島から野良犬が消えた!バリ島で行なった驚くべき狂犬病対策とは

島から野良犬が消えた!バリ島で行なった驚くべき狂犬病対策とは

州知事の驚くべき号令によって強行されたバリ島の野良犬一斉捕獲作戦についての詳細や、この作戦は本当に正しい判断だったのかについてお話ししていきます。

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バリ島の野良犬一掃令について

バリ島

州知事の驚くべき号令

南国のリゾート地として世界中から観光客が訪れる事でも有名な、インドネシアのバリ島ですが、そのバリ州のマデ・パスティカ知事の耳を疑うようなとある号令が話題となっています。

知事の号令により、今年の1月末から2月にかけて島中の野良犬が捕獲されて処分されてしまったのだそう。
その号令とは、
「皆さん、犬がうろついていたら殺してくれ。狂犬病が多すぎる」でした。

いったいこの島で何が起きたのでしょうか!

観光客や島民が続々と被害に

バリ島の島民

事の発端は、オーストラリアから観光に来ていた女の子が、島のビーチで遊んでいる際に野良犬に足をかまれるという事件でした。

元々この島には、沢山の野良犬や放し飼いにされている飼い犬がいて、どの子も大変人懐っこくしていたので、人々から可愛がられていたようです。
ですが、その反面、狂犬病に羅病した野良犬に噛まれてしまう島民が続出し、更には2008年以降になると狂犬病で151人の方が亡くなるという問題にもなっていたのです。(不幸中の幸いで例の事件に遭った少女は軽症でしたし、犬も狂犬病ワクチンを接種されていました)

だから観光を収入の大半にしているバリ州にとっては、これ以上マイナスイメージが進行してしまうのを恐れ、このような事を強行したのでしょう。
でもこのバリ島の野良犬の捕獲作戦において、1つ気になる事がありました。

宗教上の矛盾点も

実はインドネシアというとイスラム教徒が多く、宗教上の理由から犬を嫌うというイメージがありますが、この島は“バリヒンドゥー教”を信仰してる島民が8割を超えています。
そしてこのバリヒンドゥー教にとって、犬は“厄除けの力を宿している”とされており、そんな理由から島中を歩かせていたそうなんです。

観光客を確保したい気持ちは分かりますが、厄除けとして崇めるべき対象となる者を消し去るのは、かなり矛盾点を感じますね。

飼い犬までが狙われる恐ろしい理由とは

複数の犬

更にバリ島では野良犬だけではなく、飼い犬にまで
被害が及んでいるそうです。

理由は大まかに2つに分かれまして、1つは『飼い犬にしているけど首輪といった目印になる物を付けず、更に自由に外を出歩かせていた為に野良犬と間違われて捕獲されてしまった』、そしてもう1つは『食用として誘拐されてしまう』ということなんです。

インドネシアでは一部のキリスト教の出稼ぎ者などが安価で肉を食べられるとして、犬肉を食する事が増加しているのだそうで、バリ島にも70を超える犬肉屋が存在するのだそうです。
そして「野良犬よりも沢山栄養を蓄えている」という理由から、飼い犬が狙われているのだそうです。

どのような対策が必要だったか

狂犬病は犬だけではない

コウモリ

この記事を読んでいて私は複雑な気持ちになりました。
観光資源で成り立っている以上、観光客の不安を消し去る為や島民の被害を抑える為には多少は強引なやり方ではあるけど、全てが間違っているとは思えません。
現に過去の日本の都市部でも、狂犬病対策として野良犬を捕獲していたので、昔はよく見かけていた野良犬も今日では全く目にしなくなりましたしね。

ただ皆さんもご存知かとは思いますが、野良犬を駆除するだけでは狂犬病が無くなる訳ではありません。
まだ日本の都市部は媒介となる対象が犬だけだったのと予防接種の義務化をしたから根絶できたのに対して、バリ島にはコウモリ等の狂犬病の媒介生物が沢山いるので、ただ単に野良犬だけを捕獲するという作戦は少々間違っているのではないでしょうか?

