1.あくびをする
犬の心理
実は、あくびは、心の動きによって現れる現象でなく、脳や神経の動きに深い関りのある生理現象です。
極度の緊張や不快感から、脳や神経にさまざまなホルモンが分泌されることによって起きると考えられています。
犬があくびをする時も、「攻撃しません」「許してください」「不快です」などの感情の動きを相手に伝えようとする心理が働き、脳や神経が刺激されるためあくびをする、と言われています。
人間の心理
生理的には、犬があくびするメカニズムと同じです。ただし、人間の場合は「退屈して眠くなったが、寝てはいけない」という心理が働き、目を覚ますために脳や神経が動いてあくびが出ます。
2.口の周辺を舐める
犬の心理
単に自分の食べカスが口周りに残っているのを舐めている場合在りますが、自分の周りに緊張感が漂っていて、自分自身の緊張をほぐそうとしている時にも口の周りを舐めるようです。
人間の心理
思い込みが激しい割に自分の意見が言えず、我慢を強いられているけれど、それがもどかしい…というタイプの人が唇を舐める癖が出やすいそうです。
3.背伸びをする
犬の心理
背伸びをしていても、口角をあげ、尻尾を振っていれば「遊ぼう」、目に怒気を帯び、低く唸って体中に力が入っていたら「威嚇」、真剣な顔で周りに気を配りながら背伸びをしていたら「落ち着きましょう」という意思表示です。
人間の心理
リフレッシュをしたい、あるいは体が強張っている時で、あまり深い心理はありません。
4.上目遣いに見る
犬の心理
立っていたり、座っている状態で上目遣いをしている時は、なにかを「おねだり」しているか「楽しいね!嬉しいね!大好きだよ!」と言う気持ちをつたえようとしている時です。伏せている状態で上目遣いをしている時は、心身ともにリラックスしていると考えられます。
人間の心理
女性の場合は、相手に好意を持っている時、男性の場合は相手を威嚇する時に上目遣いを
します。
犬の仕草は「カーミングシグナル」
犬は、非常に社会性く、仲間同士で意思疎通が出来る動物です。例えば、尻尾を振る、耳を立てる、体を伏せる、などのよく見る仕草も、その一つ一つに意味があります。
それらは「カーミングシグナル」と言い、犬同士で意思を伝えあうだけでなく、犬自身が自分を落ち着かせるために行う動作も含まれています。つまり、犬の仕草には人間以上の「心理」や「意味」が込められているのです。
まとめ
私たち人間と犬は、言葉で感情や物事を伝達することは出来ません。
けれども、犬は私たちと一緒に暮らしていく中で、声の大小、高低、口調や行動から私たちの意思を察するために私たちを観察し、「言葉の持つ意味」と私たちの行動を結び付けて理解しようと学習します。
ですから私たちも、実際に愛犬と向き合って、愛犬達が私たちに伝えようとする行動を学習する必要があります。
そのためにも、何気ない愛犬の仕草を観察し、その心理を探り、推測してみましょう。そうすることで、もっともっと愛犬とスムーズに意思を通じ合うことが出来るようになるはずです。