犬が可愛い5つの理由
1.意思を通じ合うことが出来るから
犬は、本能的に私たちの表情や声の高低、口調から感情を察知することが出来ます。また、私たち飼い主や家族に対して常に興味を持つので、一緒に暮らし、食事や散歩などの経験を重ねるうち、私たちの言葉の意味を学習します。
逆に私たちも、犬の表情、行動、仕草からある程度は犬の意思をくみ取る事が出来るようになります。言葉を介さず、お互いの気持ちを伝えあえる存在なのだから、愛しく、大切に思うのは当然です。
2.絶対的な信頼感を持ってくれるから
愛犬は、私たち飼い主に対して絶対的な信頼感を持ってくれています。
なぜ、私たちをそんなに信頼してくれているの?と尋ねても、言葉でその答えは返ってきません。また、いろいろな説がありますが、どれも犬の本音を人間の言語で分析したワケではないので、全てが仮説です。
ただ、全身で私たちに愛情と信頼を寄せてくれていることは、愛犬の行動を見て、ぬくもりに触れていれば理屈や理由などわからなくても、実感できます。
小さな子どもが親に対して全幅の信頼を寄せ、自分の心身を委ね切っているのを受け止めているような気持ちに似て、愛犬に対して深い愛情を抱くのかも知れません。
3.側にいると癒されるから
犬と触れ合えば人間は心身ともに癒される…という現象は、科学的に説明できます。ですが、その事実を知っていても知らなくても、愛犬の存在は等しく私たち飼い主を癒してくれます。
4.孤独を感じずにいられるから
愛犬が側にいれば、例え、社会の中で孤立しても、孤独を感じずにいられます。自分はだれにも必要とされていない…と孤独感や疎外感にさいなまれる時があっても愛犬はどんな時も私たち飼い主を必要としてくれます。
5.すべてが愛しいから
いろいろと理由を述べましたが、実はまだまだ足りません。ぬくもりも鳴き声も、体のニオイもキラキラと輝く瞳で私たちを見上げる表情…挙げればきりがありません。とにかく、愛犬はその存在、全てが愛しいのです。
人間が「犬を可愛い」と感じる科学的根拠
愛情ホルモン「オキシトシン」
「オキシトシン」は「愛情ホルモン」「抱擁ホルモン」と呼ばれる物質です。脳のストレスが緩和されたり、不安や恐怖へのストレスが減り、他社に対して穏やかな気持ちを持てるような心理状態に誘導してくれると言った効果があります。
そして、日本の麻布大学の研究によって、犬と飼い主が触れ合うことによって、お互いの体の中の「オキシトシン」の濃度が上がるということがわかりました。
つまり、愛犬と触れ合うと私たち飼い主の体の中でオキシトシンが分泌がされ、その効果によって、私たちは心が安らぎ、幸せで満ち足りた気持ちになれるのではないかと考えられます。
抗えない可愛さは遺伝子によって作られる「ベビースキーマ」
「ベビースキーマ」とは、世界的な動物行動学の研究者、コンラード・ロレンツ氏によって定義されている人間や動物の子どもに見られる身体亭な特徴のことを言います。
例えば、体が小さいこと、目が大きく丸くて顔の中の低い位置にあること、全体的にふっくらしていること、手足が短くて動作がぎこちないこと…などが挙げられます。このような特徴によって、本能的に「守ってあげたい」「優しく触れてあげたい」という庇護欲が刺激されます。
犬種によっては、大人になっても赤ちゃんのように目がまるく、無邪気にコロコロと走り回り、まるでぬいぐるみのような容姿をしているので、いつまでも私たち人間の庇護欲を刺激し続けます。
犬の攻撃性に影響を与えるホルモン「コルチゾール」
「コルチゾール」とは、副腎皮質ホルモンの一つです。肝臓で糖を作り出したり、体内の脂肪を分解したり、免疫の抑制などの働きを持っています。
