なぜ?わんこが遠吠えする理由
1.オオカミの本能
最近ではわんこも室内飼いがスタンダードになったため、夕方になると近所中の犬たちが呼応するように遠吠えをしている…なんて光景はほとんど見られなくなりました。
ですが、そもそも遠吠えとは、犬の遠い祖先であるオオカミや、野生で暮らしていたころの犬たちがお互いにコミュニケーションをとるための重要な手段の1つでした。そのため、他のわんこが遠吠えする声に呼応してしまうのは本能であり、抑えがたいものなのです。
2.サイレンの音に反応している
他のわんこの遠吠えがあまり聞かれなくなった現代社会、代わりにといっては何ですが、パトカーや救急車のサイレンの音に呼応して遠吠えしてしまうという子も少なくないようです。これは、サイレンの音が出す周波数が、遠吠えの周波数と近いためともいわれていますが、原因は未だはっきりと解明されてはいません。
3.孤独・寂しさを感じている
遠吠えは仲間とのコミュニケーション手段だったとご紹介しましたが、遠吠えで具体的にどのようなコミュニケーションを図っていたかというと、離れた場所にいる仲間に対して「今どこにいるの?」「僕はここだよ」という所在確認と所在表明の役割を持っていました。
そのため、ひとりでのお留守番中に遠吠えをしてしまう場合には、孤独で飼い主さんが恋しいあまり、「飼い主さん、今どこにいるの?」「僕はここだよ、寂しいよ」というメッセージを込めている可能性があります。
4.要求吠え
何かに呼応するわけでもなく、飼い主さんも近くにいるのに遠吠えをする場合には、単純な遠吠えではなく、ごはんや散歩、おやつなどをねだっての要求吠えの可能性があります。
飼い主さんが一度反応してしまったり、要求に応えてしまったりすると、わんこは「こうすれば言うことを聞いてくれる」と勘違いし、遠吠えがクセになってしまうことがあるので注意が必要です。
5.認知症
近年のわんこの飼育環境の向上や医療技術の発展により、わんこの平均寿命は大きく伸びてきました。そして、それに伴って増えているのが、わんこの認知症です。認知症を発症すると、昼夜の区別がつかなくなり、また、不安感に襲われることから、のべつ幕なしで遠吠えをしてしまう子がいます。
原因別!遠吠えをやめさせる方法
他のことで気を引いてごまかす
他のわんこの遠吠えやサイレンに呼応してしまっている遠吠えは、前述したように本能によるところが大きく、対策は難しいのが実際のところです。試す価値がある方法としては、愛犬が遠吠えを始めたらオモチャなど他のもので気を引いて注意を逸らすことです。
「オスワリ」の指示しつけで気持ちにケジメをつけさせるのも良いでしょう。吠えることをやめたら、褒めてあげることが重要です。
愛犬とのコミュニケーションを増やす
孤独感や寂しさから遠吠えしてしまっている場合には、愛犬とのコミュニケーションを見直す必要があります。ひとりでのお留守番時間を減らすことができればそれが一番ですが、難しい場合もありますよね。
そんなときには、お留守番をさせる前にたくさん遊んであげて疲れさせる、お留守番中でもひとり遊びできるおもちゃを与えるなどして、わんこが「ひまだな、寂しいな」と感じる時間を少しでも減らしてあげることが必要です。
毅然とした態度で接する
要求吠えがエスカレートした遠吠えの場合には、飼い主さんが安易に要求に応えず、毅然とした態度で接することに尽きます。要求吠えに対しては「うるさい!」と叱りつけることもNGです。飼い主さんは叱ったつもりでも、わんこは「吠えたらかまってくれた」と勘違いすることがあるためです。最初は辛く、ストレスですが、無視を貫きましょう。
適切な治療を受ける
認知症が原因の場合には、適切な治療を受けるしか方法はありません。悲しいことに、認知症による遠吠えや無駄吠えを苦に、泣く泣く愛犬の安楽死を申し出る飼い主さんも少なくないのが現状です。
わんこの認知症については今後研究が進んでいくことを期待してやみませんが、現在のところ、不飽和脂肪酸を強化した療法食やサプリメントの処方で症状の改善が報告されています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?わんこの遠吠えはご近所トラブルにもなりかねないため、飼い主さんも気を遣うところだと思います。遠吠えの原因を把握して、しっかり対処したいですね。