中国でお犬様バブル崩壊!?
中国人の多くは投資を目的に様々な商品、例えば年代物のワインや日本のウイスキーの爆買いするなど、市場で値段が上昇したとき売却してお金を儲けようと考えているのですが、わんこもその投資物品として扱われているのです。
例えば、一見みると大きな毛がモジャモジャの犬?と思うような超大型犬チベタン・マスティフ。
実は、一頭あたり一億円以上の価格が付く超高級犬で、富裕層の間ではチベタン・マスティフを買うことが社会的ステータスとなっています。
つまり、ブランド物のバックやスポーツカーを所有するのと同じ感覚で飼われていました。
中国バブルと言われた好景気の中、中国本土ではチベタン・マスティフのブリーダーが次々と現れ、どんどん価格が上昇していきました。
最高時には一頭2億円で販売されていたことも。
しかし、景気の不調からその価格は下降する一方、扱っていたブリーダーの数も激減しました。
例えば、西安を省市とする陝西省では2010年頃には約70軒のブリーダーがいましたが、現在は5軒位しかないと地元新聞は報道しています。
そして、この大型犬は見て分かる通りに、ハイメンテナンス。
食べる量も多いし、グルーミング代もかかると、様々な理由から捨ててしまう飼い主が多いそうです。
道端で、高価な犬がフラフラ歩き、飼い主に捨てられたことで精神不安になっていたり、道楽で飼われたために、トレーニングも何もされていたいことから、歩いている通行人に噛み付くという事件が起こっているそうです。
実は、中国本土だけでなく、香港の富裕層もこの犬種を買い、飼育が面倒になったから、飼い主を噛んだからという理由で処分されたケースもあります。
また、数年前にはシベリアン・ハスキーやトイプードルなども人気で、パピーミルと呼ばれている劣悪な状況で繁殖させられた子犬たちがペットショップやブリーダーから直接販売されて、民間の一時預かり施設や、政府などで殺処分する施設にたくさんみられました。
さて、このチベタン・マスティフの生まれ故郷は名前の通りチベットです。
標高何千メートルの高い場所で生まれた犬種です。
人気が落ちたと言えども、地元の人の話によると、家でペットとして飼っているチベタン・マスティフが盗難される事件がまだまだあるそうです。
チベットでは、わんこは自由に家の周りを走り、好きな時に散歩を楽しんでいるそうです。
そのように基本的に放し飼いの家庭が多いので、外に出している時に、犬がいなくなることが非常に多く、飼い主さんはうっかり犬を外に出すことができないそうです。
日本のように、いつもは家にいて、散歩をする時だけリードをつけて外にでるという暮らしとは違いますので、そこを狙ってチベタン・マスティフを盗んで売るのです。
なんとも酷い話です。
近頃は、このブームの後はロシア産のコーカシアン・シェパードに人気がシフトしているとか。
これもまた大型犬。
数年後には、始末施設や道端でホームレスドックになっているのを見かける可能性は高そうです。
ブームになったわんこの悲しい話は日本でもあった!
人気があるから、ブームだからとファッション感覚でわんこを購入する人が、日本にもたくさんいるのは事実です。
そしてそのように安易に犬を飼い、面倒をみきれなくなった飼い主に捨てら、施設に入れられた犬たちの多くは、ガス室で殺されるか注射によって安楽死させられます。
人気だったチワワ、トイプードル
日本でも2008年頃に放映された、某消費者金融のCMに出演していたチワワが人気となり、チワワブームが到来しました。
みなさんの周りでも、あの愛くるしい目と子犬のような表情に魅了されて、早速ペットショップでチワワを購入した人は少なくないはず。
そしてその後ブームが去てしまって、無責任に捨てられたチワワが複数の動物保護センターに持ち込まれたといいます。
2013年から2014年の約8ヶ月位の間に、埼玉県で46匹の小型犬わんこ が捨てられていて話題になりました。
捨てられていた犬種ははコーギーやチワワ、トイプードルなど、ペットとして人気の高い犬種ばかりです。
人が怖くてうずくまってしまう子、意外に人懐こい子、首輪をつけている子など様々。
それらのうちの老犬のトイプードルを引き取った親切なご夫婦は、その子に歯がないので、ご飯を食べるとボロボロ口からこぼしちゃってかわいそうと言っていました。
可能性としては、ブリーダーが遺棄したという風に見られていますが、いずれにしてもブームが去った犬は、ペットショップでディスプレイされていても買い手が現れないので、数ヶ月であっという間に成犬になり、始末されるかどこかの保護センターに引き取ってもらうかという、わんこにとっては悲しい結末になります。
有名人などのセレブなどが飼っていることや、 お散歩にちょっと連れて行くとおしゃれ感覚で購入し、飼い主の都合で捨てられてしまうのです。
保護される小型犬の数は非常に多いといいます。
さいごに
わんこ好きの人でもそうでなくても、捨てられた犬たちの話はあまりに多く、心が傷むでしょう。
ニュースで報道されているのはほんの氷山の一角です。
やはり、命を育てる覚悟がない人は動物を飼ってはいけないのです。
飼い主、飼われるペットもお互いに不幸になるだけですから。
ペットを育てるなら、最期まで面倒を見なくてはいけません。
ユーザーのコメント
女性 匿名
40代 女性 RIRIKA
40代 女性 豚玉
40代 女性 Haru
でも、需要と供給のバランスだから、需要がなければ拝金主義者たちも手を出さない。
その国の民の成熟度って、動物とか、子供、お年寄りをどう扱っているかによく現れるっていうよく言われるけれど、日本、どうなんでしょうね。
埼玉の小型犬遺棄事件は、見たこともない独特な容姿のチワワ達が含まれていたことで、地元でもずいぶん話題になりました。「人より違うものを持ちたい」「よりレアな容姿の犬のほうが売れる」そんな需要からこうしたチワワが生み出されたと見られます。
確かにこれは許されないことだけど、「残酷だ」「ひどい」「同じ目に遭わせてやれ」と遺棄した業者だけを糾弾するのは、ちょっと違うと思う。愚か者を愚かな行動に走らせるのは、何なのか、誰なのか。犬をブランド品のように流行りだけで買う現象、絶対にもう止めなきゃいけない!
40代 女性 匿名
30代 女性 匿名