原因①相手のテリトリーに入ってしまった
- 「あっちに行け!」
- 「こっちに来るな!」
- 「もっと離れて!」
散歩中に愛犬が他の犬から吠えられる原因として、相手のテリトリーに入ってしまったことが考えられます。このテリトリーというのは、相手の犬の自宅周辺であったりいつも行っている公園であったりするだけでなく、犬同士の社会的距離が近くなりすぎている場合もあります。
縄張り意識を持つ犬は少なくありませんが、家庭で飼育され飼い主に連れられて散歩をする家庭犬である以上、そのテリトリーは守られないことがほとんどです。テリトリー内で狩りをするわけでもありませんし、公園はみんなのものですから、次第に縄張り意識は薄れていくことが多いと思います。
しかし、中には気質や本能的にそうした意識を強く持ち続ける犬もいるので、そのような犬と出会った時に吠えられることがあると思います。縄張り意識が原因で吠えられている場合は、単純にその場を離れる=相手のテリトリーから出ていくことで吠えられなくなるでしょう。
ただし、こうした対処をしていても根本的な解決にはならず、むしろ相手の犬が今後も縄張り意識を強く持ってしまう原因にもなります。ですが、これについては相手の犬のしつけの問題なので、ここでは深く触れずに進めたいと思います。
原因②相手に警戒心や不安感を抱かせている
- 「誰だ!」
- 「それ以上近寄らないで!」
相手の犬が散歩中に出会う他の犬などに対して、十分に社会化されていない場合などに吠えてしまうということが考えられます。初めて会った犬や慣れていない犬に対して、どのように接したらいいかわからず適切なコミュニケーションが取れずに吠えてしまうということは少なくありません。
特に他の犬に対して不安や恐怖を感じやすい犬は、吠えて警戒心を露わにして相手を遠ざけようとします。この時、吠えていて「近寄らないで」と警告しているにもかかわらず、不用意に近づいてしまうと追いつめられて噛んだり攻撃してしまうことがあるので注意しましょう。
また、愛犬が犬同士のボディランゲージを十分に理解しておらず、相手の犬に無用な警戒心を抱かせてしまっている場合があります。見ず知らずの犬に会って不安に感じている相手の犬に対して、どんどん近づいて距離を詰めたり、目をじっと見つめ続けたりしてより不安にさせてしまうことがあるのです。
そうすると、ますます警戒心を抱かれて吠えられやすくなってしまいます。初めて会う犬などが愛犬に対して警戒心を持っていると思われる場合は、むやみに近づかせないようにしたり、必要以上に相手の犬を見つめさせないようにしましょう。
飼い主さんが愛犬の名前を呼んで気を引いたり、他の道に誘導するなどして相手を不安がらせないような対応をするといいでしょう。
原因③相手から興味を持たれている
- 「誰?」
- 「何しているの?」
- 「遊ぼうよ!」
犬が吠えるのは、必ずしも警戒心や攻撃性からとは限りません。犬にとって吠えることは、コミュニケーション方法のひとつであり、私たち人間がおしゃべりすることと変わりません。
そのため、散歩中で他の犬に吠えられた時も、遊びに誘われたりあいさつをされたりしている場合もあるのです。特に子犬やパワーのありあまった若い犬などは、「ねえねえ!」と声をかけるつもりで吠えていることも少なくありません。
このような場合は、尻尾を大きく左右に振っていたり、体を横に揺らしていたり、飛び跳ねるような仕草をしたりしているので、吠える以外のボディランゲージなどと合わせて判断するとよいでしょう。
原因④飼い主が吠えられている可能性も
「うちの犬はよく吠えられるな~」と思っていたら、飼い主さんが吠えられているというパターンも。愛犬の散歩中に大きなバッグを持っていたり、傘や日傘をさしていたり、サングラスをしていたりすると他の犬に警戒心を抱かれやすいとも言われています。
また、犬好きな人によく見られる「きゃー!かわいい!」とハイテンションで声をかけたり、走って近づいたりする行動も相手の犬から怖がられたり警戒されたりする原因となります。
まとめ
散歩中に特に何もしていないのにも関わらず、他の犬から吠えられる場合、そのほとんどは愛犬に原因がないと思います。どちらかと言えば、吠える犬側の社会性やコミュニケーションの取り方の問題であり、吠えられている方はただその場をやり過ごすしかない場合が多く見られます。
ただし、初めて会う犬や怖がるような様子を見せている相手に対して、必要以上に近づいたり強引に遊びに誘ったりすることはやめさせるようにしましょう。間違ったコミュニケーションによって、警戒心を抱かれて吠えられたり攻撃されてしまう恐れがあるので、飼い主さんが状況をしっかりと判断し適切な距離を取るよう誘導してあげましょう。