散歩中、急に歩かなくなるのはなぜ?
1. 警戒している
犬は嗅覚に優れているため、散歩中も様々な匂いを感じています。例えば、草花の匂いや前方から歩いてくる人の匂い、近くにいる犬の匂いなど。普段一緒にいる飼い主の匂いには慣れていますが、「なんだかいつもと違う匂いがする…?」と察すると、原因が分かるまで歩こうとしません。原因を探ろうと立ち止まり、周辺を警戒します。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬の嗅覚が優れているのは有名な話ですが、聴覚も非常に優れているのはご存知ですか?スタンレー・コレン博士によると、犬の聴覚は人よりも数百倍敏感である、と発表しています。
私たちの聞こえない領域の音や、草木が擦れる小さな音さえも聞こえているかも。犬達は嗅覚の他にも聴覚に対しても警戒しているかもしれませんね。
2. 恐怖を感じている
「長期記憶」という言葉をご存知でしょうか。犬は「意味+感情」を伴うことで、印象に残る出来事を長い間記憶しておくことができます。それが「長期記憶」です。
良い出来事も覚えておくことはできるのですが、反対に嫌な出来事も、「怖い経験をした」「他の犬に吠えられた」「痛い思いをした」という感情が強く印象に残った場合、頭の中に記憶されてしまうことがあるのです。過去その場所で起きたことがきっかけで、しばらくの間恐怖心が植え付けられてしまうことも…!
監修ドッグトレーナーによる補足
恐怖の記憶というのは記憶に根強く残ります。ここで問題になるのは、人が犬の恐怖した体験を忘れてしまう可能性があるということです。
今現在が安全でも、過去の恐怖が影響していると散歩中に立ち止まってしまうんだなと覚えておきましょう。
3. 行きたい方向が違う
我が家でよく起こるのはこのパターンです。飼い主が進もうとする道と別の方向に進みたいとき、リードを引いても犬たちは足を踏ん張って抵抗の意思を見せてきます。
筆者は2匹の愛犬を同時に散歩させているのですが、T字路の分かれ道では2匹ともそれぞれ別の方向に進もうとしてきます。1匹だと方向転換しやすいですが、2匹両方の要望に応えるのはなかなか大変です。
4. 疲れている
毎日犬の散歩を日課にしている場合、散歩コースや時間にある程度規則性がある、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかしながら、散歩コースや時間が変わらなくても、犬の体調が良くなかったり、「暑い」「寒い」といった気温の変化があったりすると、疲れが出やすくなります。人間と同じです。
天候の変化が激しい日や風が強い日に途中から歩かなくなったら「疲労」を疑い、無理に歩かせないようにしましょう。
5. 怪我をしてしまった
人間は靴を履いているので、道端に落ちているものはあまり気にしていないかもしれません。犬は靴を履かない代わりに、肉球がクッションのようになり、外傷から守ってくれる役割を担っています。
そうは言っても、空き瓶の欠片や尖った石、釘などを踏むと、足裏を怪我してしまうことがあります。草木が生い茂る場所だと、危険物が見つけにくく落ちていることにも気付きにくいため、注意が必要です。
犬が動かなくなったときの対処法
抱っこする
立ち止まって様子を見ても一向に歩かないようであれば、犬を抱き上げ、抱っこした状態で少し歩いてみましょう。怪我や体調不良でなければ、時間を開けたり、飼い主の肌に触れて安心した気持ちになることで、再び歩き出すかもしれません。
監修ドッグトレーナーによる補足
抱き癖がつくのではと心配される方もいるかもしれません。抱っこはしたくない!というならば別の手段をとってみましょう。しかし抱っこくらいなら大丈夫、というならば問題はありません。
外での抱き癖は意外とつきにくい傾向があります。抱き癖の心配よりも愛犬を安心させてあげる方が良いケースは多いですよ。
散歩コースを変えてみる
環境や過去のトラウマが原因の場合、散歩コースを変えてみるのも手です。散歩コースの変更は犬の脳に刺激を与え、老化予防にもなります。それでも改善されないようであれば、散歩に行く時間を変えてみるのも良いと思います。
まとめ
皆さんの愛犬に当てはまる内容はありましたでしょうか。これから暖かい季節に突入すると、気温が上がり外には蚊も飛び始めます。散歩に行かれる際は、フィラリア予防も忘れずに行って下さい。