1.「絶対に渡すもんか!」という心理
犬が口にくわえているおもちゃを無理やり取り上げようとすると、「絶対に渡すもんか!」と、さらに噛む力を強めます。犬が口にくわえているモノがおもちゃではなく、口に入れてはいけないモノである場合には、無理やりにも取り上げる必要があるかもしれません。しかし、犬が口にくわえているのはおもちゃです。
おそらく、その犬専用に用意されたおもちゃです。それを無理やり取り上げようとするのでは、犬だって絶対に渡したくないと思ってしまいます。
自分のおもちゃなのに、飼い主さんが与えたおもちゃなのに、口にくわえても良いし遊んでも良いはずなのに、「なぜ無理やり取り上げられなければならないんだ!」と、機嫌を悪くしてしまうかもしれません。
渡してもらうためには…
決して、無理やり取り上げようとしないこと。飼い主さんが遊ぶことを許可し、その犬に与えた、その犬専用のおもちゃであるということを理解してあげること。その犬専用のおもちゃなのですから、「ちょうだい?」や「貸して?」や「投げてあげようか?」などと言って渡してもらえるようにしてみると良いです。
しょうがないなぁ…と、貸してくれるかもしれません。投げてほしいから渡してくれるかもしれません。「渡しなさい!」と、大きな声をあげたり、引っ張ったり、無理やり取り上げようとしても、絶対に渡してはくれません。おもちゃを無理やり取り上げようとする人とは、「もう遊びたくない!」と思われてしまうかもしれません。
2.「まだ遊んでいたいんだ!」という心理
犬がおもちゃを渡してくれないのは、まだ遊びに満足していないからです。体力を使い切るまで遊んでいたいのが犬ですよね。
遊びの時間を終わらせたいとき、おもちゃを渡してほしいときは、まずは、遊びの時間を決めておくこと、飼い主さんの指示でおもちゃを渡せるようにトレーニングすること、遊びの時間が終わったらおもちゃを片付けること、この3つを試してみてください。
渡してもらうためには…
遊びの始まりと終わりを理解してもらうためのトレーニングの手順です。
1.おもちゃは遊ぶときに出す
いつまでもおもちゃを出しっぱなしにしていることがほとんどですが、遊びの時間になってから出してあげると良いです。
2.遊びの時間を決めておく
30分程度で良いのではないでしょうか。思いっきり遊ぶことができれば、体力も使えるでしょうし、満足してくれるのではないでしょうか。遊びを終えたいときは、「今日はもうおしまいね」などと声をかけてあげると良いです。
3.コマンドを決めておく
おもちゃを渡してほしいときのコマンドをひとつ決めておきます。毎回コマンドが変わってしまうと、犬が混乱してしまい、覚えにくくなってしまいます。「ちょうだい」でも良いです。「持ってきて」でも良いです。飼い主さんが指示を出したら、おもちゃを渡せるよう、トレーニングしてみましょう。
4.おもちゃは片付ける
遊びの時間が終わったら、おもちゃは指定の場所へ片付けるようにすると良いです。犬にも“おもちゃで遊んで良い時間は終わったんだ”と、理解してもらいやすいです。いつも出しっぱなしなのに、今日に限って渡せと言われても「まだ遊んでいたいのに何で?」となってしまいます。
3.「今は構ってほしくないんだ…」という心理
飼い主さんがテレビやスマートフォンに夢中になることと同じように、犬にだって、おもちゃに夢中になることがあります。飼い主さんに遊んでほしいときもありますが、ひとり遊びを楽しみたいときだってあります。
そんなとき、急に構われると、嫌がる犬もいます。飼い主さんは遊んであげたいかもしれませんが、おもちゃを投げてあげたいのかもしれませんが、犬は「今は構ってほしくないんだ…」という状況なのです。
渡してもらうためには…
おもちゃに夢中になっているとき、ひとり遊びを楽しんでいるとき、構ってほしくなさそうなときは、そっとしておいてあげましょう。構ってほしくないときは、おもちゃを渡してはくれません。
これからお散歩の時間なのにおもちゃを離そうとしないとき、遊びの時間はおしまいなのにおもちゃを離そうとしないときなど、どうしてもおもちゃを離してもらう必要があるときは、先にご紹介した「遊びの始まりと終わりを理解してもらうためのトレーニングの手順」とお試しください。
まとめ
犬がおもちゃを離さない時の心理には、
- 「絶対に渡すもんか!」という心理
- 「まだ遊んでいたいんだ!」という心理
- 「今は構ってほしくないんだ…」という心理
このようなものがあります。なぜ、犬はおもちゃを渡そうとしないのか、そのときの状況と合わせて、犬の気持ちを読み取ってあげましょう。