セラピードッグの活動にもパンデミックが影響
大きな事故や事件があって心に傷を受けた人、自然災害で疲れ切ってしまった人、闘病中の人など心や体が弱った時に、そばに寄り添って心を鎮めてくれるセラピードッグは人間にとって大きな救済です。
現在世界中を覆い尽くしている新型コロナウイルスのパンデミック。本来ならこんな時こそセラピードッグにそばにいて欲しいところですが、人の集まるところを次々に回っていく犬とハンドラーはウイルスの運搬役になりかねないし、犬とハンドラーの安全のためにも通常の訪問はできません。
そんな中でアメリカのフロリダ州にある児童保護施設ではセラピードッグのリモートワークに取り組んでいます。
今まで以上にセラピードッグを必要とする子供たち
前述の児童保護施設は家庭内での虐待や育児放棄された子供を保護して生活の場を提供している施設です。
パンデミックのせいで失業や収入減という事態になってしまったり、自宅待機でのストレスが溜まることから女性や子供への暴力が世界的な問題になっています。この施設にもパンデミック前よりもずっと多くの子供が紹介されて保護されて来ているそうです。
子供たちにカウンセリングを行うカウンセラーやセラピストは、自宅からコンピューターの会議アプリなどを使ってセッションを行っているのですが、このようにセラピードッグが切実に必要とされている状況ですから、スタッフは何とかして犬をセッションに加わらせたいと考えたそうです。
そして始まったのが、子供たちがコンピューターのモニター越しに遠隔医療カウンセリングを受ける時にラブラドールのジョードンもカウンセラーの隣に座ってセッションに参加するという方法でした。
セラピードッグのバーチャルセッション
子供たちはカウンセラーと話している間、セラピードッグのジョードンを見ることができます。通常の場合、子供たちは治療の一環として犬を撫でたり、犬と一緒に呼吸法の練習をするのですが、今はモニターの中のジョードンを見ながらぬいぐるみの犬を抱いて練習をしています。
犬を撫でると気持ちや血圧が落ち着くように、ふわふわしたぬいぐるみを抱いたり撫でたりすることでも同様の効果があると言われています。
もちろん実際に犬と触れ合うことができるのが一番なのですが、子供たちは人間のカウンセラー単独よりも犬が視界に入っている方が心を開きやすく安心感を持てるということです。施設のスタッフは幼い子供たちとジョードンのバーチャルツアーも計画しているそうです。
ジョードンは何か心配事があるような人、落ち込んでいる人を積極的に探して自ら寄り添うようなところのある、生まれついてのセラピードッグのような性質なのだそうです。
アメリカではジョーダンの他にもリモートワークでセッションに参加しているセラピードッグがたくさんいるそうです。
まとめ
心に傷を負った子供達の遠隔医療カウンセリングにリモートワークで参加するセラピードッグの話題をご紹介しました。
本当に必要な人のところにセラピードッグが実際に訪問できる日が、1日も早く戻って来て欲しいものです。
そして何より特別なカウンセリングを受けなくてはいけないような体験をする子供がいなくなるよう真剣に考えなくてはいけないと思います。