捕獲ではなく地道に予防をすべき

ワクチン

過去にもインドネシアでは日本のように、狂犬病撲滅を目指してワクチン接種の義務化を試みたのですが思うように進まず、結果的にそれよりも手早く野良犬ごと消してしまおうと今回のような行いをしてしまったのです。

でもこのような事をしても一時の間だけは被害数が減るかもしれませんが、また将来的に同じような事態を繰り返してしまうかもしれません。
それなら目先の捕獲に躍起になるのではなく、地道に時間をかけてでも州知事を始めとした島民全員で協力し、飼い犬はもちろん野良犬への予防接種を続けていった方が、島民にとっても犬にとっても良い結果になるのではないでしょうか?

まとめ

バリ島での狂犬病対策として島にいる野良犬をいっせいに捕獲して処分してしまう作戦は、世界中の愛犬家から批判が寄せられています。

元は厄除けをしてくれる大切な存在として扱っていたのだから、手早く力ずくで解決するのではなく、時間をかけてでも一匹ずつ予防接種をしていってもらいたいですね。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    男性 冬馬

    それぞれの国や地域に根付いている歴史、宗教、慣習といった「文化」を尊重するのが基本中の基本である。しかし、同じ野にいる犬を、時には「厄除けの力を宿している」と崇め、時には「狂犬病に羅病している可能性があるから殺せ」と扱うことに憤りを感じるのは、世界中の愛犬家の怒りをかっている点からも同意できる。なぜなら、野良犬を作り守りながら放置しているのも、ペットとしているのも、食肉としているのも、全て人間の都合からはじまったことであり、そのサイクルの結果であるのだから、究極的には「犬に噛まれる人間がバカ」と受け入れるのが道理ではないかと考える。数十万頭いるとされる野良犬を全てサッ処分し、野良犬を完全に無くすという極端な方法をとる事は、自分たちのこれまでのサイクルを壊すことである。「犬に厄除けの力はない」と認められるのだろうか?食用の犬肉はどこから調達するのだろうか?飼い犬は今後、必ずリードをつけて保護するのだろうか?続報がないため、バリ島の今後のニュースに注目したい。
    余談だが、バリ島を含めインドネシアは東南アジアの中でも狂犬病の発生が高い国のひとつである。行かれる際は、犬に触れない・噛まれないこと。万が一の場合の対応については、厚生労働省のwebサイトに詳細に記されているので、事前確認をおすすめしたい。
  • 投稿者

    女性 匿名

    バリ島に5年住んでいました。
    昔から 犬を繋ぐ習慣がなかったバリ島では
    夜間 裏通りなどに数匹の大型犬がたむろしていて追いかけられた事も何度もあります。(バイクなので逃げ切れますが)飼い犬と野犬の境がなく 首輪もしていません。
    家の敷地内ではなく 公道にいるので
    本当に恐怖でした。

    インドネシア政府は犬は繋ぐ事。
    首輪をする事。予防接種をする事を推奨しており それ以外の野犬を駆除したいようです。
    ちなみにバリ島の犬の平均寿命は2.3年と言われています。

    現在 欧米のボランティア団体などが
    無料で予防接種や皮膚病治療を勧めています。犬の里親制度も出来ました。

    今後 バリ島で責任をもってペットを飼うという道徳がなされる事を祈っています。
  • 投稿者

    女性 匿名

    狂犬病の媒介となっている野生動物は日本でもいるらしいですよ。ただ犬の狂犬病感染は完全にコントロールされているってだけで。
    さて、バリですが、狂犬病対策を以って「動物の権利が」だの「犬が可哀想」だの言ってるのは自分に火の粉がかからない場所で綺麗事言ってるに過ぎないとおもいますよ。現地の人にとってみれば明日家族が犠牲になるかもしれないわけで、犬っころの命よりも家族の命なのは当たり前ですよ。
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