飼い主がストレスを感じていると、犬もストレスを感じるって本当?
犬は飼い主が感じるストレスを共有することを証明した科学的根拠
人間がストレスに長時間さらされると、「コルチゾール」というホルモンが分泌され、毛髪などに蓄積します。2019年6月に発表されたスウェーデンのリンショーピング大学の研究によると、約60頭の犬と飼い主のペアのストレスについて調査を行いました。
飼い主さんに自分の性格などを分析してもらい、飼い主さんの毛髪、その愛犬と体毛の中に残っている「コルチゾール」の痕跡を調べました。すると、飼い主さんが感じているストレスが増減した痕跡と、愛犬の体毛の中に残っていた「コルチゾール」の痕跡が一致する、という結果が得られました。
つまり、飼い主さんがストレスを感じて辛い思いをしている時期に、愛犬も同じようにストレスを感じていた、という科学的根拠が証明出来たと言えます。
飼い主がストレスを感じていると犬もストレスを感じる
飼い主さんがストレスに晒されていることを、愛犬は飼い主さんの表情から読み取れます。また、表情だけでなく、行動や声の強弱、飼い主さんから分泌される汗のニオイなどから感じ取ることが出来るという説もあります。
飼い主さんとのコミュニケーションで愛犬のストレスは軽減される
ところが、上記のスウェーデンの大学での実験では、思いがけない結果も出ました。それは、神経質で落ち込みやすい性格の人の愛犬はストレスが溜まりにくい、ということもわかったのです。
この結果については、「落ち込んでいる飼い主さんほど、愛犬を撫でたり、抱きしめたりする傾向がある。そのため、飼い主さんがストレスを感じていても、飼い主さんに触れ合うことで愛犬は幸せを感じ、愛犬のストレスが軽減されるのでないか?」と結論づけられています。
飼い主さんのストレスの要因4つ
「人のストレス」とは?
そもそも、私たちが感じている「ストレス」とはどういった状態のことを指すのでしょうか?厚生省がメンタルヘルスについて紹介しているサイトでは、「ストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のこと」と明記されています。そして、具体的には私たち人間にストレスを与える「外部から受ける刺激」には4つの要因があります。
環境的要因
天候や騒音など、住環境における刺激です。例えば、天候なら雷や猛暑、低気温などがストレスになりやすく、また、騒音、悪臭などもストレスになります。
身体的要因
病気やケガの痛みから来る寝不足がストレスに感じます。
心理的要因
不安やすぐには解決しえない悩みなどを抱えていると、その不安や悩みが消えるまでずっとストレスを抱え込んでしまいます。
社会的要因
人間関係がうまくいかない、仕事がはかどらない…など、人間の社会生活の中で感じるストレスのことを言います。
愛犬がストレスを感じている時に見せる行動4つ
- 過剰に甘える
- しきりに体の一部を舐めつづける
- 食欲が落ちる
- おもちゃ、靴、ソファなどを破壊する
まとめ
愛犬達は、私たちをただ一途に愛してくれているからこそ、愛犬は私たちのストレスを感じ取り、同じ苦しさを共有してくれているのです。そして、私たちの心を重荷から解き放って、少しでも笑顔と明るい声を取り戻して欲しいと願い、側に寄り添ってくれること、それがはっきりと科学的にも証明されました。その深い愛情に、私たち飼い主も決して裏切ることのない愛情を以て、応えるべきだと思います。