犬を不安にさせる原因になりやすいこと
1.長時間のお留守番
“何時間までならお留守番をさせても良いのか”ということがよく議論されますね。お留守番することは、得意な犬もいれば、苦手な犬もいます。ですから、“何時間までならOK!”という時間を明確にすることは難しいです。
飼い主さんがスーパーへ買い物に行く1時間だって、不安になってしまう犬もいますし、十数時間でも平気でお留守番することができる犬もいます。愛犬がお留守番に対してどのような反応をするか、長時間のお留守番が不安やストレスの原因になっていないか、判断しなければなりません。
もし、長時間のお留守番をさせる機会が多く、帰宅したとき、粗相をしてしまっていたり、イタズラをしてしまっていることが多い場合、“不安が原因である”と考え、改善する必要があるかもしれません。
2.預けられることが多い
飼い主さんの仕事などの事情で、動物病院やペットホテルや他人に預けられることが多い犬には、分離不安症を抱える犬が多い傾向にあるとされています。
なぜ見知らぬ場所に置かれるのか、なぜ飼い主さんと離れなければならないのか、なぜ他人と一緒に過ごさなければならないのか、犬には理解することができません。
そのため、不安になってしまうのです。預けられる機会が多いことが原因で分離不安症になってしまうと、飼い主さんが外出しようとするだけで、吠えたり鳴き続けたり、パニックを起こしてしまう犬もいます。
3.突然、生活環境が変わった
引っ越しをしたとき、飼い主さんが出産したときなど、突然やってきた生活環境の変化によって、不安を抱えてしまうことがあります。引っ越しでは、新しい家に慣れること、新しいお散歩コースに慣れること、見知らぬ音やニオイに慣れることなど、たくさんの刺激が待っています。
犬によっては、良い刺激になることもありますが、怖がりな犬にとっては、不安や恐怖やストレスの原因になりやすいです。
飼い主さんが出産したとき、赤ちゃんが何であるかを上手く認識することができないことがあります。犬にとって、得体の知れない動く物体であり、大きな声を発する恐ろしい生き物であるかもしれません。
4.加齢によって機能が低下した
加齢によって、視覚・嗅覚・聴覚が衰えると、犬は不安になりやすいです。飼い主さんの存在を上手く確認することができず、不安で鳴き続けることがあります。
とくに、お留守番をしている間、吠え続けたり、鳴き続けたりすることが多く、飼い主さんが知らないまま、ご近所迷惑になってしまっているケースが多くあります。
飼い主さんが帰宅すると、吠えることや鳴くことをやめるからです。不安によって大きな声をあげるようになってしまった愛犬に対して、“虐待されているのでは…?”と、誤解されてしまうことを心配する飼い主さんもいます。不安な気持ちを解消するため、自分の手足やしっぽを噛むなどし、自傷してしまう犬もいます。
不安を抱えやすい愛犬のために今できることは何か
ひとりきりで過ごすことの練習をさせる
5分や10分の短時間のお留守番を繰り返し行ってみましょう。帰宅し、愛犬がお喜びで飛びついてきても、かるくあしらってください。“褒めないこと”がポイントです。お留守番をすることは特別なことではない、ということを理解してもらうためです。
お家の中でも離れて過ごす時間を作る
不安を抱える犬は、飼い主さんの側を離れず、ベッタリであることがあります。常に寄り添い、膝の上でくつろいだり、身体をくっつけているなどです。トイレにもお風呂にもついてくるという犬もいます。
同じ部屋で過ごすときでも、愛犬のベッドで過ごさせる、ケージの中で過ごさせるなどし、離れる時間を作ってみましょう。トイレに行くとき、お風呂に入るときは、ついて来させないようにしてみましょう。
まとめ
犬が不安になる原因には、
- 長時間のお留守番
- 預けられることが多い
- 突然、生活環境が変わった
- 加齢によって機能が低下した
などがあり、分離不安症という病気を発症する原因になってしまうこともあります。
- ひとりきりで過ごすことの練習をさせる
- お家の中でも離れて過ごす時間を作る
などし、お互いが安心して生活することができる関係性を築くことも大切です。