ところが、このコルチゾールは強いストレスを受けた時にも多く分泌される物質で多すぎると攻撃性が増すと言われています。ロシアの研究によると、同じイヌ科のキツネで調査を行いました。
まず、野生で生まれ育った攻撃性の高い、人慣れしていないキツネの血液中の「コルチゾール」の量と、何世代も人間に飼育されて人慣れしているキツネの血液中の「コルチゾール」の数値を比較しました。すると、人工飼育のキツネの血液中の「コルチゾール」が野生のキツネの半分ほどの数値であることを突き止めました。
つまり、犬は何世代にも渡って私たち人間を攻撃することなく、穏やかな性格になるように
進化してきた動物と言えます。
知能を司る「海馬の進化」
さらに、犬は人間に飼育されることで、脳の中の「海馬(かいば)」という器官の神経が発達しました。この「海馬」は、学習や記憶を司るため、この海馬の能力が他の動物よりも高まったため、犬は人間の言葉を記憶、学習し、上手にコミュニケーションをとる能力に長ける特別な動物へと進化したのです。
人間によって「可愛い犬」への進化を遂げた犬種3つ
「可愛い犬」の定義について
体重が50キロ以上もある大型犬でも飼い主さんにとってみれば我が子同然の可愛い愛犬と言えます。けれども、今回の記事の中で、「可愛い」という定義は「愛玩犬」であることとします。
- 愛玩する目的で主に室内で飼われる小型の犬
- 体毛の肌触りが心地よいこと
- 性格が無邪気なこと
プードル
現在、プードルは体の大きさによって4つのタイプに分かれています。愛玩犬として人気があるのは、体長が38㎝以下のミニチュア、トイと言われている体の小さなプードルです。
諸説ありますが、もともとは、猟犬として活躍していた犬種ですが、体温を守るために体毛を独特な形でカットした姿が16世紀ごろのフランスの貴族階級に好まれ、愛玩犬としての需要に応えるために、小型化が進められたようです。
そして、19世紀にはすでに抱き上げられるほどに小型化され、現在では「ティーカッププードル」と呼ばれる体重2キロ以下の体になるまで小型化が進んでいます。
ダックスフンド
ダックスフンドは、もともと野生のアナグマを狩るための猟犬として16世紀に作出された犬種です。その当時は、なんと体重20キロもある大型犬でした。
現在は、最も大きなスタンダードでも中型犬程度で体重9キロ、胸囲が35センチ以上、胸囲が30~35センチ以下ならミニチュア、さらにそれより小さいサイズをカニヘンと定められています。体毛には、ワイヤー、ロング、スムースの3つのタイプがあります。
ただ、小さなだけでなく、より多様な姿を期待する愛好家のために、体の小さなダックスフンドにパピヨンやミニチュアピンシャー、ミニチュアシュナウザーなどを交配し、それぞれの特徴を持つ体毛の犬が作出されました。
ポメラニアン
現在、ポメラニアンの体重は3キロ程度、体長28センチ以下の小型犬ですが、祖先は「ジャーマンスピッツ」と呼ばれる犬種で最も大きなタイプは30キロ近くある大型犬でした。17世紀、ジョージ三世の王妃シャーロット、その孫であるヴィクトリア女王が体の小さなポメラニアンを愛し、熱心に繁殖した結果、飛躍的にポメラニアンの小型化が進みました。
まとめ
私たち生物の行動には、実は全て化学的な根拠があります。私たちの感情を司るのも、エンドルフィン、セロトニン、ドーパミンなどさまざまなホルモンの分泌によってコントロールされています。
とはいえ、例えホルモンの影響であっても、愛犬を世界一可愛い存在と思っている感情は私たちの心の中に根付いていて、その感情によって私たちの人生は豊かになり、幸せを感じることができます。
私たちと愛犬の間に結ばれた愛情という絆は、科学的に証明されているから成り立っているとは思えません。理屈や科学的根拠も必要もないほど、私たちは愛し合っているのですから。