犬にとって危険な「床」の特徴
1. フローリング
汚れても拭き取りが簡単で、お掃除がしやすいフローリングは、一軒家・マンションの床材として広く使われています。しかし、ツルツル滑る素材となるため、犬にとっては怪我をする危険性が高いのも事実です。
《よくある怪我の一例》
- 膝蓋骨脱臼
- 骨折
- 椎間板ヘルニア など
膝蓋骨脱臼は、先天的な要因が多いものの、滑る・転ぶ回数の蓄積が原因となる後天的な発症も0ではないのです。膝蓋骨脱臼にはグレードがあり、重症化すると手術が必要となってきます。
2. 畳
日本の伝統文化の象徴であり、和の良さを引き出してくれる畳。畳が敷かれた和室があると、い草の香りでなんとなくホッとしますよね。
但し、畳と犬の相性はイマイチ…。畳は方向によっては滑りやすい特徴があります。勢いよく走った来た時にツルっと滑り関節や靭帯を痛めてしまうことがあります。ほかに、犬の習性には「前足を使って穴を掘ろうとする」行動があり、畳がボロボロにされてしまうことがあるんです。爪が伸びていると、畳に爪が引っかかって転んでしまうことがあります。
3. 大理石
大理石の床は、高級感がありシックなイメージに仕上がるので、ホテルを連想させるような上品な空間づくりに人気です。
大理石はひんやり冷たく、夏の暑い日は、犬も足裏から涼しさを感じられると思います。一方で、デメリットは、表面が固いため膝に負担がかかったり、肉球の間の被毛が伸びた状態だと滑りやすいことです。
犬に優しい快適な家づくり
フローリングマットの設置
フローリングで犬が滑ってしまう状況を回避するには、カーペットやマットを敷くことをおすすめします。部分的に取り外し可能なジョイントマット・タイルマットだと、汚れた部分だけを洗うことができるのでお手入れも楽チンです。
どちらも敷くのに抵抗がある方は、フローリングに滑り止め効果のあるワックスコーティング加工を施す方法もあります。
室内フェンスの設置
キッチンと玄関には、犬が飛び越えることができない高さのフェンスを設置しましょう。この2箇所には、犬にとっての危険が潜んでいます。
- キッチン:包丁や火を扱うので、包丁を落としたり油が跳ねたりすると、怪我火傷をしてしまう恐れがある。
- 玄関:ドアが開いたときに、犬が外に飛び出し、交通事故に繋がる可能性がある。
犬が落ち着けるスペースの確保
天井が低く、人目につきにくい場所は犬が落ち着けるスポットです。リビングにサークルを設置するよりも、キャビネット下や階段下に犬専用のスペースがあると、犬のお気に入りの場所になると思います。
同じくトイレについても、人の行き来が少ない静かな場所を準備してあげると良いでしょう。
肉球ケアと爪切りはこまめに!
犬の肉球は、走るとき・着地するときの衝撃を和らげてくれます。肉球が毛で覆われていると本来の役割を果たせなくなってしまうため、肉球周りの毛はこまめにカットしてあげましょう。
また、爪が伸びている状態だと爪が折れて怪我をすることがありますので、定期的な爪切りが必要です。自宅での爪切りが不安な場合には、動物病院に連れて行くと処置してくれます。料金の相場はおよそ¥500〜800程度です。
まとめ
犬の足腰にかかる負担を最優先に考えるのであれば、クッション性があり、衝撃を吸収できる床材が適しています。膝蓋骨脱臼は手術後に再発することがあり、骨折は骨折箇所や程度によっては治療後に歩行障害が残ることがまれにあります。
遺伝性の病気は防ぎきれない部分もありますが、後天性の怪我は、飼い主さんの努力で防げるかもしれません。犬が安心して暮らせる環境づくりを目指しましょう!