なぜ、怒ってるの?噛みつくの?
怒って噛みつく犬の気持ちを想像したことはあるでしょうか。犬だって、怒りますし、噛みつくことがあります。攻撃のためでもありますが、防御のためでもあります。しかし、理由なく怒ることはありません。
噛みつくことにだって理由があります。何の理由もなく、突然に噛みつく犬はいません。怒って噛みつく犬の気持ちを理解することで、穏やかな関係を築くことができますし、お互いにケガや事故なく済みます。
不安・恐怖・抵抗
犬が怒って噛みつく理由は、不安・恐怖・抵抗のどれかに当てはまることがほとんどです。不安や恐怖を感じ、抵抗するために、逃れるために、噛みついてしまうんです。
噛むという行為によって、相手の行為をやめさせたいと考えています。しかし、犬は突然に噛みついたりしません。
唸り声をあげたり、牙を見せるなどして、「これ以上はやめて!」と、伝えてきていたはずです。それを無視して嫌がる何かを行ってしまったため、噛みつくという行為にまで発展させてしまったのです。
怒って噛みつく犬にやってはいけないこと
1.大きな声を出す
噛みつかれれば、大きな声が出てしまうかもしれません。「やめて!」「放して!」と、大きな声を出しながら、必死に抵抗するかもしれません。
怒っている犬に噛みつかれれば、相当な痛みを伴うはずですから、ジッと黙ってはいられなくなると思います。
しかし、その行為は、犬をさらに興奮させてしまう行為です。「放すもんか!」と、さらに強い力で噛みついてくることだってあります。
2.犬を叩く
「やめて!」「放して!」と、声をあげてもやめてくれないとき、犬を叩いてしまうかもしれません。犬にも痛みを与えれば、その痛みから逃れるために放してくれるのではないか、と考えるからです。
しかし、犬には、その行為が“攻撃”として捉えられてしまう可能性があります。相手が攻撃してきたのですから、そう簡単に放すわけにはいかなくなってしまいます。
自分自身を守るため、さらにさらに強い力で噛みついてくることだってあります。絶対に放すまいとすることもあるでしょう。
3.引き放そうとする
たとえば、手や腕を噛みつかれたとき。咄嗟に犬の口から引き放そうとすると思います。
しかし、その行為は、あなたにとって危険な行為です。必ずケガを負います。手や腕を引き放そうと強い力で引っ張っても、犬はそう簡単に放そうとはしません。
そのため、皮膚が引きちぎられてしまう可能性があります。皮膚に犬歯が突き刺さり、傷が深くなる可能性があります。
4.閉じ込める
怒った愛犬が飼い主さんの手足に噛みついてくることがあります。そんなとき、つい、ケージの中に閉じ込めてしまう飼い主さんがいます。
実は、NG行為です。ケージの中に閉じ込めて、反省させようと考えるのですが、犬にとっては意味のない行為です。閉じ込められている間は大人しくしているかもしれませんが、また噛みつけるチャンスを狙っています。
ケージの中に閉じ込められることが嫌な犬にとっては、閉じ込めたことでさらに怒ったり、機嫌を悪くしてしまいます。
嫌な行為をする人のことは、どんな行為をされたのかということも含めて、いつまでも覚えています。何もしていなくても、その人の姿を見るだけで、怒って噛みつく犬になってしまうこともあります。
5.食べ物を与える
怒って噛みつく犬に対して、食べ物を見せれば、噛むことをやめることがあります。食べ物の方が興味を惹きますし、食べたいと思うからです。
しかし、この行為が、噛み癖をつけてしまう可能性があります。何か食べ物がほしいとき、おねだりしてももらえないとき、「噛みつけばいいんだ!」と、間違った学習をしてしまう可能性が高いからです。
噛みつかれる度に食べ物を与えていては、飼い主さんや家族だけではなく、他人にまで怒って噛みつく犬になってしまうかもしれません。
まとめ
怒って噛み付いてくる犬に絶対やってはいけないNG行為について、
- 大きな声を出す
- 犬を叩く
- 引き放そうとする
- 閉じ込める
- 食べ物を与える
この5つをテーマにご紹介しました。犬は、噛みつく前に、唸り声をあげるなどし、必ず知らせてくれています。そのサインを見逃してしまうと、人も犬も危険に晒されてしまうかもしれません。