犬がため息をつくのはなぜ?
1. 無意識にリラックスしている
ため息にはマイナスなイメージが強いかもしれませんが、目を細めたり横になっているときの長いため息は、リラックスできている証拠。
「おなかがいっぱいで満足!」「飼い主が隣にいてくれて安心!」「眠たいなぁ〜」といったときには「ふぅ〜っ」とポジティブな意味合いのため息が出るのです。
2. 気持ちを切り替えようとしている
がっかりして落胆しているときは「ふぅ」と一呼吸おいて、気持ちを切り替えようとしています。期待通りの結果が出なかった際も、このため息が見られます。人間に置き換えて考えると、深呼吸をしてリセットしようとしている状態に近いかもしれません。
3. 疲れている
人間は疲れていると、深いため息をつくことがあると思います。犬も同じで、疲れているときには「はぁ〜」と大きなため息をつきます。
たっぷり体を動かして運動した後に聞こえることもあれば、家に知らないお客さんが来ていて、帰った途端に聞こえてくることもあります。肉体的な疲労、精神的な疲労どちらも当てはまるということです。
4. 嫌なことがあった
嫌な思いをしたり、気に入らないことがあって不快な気持ちになると「ふん!」と鼻を鳴らすように短めのため息をつくことがあります。
この心理においては、行動も伴っているので分かりやすいかもしれません。例えば「そっぽを向いてどこかに行こうとする」「体をよじって嫌がる」など。このようなときは、少しの間そっとしておいてあげましょう。
5. 飼い主への要求
やたらと飼い主の目を見ながらため息をついているような…これは勘違いではありません。以前にため息をついて「おやつを貰えた」「散歩に連れて行って貰えた」といった良い出来ごとがあったりすると、同じことを期待して飼い主にアピールしているのです。
無視し続けると視界に入る位置に移動してきたりするので、意識的につくため息だと言えます。
気を付けて!病気のサインかも?
鼻腔狭窄(びくうきょうさく)
パグやフレンチ・ブルドッグ、ペキニーズなどの短頭種に多く見られる病気です。鼻の穴が狭く、呼吸が苦しくなる症状が見られます。
《主な症状》
- ハッハッと呼吸が荒い
- 鼻水をよく飛ばす
- いびきに似た音を出して呼吸する
熱射病や呼吸困難が起こりやすくなるため、症状がひどい場合は鼻腔を広げる手術を行うことがあります。
気管虚脱(きかんきょだつ)
チワワやヨークシャーテリアといった、トイ種の犬に見られることが多い病気です。ガチョウの鳴き声に似た音がすることでよく知られています。
《主な症状》
- 単発的に乾いた咳をする
- 異常な呼吸音(ゼーゼー、ガーガー)
若齢でも発症することがあり、一部の症状が似ているため、逆くしゃみと間違われることがあります。
フィラリア症
フィラリアを体内に持つ蚊に刺されると感染する疾患ですが、投薬で予防すれば防げる病気です。投薬は義務化されてはいないものの、突然死の危険性がある恐ろしい病気のため、予防を行う方がほとんどです。
《主な症状》
- 慢性的に咳をする
- ハァハァと息切れする
- ぐったりして元気がなくなる
投薬期間は地域によりますが、筆者宅では毎年5月〜11月にチュアブルタイプの飲み薬を与えています。
1度の注射で1年間予防できるもの、皮膚に垂らすスポットタイプもありますのでかかりつけの動物病院で相談してください。
まとめ
ため息には、犬の心理状態を表すものと、病気の予兆があるので、日頃から僅かな変化を見落とさないようにしましょう。あまりにもため息の回数が多いと、うつ病の可能性も考えられるため、動物病院を受診することも大切です。