1.犬の「口」の中から変なにおいがするとき
“犬は口臭があって当たり前”なんて思っていませんか?口の中が清潔な犬は、ほとんど口臭を感じられません。犬独特のにおいはありますが、口臭と言うほどの変なにおいはしません。犬の口の中から変なにおいがするときは、口の中に何等かの異常があると考えて良いです。
変なにおいの主な原因「歯周病」
犬の口の中から変なにおいがする主な原因は、歯周病です。犬の歯垢は、歯石になるまでのスピードがとても早く、歯磨きでは取り除けなくなってしまいます。さらにその歯石には歯垢が付きやすく、かなりの悪循環です。
成犬のほとんどが歯周病であるとまで言われています。歯垢や歯石からの変なにおいはもちろん、歯茎などの炎症により、膿が発する腐敗臭のような悪臭もあります。犬の歯周病は、口の中の変なにおいだけではなく、歯を支えている骨まで溶かしてしまうことがあります。
2.犬の「耳」の中から変なにおいがするとき
犬の耳の中って、独特で強いにおいがありますよね。しかし、耳の中が健康であれば、悪臭とまでは感じられないはずです。耳垢が溜まっているときにも変なにおいがすることがありますが、目に見えている範囲だけでもお手入れしてあげるだけで、においは軽減されます。
問題は、明らかに変なにおいや悪臭と感じられるにおいがするときです。変なにおいがすること以外にも、痛がったり痒がったり、赤みや腫れがあるなどの異常がみられることがあります。
変なにおいの主な原因「外耳炎」
耳の中に炎症が起きている状態のことを外耳炎と言います。急性外耳炎または慢性外耳炎である可能性があります。耳の穴の入り口のすぐ近くに炎症が起きていることもありますし、そのまま放っておくと、鼓膜の奥にまで炎症が及んでしまうこともあります。外耳炎を放っておくと、中耳炎や内耳炎にまで進行してしまう恐れがあります。
外耳炎の原因は様々ですが、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、異物による炎症、耳ダニの感染、飼い主さんによる間違った耳のお手入れなどがあります。
3.犬の「皮膚」から変なにおいがするとき
犬の皮膚から変なにおいがするとき、様々な原因が考えられます。お尻周りは汚れていませんか?排泄物によって汚れやすい部分です。排泄をした後、ぬるま湯でサッと洗い流すだけでもにおいは軽減されますし、汚れがこびりついてしまうこともありません。
抜け毛やフケは溜まっていませんか?毎日のこまめなブラッシングで取り除くことができます。皮膚ではなく、被毛に何か付着物はありませんか?フードやヨダレがついてしまい、放置され、においの原因になっているかもしれません。その他には、皮膚の炎症や病気である可能性も考えることができます。
変なにおいの主な原因「マラセチア性皮膚炎」
犬の皮膚から変なにおいがするとき、皮膚病なのではないかと疑われると思います。犬に多い皮膚病の中には、“マラセチア性皮膚炎”というものがあります。皮膚を守るためのバリア機能が低下してしまうことが主な原因です。バリア機能が低下してしまうと、皮膚の常在微生物であるマラセチアが一気に増えてしまい痒みや炎症が起こります。
- 皮膚から変なにおいがする(普段、全く嗅ぎ慣れないにおいがすることがあります。)
- べたべたした黄色いワックスのようなものが皮膚に付着する
- フケがたくさん出る
- 皮膚が真っ赤になっている
- 皮膚を異常に痒がる
- 皮膚に黒ずみができている
このような症状がみられることがあります。
まとめ
愛犬から変なにおいがするときに考えられる原因として、
- 口の中の異常(歯周病)
- 耳の中の異常(外耳炎)
- 皮膚の異常(マラセチア性皮膚炎)
この3つの可能性についてご紹介しました。どれも初期段階で適切な治療を受けることができれば、悪化せずに済みます。いつもとは違う変なにおいが感じられたときは、早めに獣医師の診察を受けましょう。