①優れた聴覚や嗅覚で察知
犬が飼い主の帰宅を予知することができる理由として考えられているのが、犬の持つ優れた能力です。特に犬はにおいをかぎ分ける嗅覚や音を聞き分ける聴覚が優れていると考えられているため、それらの能力によって飼い主の帰宅を予知しているのでは?と考えられています。
犬はにおいをかぐことでさまざまな情報を得ることがわかっており、犬同士がお尻のにおいをかぎ合ったり地面のにおいをかいだりする行動はコミュニケーションや情報収集のためだとされています。
そのため、遠くから近づいてきた飼い主のにおいをかぎ取り、帰宅を予知できるのではないかとも考えられているのです。
イギリスの実験
イギリスでは内務省の依頼を受けて、犬の中でも特に優れた嗅覚を持つブラッドハウンドを用いて嗅覚に関する実験を行いました。
そこでは、犬が風下にいる条件で約800メートル先のにおいをかぎ分けたという結果が出ていますが、閉ざされた部屋の中であれば条件は厳しくなりますし、数キロ離れた場所から帰宅しようとしている飼い主の行動を予知した犬もいることを考えると嗅覚だけでは予知の説明がつかないこともあります。
優れた聴覚も関係している?
また、犬は聴覚にも優れており、特にさまざまな音を聞き分ける能力や多方向の音を聞き取る能力に長けています。ただし、これについても嗅覚と同様、飼い主との距離や帰宅を待つ場所の条件などに大きく左右されるもので確実な予知の根拠とは考えられていません。
ただし、自宅から程近い場所に近づいた飼い主の足音や車の音、持っているキーホルダーの音などによって飼い主の帰宅を確信するということは多くの実験で確認されています。
②習慣化された感覚や記憶で判断
犬の嗅覚や聴覚だけでは説明ができないような帰宅予知については、日々の生活パターンや感覚によって予測をしているのではないかと考えられることもあります。
特に仕事や学校など、毎日ほぼ同じ時間に家を出て同じ時間に帰宅するという場合には、犬なりの時間感覚や外の明るさなどから「そろそろかな…」と大まかに判断している可能性が考えられます。
ただし、毎日バラバラのスケジュールであっても帰宅を予知する犬がいるため、習慣や感覚、記憶だけで予知できるとは言い切れないのです。
③同居人の行動や感情の影響
家族で暮らしている場合など、外出している人以外の同居人が在宅している場合もあるでしょう。その場合、家にいる家族が外からの帰宅時間を把握していて、それに合わせて食事やお風呂の準備をすることなどもあると思います。
犬はそうした家族の行動を観察し、そこから帰宅予知をするということも考えられています。しかし、この場合は予知というよりも、在宅している家族の観察と実体験による予測と言えるでしょう。
まとめ
帰宅した途端、玄関で「おかえりー!!」と愛犬が出迎えてくれると疲れも飛んでとても幸せな気持ちになりますよね。でもふと、なかなか開かない扉の前で一体いつから待っていたんだろう?と考えることも。
世界中で行われている実験では、電車で1時間程離れた場所からの帰宅を予知したり、数キロ離れた場所からの帰宅を予知するなどといった事例も見られます。
嗅覚や聴覚、記憶力ではなく、私たち人間が知ることのできない能力で犬は飼い主の帰宅を予知しているのかもしれません。それを”テレパシー”として考えている人もいますが、現段階ではすべて仮説の域を過ぎません。
とても興味深い犬の予知能力については、今後も注目していきたいものですが、どのような理由であったとしても、飼い主の帰宅を予知し大喜びで出迎えてくれることは飼い主冥利に尽きる幸せな瞬間ですよね。
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40代 女性 匿名