①犬の要求や感情を無視する
犬は一緒に生活をする家族や身近な仲間とのコミュニケーションを好む傾向にある動物です。特に大好きな飼い主さんと目を合わせたり、スキンシップを取ったり、遊んだりすることは特別に幸せなことだと考え、その時間をとても大切にしています。
そんな犬にとって、飼い主さんが自分のことを見てくれないということはとても悲しいこと。人間同士のように言葉で手軽に意思疎通を図ることが出来ないため、犬は表情やボディランゲージ、吠え声、行動などを通して自分の意思や感情を伝えようとします。
そのため、犬の様子を見ていなければその意思や感情を見逃してしまうことも少なくありません。わざと無視しているわけではなくても、忙しい飼い主さんが気づかないうちに犬を無視してしまっていることが多く見られることです。
静かな意思表示では伝わらないと考えた犬は、吠えたり走り回ったりして騒いだり、トイレの粗相・いたずらなどして飼い主さんを困らせたりして自分に注意を向けようとします。「いいこでいても気づいてもらえない、いいことがない」と思った犬は、飼い主さんが構わざるを得ない状況を作り出すのです。
しかし、そうすることで飼い主さんはイライラしたり困ったりして、犬に対してマイナスの感情を持ってしまいがち。犬を無視(様子を見ない)することで、犬が悲しい気持ちになるだけでなく、良好な関係を崩してしまうことにもつながるので気をつけなければなりません。
②いたずらをしたりからかったりして笑う
犬と遊んだりスキンシップをしたりしている中で、犬の反応がかわいいと感じる瞬間がありますよね。ふとした瞬間に見せる愛らしい仕草や表情を引き出すために、さまざまなコミュニケーションを取ることがあると思います。
犬が喜んだり楽しそうにしている様子だけでなく、びっくりした時の反応や慌てる仕草なども、飼い主さんにとって愛くるしいと感じるもの。
遊びのつもりでちょっとした“いたずら”や“からかい”をして、反応を楽しむ飼い主さんもいるようですが、犬にとってはそれが大きなストレスになったり飼い主さんに不信感を抱かせる原因になったりすることもあるのです。
突然大きな声を出してびっくりさせたり、寝ているところを起こしたりして反応を見るなど、犬が不快に感じる行動をくり返すことで、犬との良好な関係もあっという間に崩れてしまうでしょう。また、本気でいじめるつもりではなくても、からかいで笑われることで傷つく犬もいるので十分に気をつけてください。
③適切でない、強すぎる罰を与える
犬のしつけをすることは飼い主さんの大切な仕事です。ほめて楽しくしつけを行うだけでなく、時には厳しく対応しなければならない時もあると思います。しかし、必要以上に厳しい罰は犬と飼い主さんの関係性を悪化させるだけでなく、正しい行動に導くことすら出来ない可能性があります。
特に叩く・蹴るなどの体罰や、お仕置きとして閉じ込める行為、感情的に怒鳴りつけることは犬に強い恐怖心を与えて委縮させてしまいます。適切でないタイミングでそのような怒り方をすると、犬は自分がなぜ怖い思いをさせられているのか理解出来ません。
しつけの上での体罰というのは、行動の直後に適切な強度で与えなければ伝わりませんが、これは一般の飼い主さんにはなかなか出来ないことだと思います。そのため、適切でない罰を与えられた犬は飼い主さんの機嫌がいつ悪くなるかわからず、ストレスを感じるようになったり飼い主さんに心を許せなくなったりしてしまうのです。
まとめ
犬との生活において、信頼でつながる良好な関係を築くことはとても重要なこと。高度なしつけを行うことよりも、深い愛情を持って犬の意思や気持ちを尊重して接することが必要です。
どのようなコミュニケーションがベストかは犬の気質や個性によって異なりますが、ここで紹介したNG行為はどのような犬も不快に感じ、飼い主さんへの信頼感を失わせる原因となります。
無視されたり、からかわれたり、不必要な罰を与えられたりすることは、自分の身に置き換えてみれば、つらく悲しい思いをすると容易に想像出来ると思います。犬との良好な関係を飼い主さん自らが崩してしまうことのないように、ぜひ日頃の接し方を見直してみてください。