おもちゃを壊してしまう理由
木製、ラバー、レザー、牛の蹄など、犬のおもちゃには様々な素材のものがあり、音が鳴ったり形状が面白かったり、おやつを詰めてあげられたりと用途もバリエーションに富んでいます。
きっと喜んでくれる、これで一緒に遊ぼう、とわくわくしながらおもちゃを買ってきてほら、とあげた数分後にはおもちゃがぼろぼろにされていた、なんて経験がある方も多いのではないでしょうか。
せっかく買ってきたおもちゃ、なんで壊してしまうのでしょう。それは犬の本能やストレスの発露なのかもしれません。
1.猟犬としての本能だから
猫にも言えることなのですが、やはり動物として犬は「狩り」をするものなので、動くものを追いかけて噛みつきたくなる本能があります。そのため転がるボールはもちろん、動物の形をしているぬいぐるみなどは捕まえて噛み噛みしたり、あるいはぬいぐるみの場合はのど元に食いついて噛みちぎったりしたくなるようです。
2.歯の生え変わりでむずむずするから
これは一時的なものですが、生後4ヶ月~6か月ほどの子犬の場合は乳歯から永久歯への生え変わりの時期となります。この時は乳歯が抜けるとき、永久歯が生えるときそれぞれ口の中がムズムズするのでしょう。そのため少し硬いおもちゃを噛み噛みしてむずがゆさについて気を紛らわせているようですね。
人間の子どもの場合も生後6ヶ月ころから乳歯が生えますが、その前後でテーブルの端っこや少し硬いおもちゃを歯茎で噛んでいることがあります。これも歯が生えるときのむずがゆさを解消しているといるので、犬や猫の同じ行動をするんですね。
3.暇つぶしのストレス発散のため
留守番をしていたり、ちょっと飼い主さんが忙しくてあまり遊んであげられなかったりしたとき、犬はその暇な時間をつぶすためまず何をするかといえば昼寝です。
ぼーっと外を眺めたり、うとうとしたり、そのくせ飼い主さんの動向を気にしてちらちら目線を送ったりして過ごします。しかしその待っている時間が長くなるとさすがに暇を持て余すのか、おもちゃで一人遊びを始めます。
はじめはソフトに噛み噛みしていたり、転がしたりしているのですが、徐々にヒートアップして噛む力が強くなり、噛むだけではなく歯に引っかかる部分を噛みちぎったりして夢中になっているうちに気が付くとおもちゃそのものを破壊している場合があります。
また、他の理由でもストレスが溜まっているとおもちゃだけでなく爪をかじり切ってしまったり、自分の毛を引き抜いたりする自傷行動に近い遊びをしてしまったりすることがあります。
おもちゃを破壊するという行動が見られるようでしたら、犬との接し方などを見直して運動をさせたり遊んであげたり、ストレスの発散をさせてあげてください。
長く使ってもらうには
犬はもともと「噛む」ことで楽しむ動物でもあるので、完全にやめさせることは困難です。破壊してばかりで困ったときはおもちゃの与え方と遊ばせ方を見直しましょう。
まずはおもちゃのサイズ、素材を見直します。手近なショップで売っていたからといって小型犬用のおもちゃを体の大きな犬に与えてはすぐ壊してしまいますし、逆に大型犬用のおもちゃを小型犬に与えてしまっては顎や歯を傷つけてしまうこともあるでしょう。
素材も破壊しにくく、小さなパーツに分かれず飲み込む危険が少ないものを選びます。
また、おもちゃを「一人遊び用」と「飼い主と遊ぶ用」に使い分けるのもよいでしょう。なんでもかんでも噛んで壊してよいわけではなく、このおもちゃは飼い主と一緒に使うことで楽しいと覚えてもらうと破壊するほど噛まなくなります。
さらにいうと、日ごろの運動量やスキンシップを見直しましょう。おもちゃの破壊でストレスを発散している場合、運動不足やスキンシップ不足が関係していることも多いのです。適度な運動量と飼い主とのふれあいで精神的に満足した場合、攻撃的な衝動を抑えて適度な一人遊びで落ち着くことも多いようです。
まとめ
犬がおもちゃを噛むというのは本能的なことですので、問題ではありません。せっかく選んだおもちゃがすぐ壊されてがっかりする、というのは人間の都合です。
心配するべきは、壊した際に破片を飲み込んでしまったり、ストレスがたまりすぎて自傷行為に切り替わったりする点です。おもちゃを与えることで満足せず、犬とちゃんと一緒に遊んであげましょう。
そのためには壊されることを前提として、一緒に遊べるものを選んだり、あるいはなるべく壊れにくい素材や硬さのものを選んだりしてあげられると良いですね。
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50代以上 男性 匿名