1年間にかかる費用の例
狂犬病ワクチン代
狂犬病のワクチンは1年に1回の接種が義務付けられています。狂犬病ワクチン代金は動物病院や集団接種会によって金額が前後することがありますが、だいたい3,000円前後となります。
それに加え「狂犬病予防注射済票」という小さなプレートの交付手数料が550円かかります。この注射済票は毎年の接種ごとに違うものが交付されます。
混合ワクチン代
狂犬病ワクチン以外のワクチン接種は任意となっていますが、あらゆる感染症を予防するために毎年~数年おきに接種することが望ましいでしょう。
ワクチンには予防できる病気の数によっていくつか種類があり、飼い主さんやわんちゃんのライフスタイルに合わせて何種の混合ワクチンを接種するのかを検討します。
料金は動物病院により異なりますが、
- 2種で3,000~5,000円程度
- 7種以上は7,000~10,000円程度
がだいたいの目安です。
フィラリア予防
「フィラリア症」は蚊が媒介して感染する寄生虫が原因で、犬の心臓や肺動脈に寄生します。放置すると死に至る感染症ですので、冬でも温暖な地域なら1年中毎月1回、少なくとも真冬以外の約8ヵ月間は予防薬を服用することが望ましいです。
8ヶ月間毎月1回の服用で、だいたい6,500円程度です。ただし、その子の体重によってお薬の値段も変わってきますので、大きくなれば高くなります。またこの予防薬の投与には、事前に「フィラリアに感染していないか」の検査をすることが必須です。
すでに感染している状態で投薬をするとショック状態を起こし、最悪の場合は死に至る危険があります。フィラリア事前検査は2,100円程度です。
ノミダニ駆除
お外をお散歩する犬にとって、ノミやダニの予防は大変重要です。ノミやダニ、そして近年問題視されているマダニは血を吸われて痒みを伴うだけでなく、重い貧血症状を起こしたり感染症を運んでしまう恐れがあります。
ノミやダニのアレルギーで皮膚症状が出ることもありますので、愛犬のノミダニ予防は毎月行いたい予防です。1年間のノミダニ駆除薬で12,000円程度です。これもその子の体重によって値段がかわってきますので、大きくなればもっとかかります。
病院の初診料・再診料
動物病院を初めて受診する時には初診料が、それから受診する毎に再診料がかかります。動物病院によっても異なりますが、再診料はだいたい500円程度です。
ごはん・消耗品
今やドッグフードは星の数ほど存在しますので、その品質やお値段もピンキリです。また、特定の病気になると獣医師の処方で療法食を食べなければいけないこともあります。
健康な犬のフードを見てみると、1年間のフード代は4万円程度です。そして、次に必須なペットシーツ(トイレ)は年間で1万円程度かかります。
トリミング代
トリミングが必要な犬種の場合、定期的にトリミングサロンを利用することとなります。1回のフルカット+シャンプーで5,000円程度なので、1ヵ月ごとに利用するとしたら6万円かかります。これも犬種によって料金がかわってきます。
カットは2~3ヵ月に1度で、シャンプーだけ、爪切りだけ、といったメニューならお値段は下がります。
犬の一生にかかる費用
上記の年間費用に加え、ケージやおもちゃなどの再購入やドッグランへのおでかけなどの諸費用がかかることがあります。
わんちゃんの体質によって病院へかかる頻度の違いがありますし、飼い主さんのライフスタイルによっておでかけの頻度も違うでしょう。
そのため、一概に何円かかりますと断言できないことなのですが、目安として「寿命を15年とした犬の生涯費用」を挙げると
- 最低限の通院代約516,000円(治療手術費等含まず)
- 食費約690,000円
- トリミング代約900,000円
- その他483,000円
【計2,589,000円】となります。
大型犬になると、費用は小型犬中型犬の3倍にもなることがあります。トリミングの必要性や頻度、フードの値段、おでかけの頻度などさまざまな要素でもっと低い金額かもしれませんし、もっと高くなるかもしれません。
動物病院はすべて自由診療なので、手術となれば1回30万円という高額な費用がかかることも少なくありません。犬1匹を一生飼うには最低200万円はお金がかかるものだと準備をし、愛犬を迎えた後も備えをしっかり行っておきましょう。
まとめ
なぜお金の話が大切なのかというと、いざという場面で最良の選択をするためです。決して愛犬に贅沢をさせるためだけではなく、何かの選択をするべき場面で「お金がないから選べない」というのはとても辛いものです。
それは愛犬のためだけでなく、飼い主さんが後悔なく愛犬と向き合うためにも重要なことです。命を預かるという責任の1つとして、犬を迎える前にぜひ費用面についても準備しておきたいですね。