犬は仕草や態度で「ごめんなさい」と言っています
わが子を叱る時、子供の口から「ごめんなさい」の一言が出ると、それ以上は叱らない親御さんが多いと思います。でも愛犬を叱っても、「ごめんなさい」の言葉を聞くことはできません。そのせいか、言葉のわからない愛犬に対して延々とお説教をしてしまいがちです。
犬は言葉で謝ることはできませんが、仕草や態度で「ごめんさない」と言っていることがあります。飼い主さんはそれを見過ごさずに、必要以上に叱らないようにしたいですね。そこで今回は、犬が飼い主に謝っている時にする仕草や態度をご紹介したいと思います。
犬が飼い主に謝っている時にする仕草や態度
①口元をなめてくる
犬が飼い主さんの口元をなめるのは、愛情表現のひとつです。ペロペロとなめながら、「大好き~」と飼い主さんに伝えています。でも叱っている時に口元をなめてくるのは愛情表現ではなく、飼い主さんをなだめるためです。
犬は、争いを避けるために相手の口元をなめて、相手の気持ちを静めようすることがあります。怒っている飼い主さんの口元をなめて、「ごめんなさい。怒らないで」と言っているのです。
②あくびをする
叱っている最中に愛犬にあくびをされて、イラッとした経験はありませんか?叱られている時にあくびをするなんて、人間ならありえない態度です。
「バカにしてるの!?」と言いたくなるかもしれませんが、愛犬を怒らないでください。犬にとってあくびは、カーミング・シグナルです。
カーミング・シグナルとは、自分や相手の気持ちを落ち着かせるための仕草や行動のこと。叱られている時に愛犬があくびをしたからといって、「退屈だなぁ」とか「あ~眠い」と思っているわけでも、飼い主さんをバカにしているわけでもありません。
叱られている時のあくびは、怒って興奮している飼い主さんを前にして、緊張や不安を感じている犬の「ごめんなさい。これ以上叱らないで」とか「落ち着いて」という気持ちの表れです。
③お腹を見せる
犬は飼い主さんになでてほしくてお腹を見せることがありますが、叱られている時に仰向けになってお腹を見せるのなら「ごめんなさい」と言っています。
でも実は、謝っているフリをしていることも少なくありません。叱られそうになった時にお腹を見せたら叱られなかった経験があると、叱られるのを避けるために「とりあえず、お腹見せておくか」という気持ちで、ゴロンと仰向けになることがあります。
本気で謝っているのか見分けるには、犬の耳や尻尾に注目です。耳を倒して、尻尾を後ろ足の間に巻き込んでいるのなら本気で「ごめんなさい」と言っています。耳を立てて、尻尾を自然に伸ばしていたり軽く振ったりしているのなら、謝っているフリをしてる可能性が高いです。
そして謝っているフリをしている場合は、飼い主さんがいなくなると、すぐに仰向けから通常モードに戻ります。
「しょんぼり=ごめんなさい」じゃない!?
いたずらなどを叱ると、しょんぼりした態度を見せる犬がいます。上目遣いで飼い主さんを見上げたり、うつむいたりするので、いかにも「ごめんなさい」と言っているような感じがします。
でも叱った時にしょんぼりした態度を見せるのは、怒っている飼い主さんに恐れや不安を感じているから。
「どうしよう…」「困ったなぁ…」という気持ちで飼い主さんの様子を伺ったり、飼い主さんの怒りが収まるのを待っていたりする犬の様子が、しょんぼりと反省して謝っているように見えるのです。
まとめ
犬は言葉で「ごめんなさい」と言えなくても、ご紹介したような仕草や態度でその気持ちを表しています。犬の「ごめんなさい」は、「もうこれ以上叱らないで」というサインとも言えるので、叱りすぎないように注意しましょう。
また謝っている仕草や態度が見られないからといって、くどくどと叱るのもやめましょう。愛犬を叱る時は、現行犯の時に、「ダメ」「ノー」「イケナイ」といった一言を低い声でビシッと伝えることが大切です。