なぜ、危険なの?
犬が嫌がることをし続けることが危険な理由。嫌われてしまうから?懐いてもらえなくなってしまうから?むしろ、そんなことであれば、それほど大したことはありません。嫌がることをし続ける人と暮らす犬の気持ちを考えてみるとよくわかります。
もし、あなたの身近に嫌がることをいつまでもしつこくしてくる人がいたらどうでしょう。口もききたくないし、顔も見たくないですよね。その人と会うことがないよう、避けて生活をするようになるかもしれません。でも、犬はそれができません。
飼い主さんに対して愛想を尽かしても、信頼関係を失っても、大嫌いでも、一生その飼い主さんの元で暮らさなければなりません。
ただ嫌いなだけではなく、嫌がることをし続ける飼い主さんに対して、恐怖でいっぱいかもしれません。一生、恐怖に怯えながら暮らさなければならないということです。
犬が嫌がるしつこい行動は、今すぐにやめましょう。犬をからかって、笑って楽しんで、遊んではなりません。
1.心を病んでしまう危険性がある
犬にだって心があります。言葉にして表現できないだけです。近年、精神的な疾患を患う犬が増えているとされています。犬の心の病には、分離不安・不安障害・常同障害・恐怖症などがありますが、嫌がることをし続けることによって発症する可能性の高い病もあります。
犬の「常同障害」とは
たとえば、常同障害は、継続的なストレスが原因で発症する心の病です。ストレスがたまり、上手く発散することができず、どのように対応したらよいのかわからなくなってしまいます。
そうすると、おかしな行動をとるようになり、自分の尻尾を噛みちぎるなどの自傷行為がみられることもあります。
犬は人よりも心を病んでしまいやすい
難しい言葉が多くなりますが、大脳には、大脳皮質と呼ばれる部位があり、思考・記憶・知覚・随意運動など、脳の高次機能を司っている部位です。
犬と人の大脳皮質を比べると、犬の大脳皮質はコントロールが弱いとされています。コントロールすることが弱い分、気分によって神経の伝達物質が左右されやすく、精神的な疾患を発症しやすいとされているんです。
また、人よりも犬の方がうつ病になりやすく、薬も効きやすいとされています。
2.病気や死亡に繋がる危険性がある
ちょっと嫌がることをし続けたからといって、死んでしまうわけがない、と思われますか?食事を与えなかったわけでもないし、暴力を振るったわけでもないのに、病気になるわけがない、と思われますか?
人から受けたしつこい行動によって、ストレスがたまり、心の病を発症し、さらに重度な病気を合併し、死に至る危険性を考えることは十分にできます。
死亡率の高い「免疫介在性血液疾患」とは
犬は、ストレスによって、免疫系の病気を発症することがあります。たとえば、免疫介在性血液疾患です。主な原因は、感染や遺伝であるとされていますが、人から受けた強いストレスによって、重症化する可能性があります。
血小板が減少し、全身性の出血を伴うため、血便・血尿・貧血・吐血などの症状がみられます。発症すると、死亡率の高い病気です。
まとめ
犬が嫌がることをし続けるということは、
- 心を病んでしまう
- 病気や死亡に繋がる
このような危険性の高い行動であるということを知ってほしいです。犬が嫌がることをしつこくし続けたとき、おもしろい仕草や行動をするかもしれません。その姿が面白く感じるかもしれません。思わず動画を撮り、SNSに投稿したことがあるかもしれません。
しかし、あなたのその行動によって、犬が強いストレスや不安や恐怖を感じているかもしれない、ということを一度考えてみてください。