東南アジアの街の様子
タイ・チェンライの路上にて
東南アジアには、野良犬が驚くほどたくさんいます。街中でも、郊外でも、当たり前のように人の近くで野良犬が生活しています。
子供のすぐそばでガタイの良い野良犬さんがウロウロしていても、誰も気にしません。
屋台の前では人と一緒に野良犬たちが並んでいる様子も見かけます。もちろん、お金を払って買うのは人間だけで、野良犬たちは屋台のお客さんや店主から食べ物をもらうのを大人しく待っているのです。
首輪を着けていたりと、ペットとして飼われている犬もいますが、道端で野良犬たちとじゃれあっている様子を見ることもあります。
なぜそんなに野良犬が多いの?
ラオス・ルアンパバーンの托鉢の様子
東南アジアの中でも特に敬虔な仏教国であるタイ、ラオス、ミャンマーなどでは「施し」をすることを善行としています。
野良犬がお腹をすかせていたら誰かがご飯をあげるし、道のど真ん中で寝ていても邪険にするような人はいません。
東南アジア諸国では、毎朝お坊さんたちが托鉢(たくはつ:必要最低限の食料を市民から恵んでもらう。修行の一つ。)をする姿を見ることがあります。
私がラオスの田舎町を訪れた時、お坊さんが托鉢をする列の中に野良犬さんがいて、一緒に食べ物をもらっている姿を見かけることもありました。
そのすぐそばでは、野良犬たちのために施しをするおばあちゃんの姿もありました。
3匹の犬たちに囲まれ、ご飯を一口一口手渡しするおばあちゃん。とても平和な空気が流れていました。
気温も年中温暖で過ごしやすく、食べ物も豊富、人も優しい。野良犬たちにとって生きていきやすい環境があるのでしょう。
ただ、人の近くで生活しているとはいえ、スキンシップが好きな野良犬はそんなに多くない印象。
また、人と関わることを好まない野良犬さんもいて、人が近づくと威嚇することもあるので、距離感を見極めることも大切。
まとめ
日本では今や山の中に野犬がいる程度で、町中で野良犬を見かけることはほとんどないという状況です。
「野良犬」というと、なんとなく怖いイメージがあるかもしれないですが、東南アジアの野良犬たちは距離感さえ大切にしていれば、人に危害を与えることはなく、のんびりと生活しています。
東南アジアの人々は野良犬に施しをすることで、善行を積み上げ信仰を守る。野良犬たちは人に危害を与えることなく、人と同じ場所を共有して生きていく。
大切なのはお互いの命を尊重し、助け合って生きていくことなのだな、と教えられます。