ケガや病気の早期発見と早期治療のためのスキンシップ
愛犬とのスキンシップを習慣にすることで、ケガや病気の早期発見と早期治療に役立てることができます。お腹を撫でているときにシコリ(腫瘍)を発見した、というケースなどがあります。犬の皮膚は被毛で覆われているため、目視だけでは異常を発見することは難しいです。
唸り声をあげたり、咬みついたりなど、愛犬の身体に触れることができない、という飼い主さんは決して少なくはありません。“うちの子だけかも…”と、悩んでいる飼い主さんは意外と多いものです。
身体に触れられることを嫌がる理由は、性格や個性によるもの、経験やトラウマによるもの、触り方が下手だから、不快感や痛みがある、触れられたくない相手だからなど、様々です。スキンシップを嫌がる理由として注目したいのは、「不快感や痛みがある」ということです。
普段はスキンシップが好きな犬が、突然スキンシップを嫌がるようになることがあります。ケガや病気による不快感や痛みが原因かもしれません。普段からスキンシップを習慣にしていたからこそ、気づくことができることです。
介助や介護が必要になったときのためのスキンシップ
飼い主さんが考えるよりも、犬はずっと早く老いていきます。「15歳」。人間の年齢なら、まだ子供です。しかし、犬の15歳は高齢。介助や介護が必要になってもおかしくない年齢です。
例えば、足腰が弱くなり、トイレまで上手くたどり着くことができず、粗相をしてしまうことが増えます。お掃除が大変になるだけではありません。上手くできなかったことに対して、犬の心も傷つき、落ち込んでしまいます。ほんの少し手を貸してあげるだけで、粗相をせずに済むかもしれません。愛犬の心が傷ついてしまうこともありません。
しかし、老犬になるまでの間のスキンシップが足りず、身体に触れられることを嫌がるようでは、適切な介助や介護をしてあげられなくなってしまうかもしれません。愛犬が老後を安全に快適に過ごすために。愛情を持って介助や介護をするために。お互いの将来のために、スキンシップの重要性を考える必要があります。
お互いが気持ち良くスキンシップをとるためのコツ
単純で簡単なことです。『愛犬が嫌がったらすぐにやめる』ということ。コツは、たったひとつだけです。早く慣れてもらわなくては!と、焦ってしまい、無理にスキンシップをとろうとしていませんか?触れることを嫌がる部分にしつこく触れていませんか?
ほんの少しでも嫌がる仕草や表情を見せるときは、すぐにやめましょう。今日はもうお終い、また明日です。慣れるまでにかかる時間は犬それぞれ違います。1週間で慣れる犬もいます。1か月かかる犬もいます。
ちなみに、元保護犬であった私の愛犬がブラッシングをさせてくれるまでに、2年半ほどの時間がかかりました。今日は背中にブラシを3回通してお終い。次の日は首元にブラシを当てるだけで嫌がられた。さらに次の日は尻尾に触れるようとしただけで唸られた。
その1週間後には首元にブラシを5回も通せた。そんなことを繰り返しながら、いつの間にか全身どこを触っても嫌がることなく、スキンシップが大好きな犬へと成長しました。愛犬とのスキンシップが苦手な飼い主や家族のみなさん。ぜひ焦らず、愛犬のペースに合わせて、根気強くチャレンジしてみてください。
まとめ
愛犬とスキンシップをとる重要性について、
- ケガや病気の早期発見と早期治療のためのスキンシップ
- 介助や介護が必要になったときのためのスキンシップ
この2つを例に取り上げてみました。実際に自分や愛犬の身に起きてみないと理解できないこともあるかもしれません。しかし、実際に起きてからでは手遅れになってしまうかもしれません。愛犬と上手くコミュニケーションをとるためのコツは「愛犬が嫌がったらすぐにやめる」ということです。たったこれだけで、うんと愛犬との心の距離を縮めることに成功するかもしれません。ぜひ、試してみてください。