犬の一生にかかる費用はどのくらい?
最初にかかる費用だけではない
ペットショップで出会う場合には、そのわんちゃんのお値段が決まっています。そして、ドッグフードやトイレ、ゲージ、首輪など、最初に買わなくてはいけない犬用品があります。しかしながら、犬にかかる費用はそのような初期費用だけではありません。むしろ、犬の生涯を通してかかり続ける費用の方が大きくなるのです。
犬の生涯にかかる費用の総額
犬を飼うということに、一体どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
犬の寿命を15年とした場合で見てみると、合計で約259万円の費用がかかると言われています。しかも、大型犬の場合ではこの3倍の費用がかかるのです。この何百万という金額は一度にかかるものではなく、15年を通じでかかってくるものです。しかし、結果的にこのくらいの余裕がないと犬を健やかに飼育することはできません。そのため、犬を飼う前にしっかりとお金についてご家族で話し合って準備しておく必要があるのです。
1.医療費
各種予防接種
毎年春になると、自宅に狂犬病予防接種の受付はがきが届きます。狂犬病の予防接種は毎年接種することが義務付けられているためです。狂犬病ワクチン接種に加え、かかると重篤な状態になる病気や、人間にも感染し得る感染症の予防接種もかかせません。
狂犬病のワクチンは単独接種ですが、犬ジステンバーや犬パルボウイルスなどの病気のワクチンは2~5種類の混合ワクチンとなります。何種のワクチンを接種するかは飼い主さんが決めることができます。
ワクチン接種には副作用のリスクもありますし、種類が増えるごとに値段も高くなります。狂犬病ワクチン接種は市の集団接種にすると3000円前後で、個人で病院で受ける場合には各病院によって値段が前後する可能性があります。1年の中で、狂犬病予防接種の約3000円+混合ワクチンの費用という計算になります。
入院や手術
犬の寿命を15年とした場合、一生にかかる病院代は約51万円です。これには手術の費用が含まれていませんので、手術や入院などを含めるともっと高額となります。動物の病院代は実費となりますので、通院だけでも人間よりも高額です。手術や入院になると、一回に何十万という高額な費用が必要になることも珍しくはありません。
夜間救急は高額になりやすい
動物病院が閉まった夜間に具合が悪くなってしまうこともあります。動物にも人間と同様に夜間の救急病院がありますが、通常の病院と比べると治療費が高額です。
2.ペット医療保険
高額な医療費のリスクに備える
ペットの病院代は実費ですので、とても高額になってしまう恐れがあります。そのリスクに備え、任意でペット保険に加入しておくといざという時にも安心です。しかし、ペット保険は掛け捨てなので、もしかすると"お守り"で終わるということもあります。中にはペット保険には入らず、保険料と同額程度を積立貯金していざという時に備えている飼い主さんもいらっしゃいます。
年齢によっては人間並みになる場合も
ペット保険料はわんちゃんの年齢によって変動します。わんちゃんが高齢になると、人間並みの保険料になる場合もあります。そして、保険会社によっては「10歳以下」などと加入の年齢制限がある場合があります。何歳でも加入できるという保険もありますが、やはりその保険料も高めです。
3.トリミング代
人間のカット代と同じくらい?!
トリミングはオシャレにするためだけではなく、被毛や皮膚を清潔に保って健康を守るために必要です。1回のトリミング代はサロンによっても違いますし、わんちゃんの犬種や大きさにもよります。我が家のミニチュアダックスの場合はだいたい3000円~5000円くらいが相場のようで、私の美容院代と同じくらいなのです。
サロンに任せるメリットは確かな技術力!
被毛が短い子や足裏やおしりなどの部分的なカットのみで大丈夫な場合は、おうちトリミングをしている飼い主さんもいらっしゃいます。私も基本的には愛犬のミニチュアダックスのトリミングとお風呂は自分で行っています。(私は半年だけ海外のトリミングサロンで修行したことがあるため、バリカンや爪切りができます。)
しかし実感するのは、やはりトリミングサロンに依頼した方が仕上がりが格段に良いということです。特にドライヤーで乾かすには専用のドライヤーの方がしっかり乾かせますし、しっかりとブラッシングをしながらブローしてもらえるのでフワッフワになります。自宅のドライヤーでは完全に犬の毛を乾かし切るのはとても大変で、生乾きの状態ではかえって皮膚の環境が悪くなります。お金を払ってでもサロンに依頼するのは決して無駄ではないと私は思います。
4.ドッグフード
「プレミアムフード」は品質も値段も高くなる
ドッグフードには、ドラッグストアで買えるリーズナブルなものから品質にこだわって作られた"プレミアムフード"と呼ばれるものまで、その品質や価格帯はとても幅広く存在します。中には1kgで5000円もする高級フードもあります。特に食にこだわらずとも一生元気な子もいますし、アレルギー体質でフードを厳選しなくてはいけない子もいます。飼い主さんがその子に合ったフードを選んであげることが大切です。
病院で処方される「療法食」
「療法食」とは、犬の病気に合わせて栄養素を調整してあるフードです。市販のフードにも「○○の症状をケアする」と表示されているものもありますが、療法食は獣医師の診断のもとで処方されるものです。そのため、療法食の種類も、始めるのも止めるのも、すべて獣医師の診断の元で与えなくてはいけません。療法食のお値段には獣医師の指導料も含まれているため、通常のフードよりも高いことが多いです。中には一生療法食を続けなくてはいけないこともあるため、食費の負担が大きくなりやすいです。
まとめ
犬の一生の中で、費用が高額になりやすいものは
- 医療費
- ペット保険
- トリミング代
- プレミアムフードや療法食
の4つがあげられます。
これらは毎日~毎年かかってくるランニングコストと言えます。ケージや首輪などの「一度買えばしばらく大丈夫」という費用よりも、毎日のお世話にかかるランニングコストの方が大きいと思います。医療費のように突然高額な費用が必要になる恐れもあるため、犬を迎える前にはご家族でお金について十分に話し合い準備しておくことが重要です。