「名を持つ」ということは「存在する」ということ
人や犬だけではなく、どんなモノにも名前がありますね。例えば、この記事を書いている今は“梅雨”と呼ばれる季節です。もし、梅雨という名前を持たなければ、ただの雨の多い時期という表現をしていたかもしれません。
雨にもいろんな名前がありますね。“霧雨・小雨・大雨・どしゃ降り・豪雨・ゲリラ豪雨”など、名前の違いによって、その雨の状況を表現し、伝えることができます。例えば、何となく形が面白いなと思い、道端で拾ったただの石にも名前をつけてあげることで、その人にとっては特別な石になります。
人や犬に名前をつけることも同じように、誰かの特別な相手として存在する、ということなのではないでしょうか。「犬」という言葉も、その生き物に対する名前であって、さらに個体それぞれの存在を明確にするのが「もも」や「はな」や「ここ」などの名前ですよね。
犬は「名前」を理解しているのか
名前を呼ぶと反応します。多頭飼いをしていると、その名前をつけられている犬だけが反応し、他の犬は反応しない、ということがあれば、“自分の名前を理解しているんだな”と判断すると思います。
名前を呼ばれると起こること
例えば、名前を呼ばれることを嬉しいと感じる犬と、名前を呼ばれることを恐怖に感じる犬がいます。どのような違いがあるか、想像することができますか?
「○○ちゃん、お利口さんね。」
「○○ちゃん、ごはんにしましょう。」
「○○ちゃん、おやつほしい?」
など、名前に関連して良いことが起こると、○○という言葉を良いものとして捉え、○○という言葉を聞くだけで、これから何か嬉しいことが起こるのではないかと期待します。
その一方で、「○○ちゃん!うるさい!」と怒鳴られたり、「○○ちゃん!」と怒鳴りながら叩かれたりなど、名前に関連して嫌なことが起こると、○○という言葉を聞くだけで、これから何か恐ろしいことが起こるのではないかと恐怖に怯えます。
犬に「名前」という概念はない
つまり、犬には名前という概念はなく、ひとつの音として捉えています。同じ音であっても、飼い主さんの声のトーンや表情や仕草などによって、状況の違いを把握することができます。「○○」という音を発する飼い主さんの声のトーンが優しくて、笑顔で楽しそうな様子であれば、犬の表情も明るく、喜んで指示に従います。
「○○」という音を発する飼い主さんの声が大声(怒鳴り声)で、表情は強張り、大きな物音を立てたり、叩いたりするなどして痛みを与えられるのであれば、指示には従いません。目を合わそうともしません。名前だけではなく、いろんな情報を集めたうえで、状況を判断しているんです。
犬の名前「ポチ」の起源
ずーっと昔から存在する犬の名前といえば「ポチ」なのではないでしょうか。ポチという言葉を聞くだけで、犬を想像することができます。猫の「タマ」、女性の「花子」、男性の「太郎」も同じですよね。犬にポチという名前をつけるようになったのは、明治38年の頃だったのではないかとされています。
明治43年に発行された朝日新聞には、犬の名前ランキングというものが掲載されたようです。1位はポチ、2位はジョン、3位はマル、4位はクロ、5位はアカ。ポチという名前は大人気だったようですね。
日本人が犬に名前をつけるときの傾向
昔は、犬の毛色によって名前をつけていた、とされています。毛色が黒い犬はクロ、白い犬はシロが定番でした。現代の日本人が犬に名前をつけるときにも毛色を名前の一部に取り入れることがありますよね。ご近所の犬は、毛色が茶なのですが、栗助(栗色のようだから)という名前です。口元の毛色が黒い犬には、チョビ(ちょび髭のようだから)という名前の犬もいます。
まとめ
犬に名前をつける必要があるのか。犬に名前をつけることにはどんな意味があるのか。
- 「名を持つ」ということは「存在する」ということ
- 犬は「名前」を理解しているのか
- 犬の名前「ポチ」の起源
この3つをテーマに展開してみました。みなさんは、どのように考えますか?