犬の記憶力はどのくらい?
犬と人の脳の違い
犬の脳の構造は、人間の脳の構造に非常によく似ています。そして、人間も犬も「記憶」を司っているのは脳の中でも「大脳」と言われている部位です。
ただし、人間と犬の機能として大きく違うのは、大脳の中でも人間は理性を司る前頭葉が発達していて、犬は嗅覚などを司る嗅脳(きゅうのう)が発達していることです。
犬の記憶力はどのくらい?
人間と犬の脳の構造は非常によく似ていて、脳の中に記憶が情報として残るメカニズムもほぼ同じと考えられています。とすれば、人間には記憶力に個体差があるように、犬にも個体差があるはずです。
また、最近の研究によって人間の手によってさまざまな形に品種改良された犬は、犬種によって脳の大きさに大きな違いがあります。
もちろん、脳の大きさが違っても、脳の機能に優劣はありませんし、また、脳の大きさがそのまま記憶力や知能の差に反映されているワケではありません。ですが、詳細な実験がなされていないので、明確な答えは不明です。
ただ、犬は人間とは違うメカニズムで記憶を保持しているのはないかと考えられています。その点から、犬の記憶力について考えてみましょう。
犬の「記憶力」に関する特徴
犬の「記憶力」に関する特徴は、人間よりもはるかに優れた嗅覚と聴覚を持っていて、その優れた感覚と豊かな感受性を結び付けて記憶することです。
例えば、大好きな飼主さんのにおいや声を聞くと、「ご褒美をもらった」「遊んでくれた」という感受性が働き、脳の中から「オキシトシン」と呼ばれる、精神を安定させるホルモンが分泌されます。その影響で幸せな気持ちになり、その記憶が脳の中に残ります。
犬は過去のことを覚えているの?
短期記憶と長期記憶
「記憶」というシステムには、「短期記憶」と「長期記憶」という二つの貯蔵システムがあります。この「記憶」の貯蔵システムは犬の脳にも人間の脳にも共通しています。
「短期記憶」は、時間の経過とともに忘れていきます。それに対して、「長期記憶」は「短期記憶」よりも情報量が多く、一度「長期記憶」に貯蔵されると忘れることはありません。
そして、「短期記憶」は繰り返し同じ経験をすることによって、「長期記憶」の貯蔵庫へと移動します。犬に対して、さまざまnトレーニングを施す際には、この「短期記憶」として残る経験を何度も繰り返し、「長期記憶」へと記憶を貯蔵するシステムを利用していることになります。
「犬が過去のことをよく覚えている」というのは、「記憶」を貯蔵する「長期記憶の貯蔵庫」がしっかりと機能しているからです。
犬は、過去のことを覚えている!
結論から言うと、犬は過去のことをしっかり覚えることが出来る記憶力を持っています。人間と違うのは、その記憶が特に「嗅覚」に大きな影響を受けている可能性が高い、ということです。
人間も犬も、楽しかったこと、嬉しかったことが記憶に刻まれるのは当然です。ただし、人間の場合は「目に焼き付いている」「まぶたに浮かぶ」と言った表現がしばしば使われるように、視覚から得た情報がその時に感じた感情と結びついて記憶となって残ります。
それに対して犬の場合、視覚による記憶よりも、嗅覚や聴覚によって得られた情報と実際に経験した感情が結びついて記憶に残ると考えられています。
まとめ
犬と人間は、言葉で意思を交わし合うことは出来ません。けれども、脳の構造が似ている、脳が司る感情、記憶力などのメカニズムがほぼ同じということは、感情の動きもほぼ同じと言えそうです。
ただし、私たち以上に喜びや悲しみ、寂しさに対する感受性ははるかに強く、そのために記憶も深く刻み込まれているように思います。
犬が、私たち人間が驚くほど過去のことを覚えているのは、人間と同じ仕組みの脳を持っていながら、人間よりもずっと純粋で、無でさらに感受性豊かな心を持っているからではないでしょうか。