犬が「人」を舐める理由と対処法と注意点
犬が人の顔や手や足を舐める理由
犬が人の顔や手や足を舐める理由は、「愛情表現」であったり、「感情表現」であるとされています。生まれたとき、母犬は子犬の顔や身体を舐めることでお世話をし、愛情を与え、コミュニケーションをとります。
これは、成犬になってからも同じで、人間と暮らすようになってからも行われる行為です。飼い主さんや家族に愛情や感情を表現するため、コミュニケーションをとるため、顔や手や足を舐めることがあります。お散歩やごはんやおやつをお願いするときの「伝える」という手段であることもあります。
飼い主さんが怒っているとき、悲しんでいるとき、“そんなに怒らないで”や“あまり悲しまないで”と、相手をなだめるための手段であることもあります。
あまりにもしつこく舐めるときの対処法
舐めるという行為には、人にも犬にも“細菌に感染する”というリスクが伴います。たとえば、自身でも気づかないほどの小さなかすり傷が手の甲にあり、愛犬がいつものように手を舐めていたところ、犬の口の中にいる細菌に感染した飼い主さんが亡くなった、という事例があります。
あまりにもしつこく舐めるときは、「おしまい」と声をかけ、やめさせるようにしましょう。愛情表現であるときは、「ありがとう♡」と声をかけることで、おしまいの合図だと理解してもらいましょう。
注意点(可能性の高い感染症)
犬の口の中には、“パスツレラ菌”という常在菌が存在します。ほとんどの犬の口の中に存在し、おそらくあなたの愛犬の口の中にもいるでしょう。
犬に舐められたかたといって必ず感染するわけではありませんが、皮膚に傷があるとき、免疫力が低下しているときなどは、十分な注意が必要です。パスツレラ菌に感染することを“パスツレラ病”と呼んでいます。
犬が「物」を舐める理由と対処法と注意点
犬が物を舐める理由
自宅の室内の床を舐めるのは、何か飲食物のカスが落ちているからかもしれません。また、飼い主さんの汗や皮脂のニオイを嗅ぎ取り、床を舐めることがあります。
飼い主さんや家族が使用している物を舐めるのも同じ理由です。愛犬が使用している自身のベッドやブランケットなどであれば、子犬の頃の記憶によるものであるかもしれません。母犬のミルクを飲んでいたときの安心感が理由です。
舐めるのをやめさせたいときの対処法
舐めてはいけない物を舐めている場合には、「ダメ!」「やめなさい!」と叱っても構いません。ただし、「叱る」であって、怒鳴ったり、叩いたり、感情的に怒ってはいけません。舐めてはいけない物を床に置きっぱなしにしない、犬の手の届く範囲に置かない、ということも必要です。
注意点
除菌スプレーや消臭スプレー、芳香剤や化粧品、犬の体内に入ると中毒症状を引き起こすものがありますね。床に置きっぱなしにしていませんか?ソファーやテーブルの下に転がっていませんか?犬の手の届く場所に置かれていませんか?
舐めてしまうと中毒症状を引き起こし、嘔吐や下痢や痙攣、失神するなどの症状を起こす可能性があります。舐めてはいけない物は、引き出しの中に入れておく、犬が立ち入れない部屋に置いておくなどしましょう。
まとめ
犬にとって「舐める」という行為は自然な行為です。愛情表現であったり、感情表現であったり、人の汗や皮脂に反応して舐めることがあります。好きなニオイがするから、という理由であることもありますし、退屈だから何となく舐めていただけ、なんて理由であることもあります。
しかし、身体的または心身的な病気を抱えている可能性も考えることができます。お散歩や運動に連れて行っていない、スキンシップやコミュニケーションがとれていないなど、ストレスが原因で舐めていませんか?皮膚に痒みや痛みや異常があり、執拗に舐めていませんか?
やめさせる方法を考える前に、叱る前に、“舐めている理由や原因”をよく考えてみましょう。
- 人の顔や手や足を舐めるときは、「おしまい」と声をかける
- 愛情表現であるときは、「ありがとう♡」をおしまいの合図にする
- 舐めてはいけない物を舐めるときは、適切に叱る
ぜひこの3つの対処法をお試しください。