールダウンしてから、遊びを再開するようにしましょう。
威嚇
犬が唸っている時の心理で一番多いのは、やはり「威嚇」になります。一言で「威嚇」と言っても、その心理も非常に様々。犬が「威嚇」の意味を持って唸る時、怒っているだけではないようです。
- 所有欲
- 不快感
- 恐怖心や警戒心
- 縄張り意識
「遊びはもうおしまい」と飼い主さんにお気に入りのオモチャを取り上げられそうになった時、唸り声をあげるのは所有欲による唸り。また、爪切りやブラッシングなどが苦手な子は、不快感をあらわにするように唸ることもあるでしょう。
そして、恐怖心や警戒心から唸ることもよくあります。もともと犬は警戒心が強い生き物であるうえ、「恐い」と感じる物が目の前にあると、さらに警戒心は高まります。身の危険を感じながらも、「唸る」事で相手を怖がらせようと威嚇しているのです。
縄張りを守るために唸るのも威嚇行動のひとつ。犬は群れで生活する生き物なので、もともと縄張り意識が強い生き物です。来客や宅配業者の方に唸ってしまうのは、縄張りを守りたいという心理でもあります。
要求したいことがある
犬には「ご飯が食べたい」「お散歩に行きたい」「構ってほしい」など、様々な要求があります。中にはその要求を唸ることで飼い主さんにアピールする犬もいるよう。要求吠えをしてしまう犬に多く見られる行為ですが、飼い主さんに対して要求や不満がある時、要求吠えをするまえに、唸り声を出して威嚇することがあります。
犬が唸っているときにやってはいけないNG行為3つ
1.無理に取り上げない
犬が所有欲によって唸っている場合、愛犬が口にしているオモチャなどのお気に入りの物を、無理やり取り上げるのは止めましょう。当然、取られたくなくて唸っているわけですから、無理に取り上げようとすると噛まれる危険性があります。
お気に入りのオモチャなどを離してもらい、唸っているのを止めさせるには、オモチャよりも大好きなオヤツを見せて「チョウダイ」や「ダセ」のコマンドで、愛犬自らお気に入りの物を口から離してもらいましょう。
お気に入りの物を口から離して、唸ることを止めたらオヤツを与えてください。唸るのを止めると良いことがあると学習してくれるはずです。
2.無理に触れようとしない
犬が恐怖心から唸ってしまう場合、無理に触ろうとするのもあまりよくありません。人に触られること自体が好きではない犬もいますし、過去のトラウマから人の手に対して恐怖心を持っている犬もいます。
また普段は飼い主さんと良好な関係が保てていたとしても、恐怖心から唸っている時は、強い緊張状態になっていることが多く、人の手が視界に入ってきたとき、反射的に噛んでしまう危険性があります。
唸っている犬の恐怖の対象となっている物から遠ざかり、落ち着いておとなしくなった瞬間に褒めながらオヤツを与えてください。「おとなしくすると良いことがある」ということを、繰り返し教えてあげましょう。
3.要求に応えすぎない
要求を通したくて唸ってしまう犬は、飼い主さんの接し方が影響しているケースもあります。唸ることを止めさせるために要求に応えすぎていると、ワガママが増長してしまい、ほんの少し気に入らないことがあるだけで、唸る犬になってしまいます。
要求が通らないこともあると学んでもらうためにも、「唸り」を無視して、要求に応えすぎないようにするのも重要です。
まとめ
犬の「唸る」という行為も、感情表現のひとつ。楽しくて唸ってしまうのは、飼い主さんが上手く感情をコントロールしてあげて、クールダウンさせましょう。その他の「唸り」に関しては、恐怖心や警戒心、不安感など負の感情で唸ることが多いので、理由を探り、原因を取り除くとともに、しつけによって「唸らない犬」にしてあげましょう。