なぜ犬は飼い主といっしょにいるだけで喜んでくれるのか
飼い主さんが大好きだから
私たち人間も、大好きな人が手を伸ばせば触れられるほど近くにいたら、理屈抜きに嬉しくなります。犬の知能は人間の子どもの3~4歳程度と言われているので、大人の人間以上に純粋に、「大好きな人と一緒に過ごせる」ということだけで心が満たされるのです。
飼い主さんと触れ合うと幸せな気持ちになるから
「オキシトシン」という言葉はご存じでしょうか?「幸せホルモン」と呼ばれている物質で、嬉しい、楽しいと感じる時に脳で作られるホルモンです。動物心理学の研究者が行った実験によって、飼い主とその愛犬がコミュニケーションをとることによって、お互いの体の中でオキシトシン濃度が上昇することが実証されています。
この「オキシトシン」が体内で上昇すると、ストレスが緩和されたり、不安や恐怖から減少したり、心が満たされたような気持ちになる、といった効果が見られます。
だからこそ、大好きな人と触れ合うと幸せな気持ちになれる、ということを本能的に知っているからこそ、一緒にいるだけで喜びを感じてくれるのでしょう。
犬は独りぼっちが大嫌いだから
犬は、もともと集団生活をして自然界を生きていた動物です。また、長い人間との共生生活の中で、たった一匹だけで過ごすことに強いストレスを感じることも海外の研究によって実証されています。愛犬にとって飼い主さんの存在は、孤独感が要因となって生じるストレスを払拭してくれる拠り所となっているのです。
愛犬が飼い主を愛する理由
命を守ってくれるから
犬にとって飼い主とその家族は、愛犬を危険から守り、安全を確保してくれる「仲間」です。清潔な寝床は皮膚病や感染病を防ぎ、散歩中のリードや呼び戻しは愛犬を事故から防いで命を守ります。
私たち飼い主は、愛犬が安全に暮らせるようにさまざまな配慮をしています。その結果、愛犬はなんのストレスもなく穏やかな気持ちで日々を過ごすことが出来ます。つまり、全く危険を感じることなく、「家族」という群れを統率している飼い主さんの指示をしっかりと守ることで、常に安心して過ごせる環境に身を置くことが出来るのです。
この「身の安全を守ってくれている」という、愛犬からの絶対的な信頼感を得ているのではないでしょうか。そして絶対的な信頼感を持っている相手に対して好意を持つのは、社会性の高い犬にとってとても自然な心理と言えます。
自分の意志を理解してくれるから
犬は「カーミングシグナル」と言って犬同士で自分たちの意思を通じ合う言語を持っています。つまり、犬は自分の意思を誰かに伝える術を持ち、誰かに伝えたいという欲求もあると言えます。
私たち飼い主は、犬同士で会話するような形ではないにしろ、日々、愛犬と過ごす時間を重ねるについて、愛犬の仕草や表情から、愛犬がなにを要求しているのか、なにを私たちに伝えたいのか理解出来るようになっていきます。自分の意思を正しく理解してくれる相手に対して心を開き、信頼します。
愛犬を喜ばせるために飼い主が出来ること
たくさん話しかける
犬を飼ったことのない人、犬と一緒に暮らしたことがない人は「犬に人間の言葉などわかるはずがないのに、いい大人が犬に話しかけるなんて可笑しい」というでしょう。
ですが、私たちは愛犬が私たちの言葉を理解しようとしていること、そして事実、たくさんの言葉を理解していることを知っています。さらに、よく話しかけていると愛犬は私たちの意思をくみ取ろうと耳を傾け、じっと私たちの顔を見つめます。愛犬は、私たちに尽きない興味を持ち、私たち飼い主が愛犬に対して常に興味と関心を持っていることを期待していて、その期待に応えてくれると信じているのです。
笑顔で接する
犬は、人間の表情から本能的に感情を読み取るという能力があります。この能力は、すでに科学的に実証されていて、同じ種である狼には見られません。人間と共生してきた歴史を持つ犬だけが持つこの能力は、人間の表情から嬉しい、楽しい、と言ったポジティブな感情と、怒り、敵意、悲しみと言ったネガティブな感情を見分けることが出来るのです。
飼い主さんが笑顔で愛犬に話しかけていれば、愛犬は自分が愛されていることをちゃんと理解します。そして、笑顔の威力が大きい分、しっかりと叱らなければならない時に見せる「怒り」の表情の効果も大きくなり、犬の心に響きます。ですから、愛犬と向き合う時は常に笑顔で接するように心がけましょう。
一緒にいる時間を心から楽しむ
愛犬は、とにかく飼い主さんと一緒に過ごすだけで喜びを感じています。その気持ちに応えるためにも、愛犬と一緒に過ごしている時間を心から楽しみましょう。どんなに深い愛情を注いでも、一緒にいられる時間には限りがあります。
私たち飼い主が愛犬へかける言葉の一つ一つ、愛建へ向ける笑顔の一つ一つ、愛犬の体を撫でる掌のぬくもりが愛犬を喜ばせることが出来るのなら、何一つ、惜しむことはありません。
まとめ
例え、飼い主さんからどんなにひどい扱いを受けても、犬は一度自分が家族として信頼した人間を裏切ることはありません。それは、生まれ持った性格や育ってきた環境や価値観の違いなどで時に破綻する人間同士の親子の結びつきや夫婦関係よりもずっと強く確かなものです。
「一緒にいるだけで喜んでくれる」という存在、しかもそれは一生変わることがない…そんな存在が他に在るでしょうか?今回、いろいろな理由付けを述べましたが、本当は「一緒にいるだけ喜んでくれる」という愛犬の存在に出会えたのは、深い縁があり、私たちと愛犬が生まれる前から決まっていた運命だったからではないでしょうか。
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20代 男性 匿名