犬の無駄吠えとは?
犬の吠えの種類や理由について説明する前に、そもそも『無駄吠え』とは何か?ということを考えてみたいと思います。
結論から言うと、犬にとって『無駄』な吠えというものはありません。吠えることは私たちが言葉を発することと同じで、意思表示やコミュニケーションのために行う自然な行動です。そのため、吠えていることには必ず意味があるので、犬自身が無駄に吠えているということはないのです。
とは言え、吠えている意味や理由が出来ない場面での吠えや、一緒に暮らす飼い主が我慢出来ない程騒がしく頻繁な吠えは許容しがたいものだと思います。状況に関わらず必要以上に吠えている場合や、飼い主にとっては無意味に感じられる場合などに『無駄吠え』と呼ばれることが多いようです。
犬の警戒吠えの特徴と対処法
犬の警戒吠えは、その名の通り相手や状況に対して身の危険を感じて警戒している時や、相手に対して警告を与えるために行われる吠えです。自分や家族、仲間を守るために、危険と思われる相手をテリトリーに近づけないために吠えて「近寄るな!」「それ以上近づけば攻撃するぞ!」と警告して注意をうながすのです。
警戒吠えは仲間のいるテリトリーを守るために行われるため、家庭犬の場合家の中で多く見られます。来客を知らせるインターホンや、窓から見える人影、家の周囲で突然聞こえる物音などに対して吠えるのはほとんどは警戒吠えでしょう。
そして厄介なことに、家を訪れる宅配便業者や家の前を通る通行人などは、犬が吠えている間に姿を消すことが多いのです。そうした経験をくり返すことで、犬は「怪しい人は吠えればいなくなる」と学習してしまい、警戒吠えが強化・増加する傾向があるのです。
吠え方として特徴的なのは、警戒する対象に向かって吠えているということ。「人影があればその人に対して」「インターホンが鳴った時は玄関に向かって」「不審な音がした場合は音のした方向に」と、警戒すべき対象をしっかりと観察するようにして吠えたてます。散歩中など、警戒対象と直接対峙している場合はやや体を引き気味にして吠えることも多く見られます。
家の中で警戒吠えをする場合には、窓の外を見せないようにして外部からの刺激を減らすことも効果的です。それと同時に、インターホンやさまざまな物音、来客などに慣らす練習をして警戒心を抱く必要はないということを教えてあげましょう。
犬の無駄吠えの特徴と対処法
犬にとっては意味があるとしても飼い主が無駄だと感じる吠えの場合、「しつこい」と感じる程長く吠えていたり、吠えている理由がわからなかったりすることが多いと思います。無駄吠えと感じる過剰な吠えは、その根本的な要因にストレスや運動不足などが隠れていることがあります。
吠えの理由に合わせた対応をするとともに、散歩や遊び・スキンシップの時間を増やして犬の欲求不満を解消することで吠えが減少する傾向にあります。
また、慣れない状況に直面した時どのように振舞えばいいかわからず、吠えてしまうこともあるでしょう。例えば名前を呼ばれた時や「散歩だよ」と声をかけられた時、飼い主さんが出かける時など、日常生活での出来事に対してどのような行動をするのが正しいのかわからない犬は少なくありません。
事あるごとに犬が吠えてしまうという場合は、あらゆるシーンで望ましい行動を教えてあげるということも非常に有効です。手間のかかるしつけではありますが、無駄吠えにただイライラしたり犬を叱りつけてばかりいるよりも、きっと犬にも飼い主さんにも有益な時間になると思います。
まとめ
犬が吠えることはとても自然な行動です。犬が吠えるという習性を利用して、人間は狩りや害獣駆除、牧羊・牧畜などさまざまな仕事を犬とともに行ってきました。また、警戒吠えをすることから、一昔前まで日本では番犬としての役割を与えられていた犬も多いでしょう。
ただし、警戒心を高めて外の気配に常に気を配っていたり、警告を与えるために警戒吠えをしてばかりいると犬も精神的に疲弊する可能性があります。家の中では安心して過ごせるように、家庭内や近隣で起こる物事に対してぜひ慣らしてあげるようにしてください。
また、犬が吠えるには何らかの理由や意味があると思いますが、人にとっては無駄に感じられる吠えもあると思います。無駄吠えだと感じられることが多い時には、ストレスや運動不足を解消したり、適切な行動を教えたりするといいと思います。
そして、犬が吠えている時に無駄吠えだと決めつけず、理由をしっかりと探してあげることも大切です。
ユーザーのコメント
30代 男性 匿名
それに、人にとって不必要な吠えは、警戒吠えであろうとムダ吠えなのでは?
飼い主は、ムダ吠えと決めつけてもいいので、何故吠えるかの理由はちゃんとわかってやって、やめさせるようしっかりとした対処をしないと。
とにかく、犬の吠えは近隣にとってはただの騒音。