犬の老後のための習慣①何でも食べられるようにする
健康に長生きするために大切なことは、食事と運動です。特にしっかり食事が取れるということは健康維持のために欠かすことのできない要素だと考えられています。
しかし、年齢を重ねると消化器官が弱ってきたり、歯にトラブルが起きたりして若いときと同じ食事は摂れなくなってしまうことがあります。寝たきりになると流動食を人の手で口に運んであげる必要が出てきたり、薬を飲ませたりすることも増えてくるでしょう。
老犬に適した食事や薬を無理なく取らせることができるように、さまざまなタイプの食事に慣らしておくといいでしょう。
日頃ドライフードをメインに食べている犬の場合は、ウェットフードや手作りの食材を食べれるようにしておいたり、手作り食を食べている犬でも処方食になる可能性なども考えてドッグフードも食べられるようにしておくといいでしょう。
また、手から直接食べさせたり、スプーンやスポイトなどを使って食事を取らせることも考え、口元を触ったり口にスプーンなどが触れることに慣らしておくとより良いと思います。
犬の老後のための習慣②洋服に慣れさせておく
中型犬~大型犬の場合、洋服を着せる習慣がないということも少なくありません。若いうちは洋服を着せる必要がなく、着れなくても特に問題はないと思います。
しかし、老後には寝たきりになってオムツをつける必要が出てきたり、床ずれで傷ついた皮膚をカバーするために包帯をつけたり洋服を着せたりしなければならない状況になることも。また、老犬は体温調整機能が弱まるため、冬は室内でも洋服を着せて防寒してあげた方がいい場合もあります。
元々洋服を着ることが苦手な犬に、必要だからと言って老犬になってから無理やり洋服を着せたりオムツを着けたりするとストレスになってしまうことがあります。自由に動き回れずストレスが溜まりやすい状況にある老犬に対して、ストレスをかけることはできるだけ少なくしてあげたいものです。
できるだけ小さな子犬の頃から洋服を着せるなど、何かを身につけることにもしっかりと慣らしておいてあげましょう。洋服や包帯、オムツに慣れていると、怪我をしたときのエリザベスカラーや雨の日のカッパなども抵抗なく受け入れることができるので、ぜひ練習しておきたい項目です。
犬の老後のための習慣③ハンドサインを教える
「おすわり」「おいで」などのしつけや、ご飯のときの「待て」「いいよ」などのしつけを言葉で教えている飼い主さんも多いと思います。
しかし、犬は年を取ると感覚機能が低下していき、特に耳の聞こえから衰えていく傾向にあると言われています。特別な病気がない限り、聴力よりも視力の方がより残ると考えられているため、聞こえなくなってきた場合を想定して目で見てわかる指示も教えておいてあげるといいでしょう。
座らせたいときは手を上げ、伏せをして欲しいときは手を下げる、おいでの合図は両手を広げるなどのハンドサイン(ハンドシグナル)やボディランゲージでの指示は聴力が衰えた老犬にとってもとてもわかりやすく効果的です。
また、頭をなでたり背中をポンポンと2回叩くなどほめ言葉の代わりになる合図も教えておいてあげるとコミュニケーションが取りやすいと思います。ハンドサインを教えるには、言葉の指示の直後にハンドサインを示し、犬が正しく行動できたらほめるということをくり返すといいでしょう。
そうすることで言葉・ハンドサイン・行動が結びつき、覚えることができるのです。元々言葉の指示をしっかり理解している犬であれば、すぐに覚えることができると思うのでぜひ教えてあげてくださいね。
まとめ
今は元気いっぱいの愛犬もいつかは年を取り、心身共にさまざまな変化が起きてくるでしょう。そして老後と言われる期間はどんどん伸びてきており、その間に必要なケアもたくさん出てきます。
若く健康なうちは問題にならないことでも、年老いた犬には負担・ストレスになることやできなくなってしまうこともあります。いざというとき慌ててしまわないよう、時間的にも体力的にも余裕のある若いうちに、老後のことを見据えた対策を始めることをおすすめします。