1.何かに集中している
犬は野生的な警戒心やハンティング欲の強さによって、何かに集中すると周りが見えにくくなります。何か気になるものを見つけたり音を聴こうと集中したりしていると、飼い主さんをスルーしてしまうことがあります。そういったときに声をかけても「今ちょっと忙しいので」というような塩対応をされてしまうことがありますが、わんちゃんの興味がそれて落ち着くまで、しばらく待ってあげましょう。
2.イヤな予感がした
犬は人間とともに生きてきた動物ですが、動物ですので野性味を強く残しています。身の危険に対する防衛本能が強いため「イヤなこと」に対して絶対的な拒否の態度を示します。犬が飼い主さんをスルーして通り過ぎたり、愛犬の名前を呼んでもそそくさと逃げるように通り過ぎたりしてしまう場合、愛犬には「今は飼い主さんに関わりたくない」という意識があることが考えられます。例えば、
- 爪切りをされるのではないか
- ハミガキをされるのではないか
- 叱られるのではないか
- しつこく構われるのではないか
など、今飼い主さんに関わると嫌なことが起こる予感がして、飼い主さんをスルーしていることが考えられます。
「今はそっとしておいて…」と思っているのかも
犬は飼い主さんにめいっぱいの愛情を持っていますが、犬にも「ひとりになりたいとき」があります。特にもともとの性格がクールな子の場合、飼い主さんであっても気が乗らないときには塩対応することも珍しくありません。ひとりでゆっくりくつろぎたいという愛犬の雰囲気を察してあげるようにしましょう。
3.強い恐怖や不安を感じている
１の「何かに集中している」と似ているのですが、強い恐怖や不安を感じているときの犬は周りが見えなくなりがちです。それは、いつどこから攻撃されるか分からないという不安や恐怖から全力で対象に集中して身構えているためです。
特に音に対して敏感な子が多いので、外から人の声や大きな音、人間には聞こえない音、チャイムの音などが聞こえたときに強い不安や恐怖を感じ、緊張状態になっているため、飼い主さんを素通りしてしまうこともあると考えられます。
飼い主さんやご家族が恐怖の対象である可能性も…
恐怖の対象が飼い主さんやご家族である場合にも、愛犬がそそくさと素通りしてしまうことがあります。犬にとって「リーダー」とは信頼できる人のことで、けして「恐い人」ではありません。
犬は防衛本能が強いので、身の危険を感じるような苦手な相手には、自ら積極的に関わろうとしません。あまりにも毎回逃げるように通り過ぎる場合には、愛犬に恐がられていないか、愛犬とのコミュニケーションが適切かどうかを見直してみましょう。
まとめ
今回は「愛犬が飼い主さんをスルーして素通りするときの気持ち」を３つ解説いたしました。犬は何かに集中すると他のことを考えられなくなりがちです。
たとえ飼い主さんであっても、興味や恐怖の対象に集中するあまりにスルーしてしまうこともあります。また、愛犬が「今関わると嫌なことをされるのではないか」「今はひとりでいたい」と思っているときにも、犬は飼い主さんやご家族をスルーして通り過ぎることがあります。
そして、犬は苦手な相手のこともスルーしがちなので、毎回逃げるように素通りされるという場合には愛犬に苦手意識を持たれているという恐れもあります。その場合は愛犬との接し方が適切かどうか、愛犬と信頼関係を築けているのかを見直してみると良いでしょう。
