犬は飼い主と再会すると体全体を使って喜びを表現する
ネット上には、長期間会うことができなかった飼い主と犬が再会したときの様子を動画に撮影し、投稿されているものが数多くあります。このような動画を観ると、決まって犬はわかりやすく、体全体を使って喜びを表現していますよね。
やはり、大好きな飼い主と長い間、会うことができなかった犬は、それだけ寂しさを抱えているでしょうから、泣いて跳び上がるほど喜んでくれるのもわかります。
しかし、私たちの日常風景を思い出してください。ちょっと買い物に行き、数時間後に帰宅した際、「どこ行っていたの~!?」と、大げさにも感じるほど喜んで出迎えてくれる犬は多いです。たった1~2時間でも嬉しそうに再会を喜んでくれるのです。
飼い主からしてみると、「たった1~2時間なのに?」と思ってしまう時間ですが、想像以上に再会を喜んでくれる犬たち。そんな犬たちの姿を見ると、こちらも嬉しくなってしまったり、より愛おしく感じたりします。
しかし、なぜ犬は飼い主との再会をこれほどまでに喜んでくれるのでしょうか。長期間であれば理解できますが、たった数時間であっても、まるで長い間会えていなかったように喜んでくれる理由は何なのでしょうか。
犬が飼い主との再会をいつでも喜んでくれる理由
少し買い物に行き、数時間後に帰宅すると、まるで長期間会っていなかったような再会の仕方をしてくる犬たち。なぜ、犬はこれほどまでに飼い主との再会をいつでも喜んでくれるのでしょうか。そこには、さまざまな理由があります。
1.寂しい
単純に、甘えんぼうな犬の場合は、少しの留守番であっても寂しいと感じています。そのため、飼い主が帰ってくる度に、「待ってたよ!」「ようやく帰ってきてくれた!」と、大げさに喜んでくれるのです。
最近の研究によると、犬は人間の3倍の時間感覚を持っているのではという説が濃厚になっています。つまり、人間にとって1日は24時間ですが、犬にとって人間の1日は7時間で過ぎてしまうのです。
この考え方をもとにしてみると、飼い主が「たった3~4時間、買い物に行っただけなのに」と思っていても、その3~4時間で、犬にとっては半日ほど留守番をさせられている感覚であることがわかります。
飼い主が仕事で外出している時は、犬にとって1日以上、1匹で過ごしている感覚と言っても過言ではありません。そのため、飼い主にとっては少しの時間であっても、犬にとっては長時間に感じているのです。
2.「もう帰ってこないのでは…」という不安
家にやってきたばかりの犬であったり、飼い主と正しい信頼関係を築けていない犬の場合、飼い主が外出する度に、「もう帰ってこないのでは…」と永遠の別れを覚悟している犬もいます。
家にやってきたばかりの犬の場合は、まだその家の環境に慣れていないことや、飼い主の人柄を理解していないこともあり、「本当に帰ってくるのか」という確信が持てていないのです。この場合は、時間をかけて信頼関係を築いている途中なので、時間が解決してくれることが多いでしょう。
しかし、何年も一緒に住んでいるにもかかわらず、近所のスーパーに買い物に行くだけで大騒ぎをし、帰ってくると飼い主から離れない…という場合は、正しい信頼関係が築けていないことで、分離不安に陥っている恐れもあります。
飼い主のことが大好きという心理状態が、イコールで信頼に繋がるわけではありません。飼い主が大好きだからこそ、共依存関係に陥ってしまうことは多いです。
愛犬に「飼い主は絶対に帰ってくる」と安心感を持たせるためにも、正しい信頼関係の構築が急務と言えます。
3.恐怖を感じる出来事があった
毎回ではなく、時々飼い主が驚くほど帰宅を喜んでくれる場合は、飼い主がいない間に、何らかのトラブルや不安になるような出来事があった可能性が考えられます。
犬が恐怖を感じる出来事は、さまざまです。雷がどこかで落ちる音や家の近所で工事をしている音が不安を煽っていることもあります。臆病な子や警戒心が強い子であれば、誰かが留守の間にチャイムを鳴らしただけで恐怖を感じることも。
飼い主にとってはなんてことないことであっても、犬にとっては不安を煽るような出来事に感じている事は多くあります。このような出来事があったために、いつも以上に再会を喜んでくれるということは、珍しくありません。
再会を喜ぶのは飼い主が大好きだから!
いかがでしたでしょうか。今回は大きく3つの理由を紹介しましたが、どの理由にせよ、犬が飼い主が大好きだからこそ起こしている行動です。今後は、より愛犬が留守番中に安心して過ごせるよう、工夫してみましょう。