なぜ犬は『大きな音』を嫌がるのか?2つの理由とわざと大きな音を出すのがNGなワケ

なぜ犬は『大きな音』を嫌がるのか?2つの理由とわざと大きな音を出すのがNGなワケ

人より嗅覚や聴覚が優れている犬たちは、生活の中で飼い主が思うよりずっとにおいや音の刺激にさらされています。特に聴覚に関しては、人間が聞いてそれほど大きな音に聞こえなくてもとても嫌がる場合も多いです。大きな音が嫌いな犬はなぜそれが苦手なのでしょうか。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

犬の聴力

飼い主がかける掃除機から逃げる犬

犬は人より大きな耳を持ち、その耳を自由に動かす筋肉を持っています。そのため何か聞こえるときは耳を動かして集音し、音の発生源や音そのものの強さや高さなどを人間よりしっかり聞き取ることができます。一説によると、人の4倍もの距離で発生した音を聞き取れるとも言われ、小さな音も漏らさず聞き取れる優秀な聴力です。

また、音の高さでいえば、人間が聞き取れる音域が20Hz~20,000Hzであるのに比べ、犬の場合は40Hzから70,000Hzともいわれています。人より高音域の音をはっきり聞き取ることができるんですね。

このようなことから、犬は人間が感じる「音」よりずっと大きく、高い音を聞き取っていると考えられます。ドライヤーや掃除機などの音に関して言えば、人間が聞き取れないモーターの高音もしっかり聞こえているでしょうから、相当うるさいと思っているのではないでしょうか。

大きな音が苦手なわけ

ドライヤーを当てられている犬

予期しない事態だから

生活をする上で、音はどうしても発生します。犬もあらかじめわかっている音であればそれほど嫌がるそぶりも見せないのですが、意識していない場合の不意打ちに非常に弱いといわれています。

聴覚は野生で暮らしている動物にとっては身の安全を守るために大切な能力です。不意に、大きな音がする場合は外敵や危険が迫っているときで、そういった物音に敏感であるのは危険に備えるためにとても重要なことです。

しかし、注意深くなるくらいであればよいのですが、過敏になりすぎて恐怖に陥ってしまう場合があります。人でさえ近いところで大きな音がしたら怖いと思ってしまいますよね。人間の場合、音の発生源を確かめたり、音そのものが何か知っていたりするため、パニックになることはありませんが、犬はそれを「安全なもの」と確かめることができません。怖くて怖くてたまらなくなるでしょう。

高音域が耳障りだから

犬は不意に大きな音のするインターホンの呼び出し音や、雷、自動車のクラクション、パトカーのサイレン、工事現場の重機の音などは苦手な場合が多いです。また高速で動くモーターの音(ドライヤー、掃除機、電子レンジなど)の場合、人にとっては大した音量に聞こえませんが犬にとっては耳障りな高音が鳴り響いているように感じるのでしょう。これも苦手とする犬が多いようですね。

高い音域の音がどんなものか、聴力検査を思い出してみてください。イヤホンから小さくてキーンとした音を聞き取ってボタンを押したりした記憶はありませんか?あの程度の小さな音であっても相当耳障りに感じる人もいるのではないでしょうか。

犬の耳の敏感さを考えれば、かすかなモーター音であっても、あのキーンとした音が相当に大きく聞こえるはずですから嫌がるのも無理はないでしょう。

しつけで慣れさせることは可能か

ブランケットの下に隠れる犬

犬は嫌いなもの、苦手なものを「イヤだったこと」「怖かったこと」として学習します。この学習によって音が鳴ると即座に「怖い」と反応してしまう行動につながるので、これを軽減するために少しずつ慣れてもらうようトレーニングすることは可能です。「イヤ」を「好き」にすることはなかなか大変ですが、怖いものではないということを覚えてもらうことは大切です。

しかし、この場合も急に大きな音が鳴る環境に連れて行ってはいけません。嫌な思い出が強烈にインプットされてしまうので、行動の制御ができなくなるほどのパニックにつながる可能性があります。

雷に慣れてほしいからといって、近くで似たような音を大音量で聞かせることは逆効果です。また花火大会に一緒に行きたいからと慣れさせる目的で連れまわすこともやめましょう。

雷や花火は普通の大きな音よりはるかに大きく、空気の振動となって伝わります。犬にとっては理解できない状況です。なるべく音の振動や光の刺激が伝わらないように、遠くへ逃げるかクレートなどの安全な場所に逃げ込ませ、音や光を遮断してあげましょう。

まとめ

ヘッドホンをしている犬

人間より優れた聴力を持つ犬たちですから、人が聞くより音を大きく感じていることは想像できます。音シャイな子は大きな音がすると行動を制御できなくなるほどパニックを起こす場合もあるため、犬が理解できる方法で少しずつ鳴らしてあげる方が良いでしょう。

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